【タル空】どれにしようかな?

聖遺物で悩むタルタリヤとそれに付き合う空くんのお話です。



う〜〜〜ん…
「どれにしようかな…。」

そうして唸って悩んでいるのは、タルタリヤである。余程悩んでいるのか、腕を組んだ上で顎に右手を添えている。

「聖遺物で悩むなんて、珍しいな。」

そんなタルタリヤに声を掛けるのは、空であった。いつもであれば、聖遺物に関して悩むのはむしろ空のほうであり、タルタリヤが聖遺物について悩んでいるところは見たことがない。というより、初めて見たと言ってもいいかもしれないほどだ。

スッ…
「そうなんだよ…。

どれが空に似合うか、悩むよ…。」
クッ…

「って、俺のかよ!?」

しかし、顎から手を外して真剣な顔でタルタリヤが告げた発言に、空は盛大にツッコんだ。

てっきり、自分自身に着ける聖遺物のことを考えているものだとばかり思っていたので、完全に予想外だったからだ。

しかし、かなり真剣に考えているのか、タルタリヤの表情は悔しそうであり、下手なことは言えない雰囲気を醸し出していた。

「だってこれとこれなんて、微妙に違うから悩むんだよ!?」
バァン

「…いや、手作りのお土産選ぶじゃないんだから、せめてオプションで選んでくれよ…。」

そう言いながら、タルタリヤが取り出したのは、沈淪の心シリーズの聖遺物の杯である。しかし、彼がそうは言うものの空から見れば、見た目に大した違いはないように見える。

「大体、自分はいいのかよ??」

「俺の聖遺物は、空が最高のを仕立ててくれたから大満足してるよ!」
ニコニコ

「そうか…。」

タルタリヤが悩む一方で、にこやかな笑顔で告げられたその言葉が密かに嬉しい空であった。

しかし、その後も、まだまだ悩んでいて埒が開かないので、一緒に秘境に行くことになったことでようやく納得してくれたという。

-END-

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