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【読んだよ】斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』

※画像引用:Amazon

図書館で周木律さんの本を探していたら近くにあった本。
周木さんの本はなかったのでいずれ買うことにします。

斜線堂さんの本は読んだことがなかったのですが、この帯に引かれました。
世界に突然天使が現れて、2人以上の人を殺すと容赦なく地獄に連れて行っちゃいます。
天使と地獄、相反しているような(^_^;
天使と呼ぶけど見た目は全然可愛くなくて不気味。
そんな世界で探偵が孤島の屋敷に招かれ、そこで連続殺人が起きます。
2人どころかそれ以上殺されるという不可能状況。
殺人ではなく自殺? 犯人が複数?

この物語は現実ではあり得ない世界で起こる謎(殺人事件)=特殊設定ミステリです。
どうやって事件を起こしたのか、なぜ事件を起こしたかなど特殊設定が関わりますが、謎解きはミステリなので論理的に行われます。
ファンタジーとミステリを両方味わえる美味しい設定ですね(*^^*)

探偵の青岸焦(あおぎしこがれ)は、天使の登場により人生が狂ってしまうのですが、皮肉にも天使と深く関わるのでは?と思われている人物。
彼は孤島で殺人事件に遭遇し、人々から謎解きを期待されます。
でもあまりやる気は起きません。
あることにより探偵業がトラウマみたいになっているから。
とはいえ殺人が続くので、なぜ犯人が2人以上殺せたのかという謎に向き合うことになります。

この物語では天使という異形の性質を活かしたトリックが使われています。
謎解きは異能を使ったりせずあくまでロジカル。
天使の現れた世界での人々の欲や苦悩も描かれていて、とても満足できるミステリでした。


◆感想◆

気持ち悪さ満点の天使、過去に苦悩する探偵、不可解な連続殺人。
初めから終わりまでずっと陰鬱な雰囲気の漂う世界でした。

そのダークでアンニュイな雰囲気が…………好き!\(^o^)/

明るいキャラクターもいます。
料理人の大槻はやる気なしなしなのに簡単な料理でも美味しく作っちゃうチートで、招かれざる客の伏見は出来る記者かと思えばドジっ子(*^_^*)
そんな2人とメイドの倉早は、殺人が起こると青岸に「助手にしてください」って。可愛すぎか!
医者の宇和島はツンかと思ったらたまにデレるし、なにげにモテモテな青岸なのでした。

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