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無謀な挑戦でした…

七聖召喚の正式プレイヤーになったばかりの空くんがセノに挑んだお話です。

・セノの性格&口調迷子気味
・七聖召喚の強さについて、セノはあくまでも自己流かつ日々研究している、だからあくまでも楽しむ感覚、という解釈です。
・筆者のカードの趣向が空君に乗り移り気味(カードイラスト鑑賞が好きなど)

参考資料

・風花祭2023 セノのセリフ(主に七聖召喚時)やサイードのセリフ
・セノとの七聖召喚の対戦結果(風花祭版)
・カスタムカード裏面


キャッツテール前のオープンテラスにて。

「ま、負けた………。」
ガックシ…

落ち込んだ様子で肩を落とすのは、長い金髪を三つ編みに結んだ旅人の少年、空である。

「なかなかにいい勝負だった。」

そんな空とは対象的に、満足そうな様子で赤橙色の瞳を細めているのは、ジャッカルに似た特徴的な帽子を被る白髪褐色の少年、セノである。

パッ
「やっぱりセノは強いな〜。」

「お前のデッキもなかなか興味深かったぞ。」

落ち込んだ様子から一変して、明るい表情に切り替わった空は、セノに賞賛の言葉をかける。その言葉に対して、セノは興味津々と言った様子で目を輝かせた。

そう。

2人は七聖召喚をしていたのだ。

キャッツテールでは、前々から七聖召喚の勝負の場が提供されていた。それは、キャッツテール前にあるオープンテラスにも適用されている。

その為、風花祭にモンドに来ているこの機会に、セノもそこに座り、七聖召喚をやりにキャッツテールへと足を運んだ他のプレイヤーと対戦しているみたいだ。

「それにしても…、

まさか、正式なプレイヤーになってすぐに俺に挑むとはな…。」


「前々から、セノがやっているのを聞いていたから、つい勢いで…。」

「俺も色々なプレイヤーと対戦してきたが、まさか、まだ七聖召喚をやり始めたばかりのプレイヤーに挑まれたのは初めてだ。」

「あ、やっぱり? 実は、俺もちょっと無謀だったかな、と思っていたんだ…。」

「だろうな。手札を見れば、始めたばかりだというのが分かる。」

セノが言うように、空は正式なプレイヤーになってからまだ間もない。

先程、セノが興味深い、と言ったのも、空のデッキの編成からまだ始めたばかりであることを悟って、どんな攻勢をしかけてくるのか見物していたのだ。

結果は、セノの勝利となった。

しかし、セノのキャラクターカード1枚を倒した功績はかなり大きいことだろう。何しろセノのデッキにそこまで打撃を与えたのは久々だったからだ。

だからこそ、つい熱くなり悪くない、と思ったのだ。

(しかし、そうまでして、なぜ挑んだんだ?)

だが、セノにはある疑問が残る。

何故始めたばかりであるはずなのに、セノに挑んだか、だ。

デッキ編成の研究に力を入れている甲斐もあって、セノは勝利を手にすることが多い。無論、たまに負ける時もある。だが、それも相手がデッキ編成に力を入れていたからこそであり、負けたら負けたで、その分、分析及び研究をすることが、セノは何よりも好きだった。

だが、中には、なかなか勝てないからと言って、もうセノと対戦はしたくない、という者も少なからずいる。どんなデッキ編成やどんな攻勢を仕掛けてくるのかを見てみたいセノとしては、残念なことである。

だからこそ、余計に気になったのだ。

以前からセノが七聖召喚に力を入れていることを知りながら、何故、空は挑んできたのがを…。

「スメールのプスパカフェとかでもいいけど、折角、セノが風花祭に来ているからやりたくてさ。それに…。」
ゴソゴソ

「?」

思案の為に、だが、こちらを見つめながら黙り込むセノ(傍から見ると、真顔にちかいので少し迫力があるが、空は気にならない)に答えるように、空は懐を探りながら言葉を紡いだ。それに、セノも首を傾げる。

スッ
「このカスタムカード裏面。もらったのが嬉しかったし、折角なら、このモンドでやりたくてさ!」

「………、そうか。」

そうして空が取り出したのは、風龍と風の花を形どったカスタムカード裏面だった。対戦中もつけてくれていることを内心嬉しく思いながら気になっていたのだ。

しかし、それが理由だと知って、セノはますます嬉しくなると同時に、自分の考えが杞憂であったことを知った。

(俺の考えすぎだったか…)
フッ

微かに笑みを溢したセノはそう結論づけた。

何しろ、カスタムカード裏面を手にした空は満面の笑顔を浮かべていたからだ。

「まぁ、無謀過ぎたけど…。」
トホホ…

「なら、また相手をしてやる。」

「え?」

「今度は、じっくりデッキを組んでから来い。

いつ、どこでだって、俺はお前が挑むのを待っている。」

「セノ…。うん! ありがとう!!」

「しかし、俺が言うのも何だが、負けて嫌になったり悔しくなったりしないのか??」

そんなやり取りをしながら、セノは、心の片隅で気になっていたことを口にした。

先程は結論づけたはいいが、やはり気になっていたのだ。万が一、これがきっかけとなって、空が七聖召喚から離れてしまうのは、非常に惜しい。何よりセノ自身が、デッキ編成を組み直した空ともう一度戦いたいと思っているからだ。しかし…

キョトン
「え? 全然。」

「なんだと…??」

キョトンとした顔をしながら即答した空、そのあまりの即答っぷりに、逆に驚いたセノは、困惑する。何しろ、その言葉に嘘が全く含まれていないことが、空の瞳を見ればおのずと分かる、そう確信が持てることだからだ。

もし、ここにセノの姿を気にしていたサイードを始めとする教令院の関係者がいるとしたら、大マハマトラとして数々の嘘を暴いてきたセノのこの言葉に、驚くと同時にとてつもない説得力を感じたことだろう。

「むしろもっとデッキを組むのが楽しくなって来たところだよ!!」
ワクワク

(色々なカードのイラストを見れたりする機会が増えるから!)

「…そうか。」

(やはり、素質があるのかもしれないな…)

瞳を輝かせながら口にした空の返答に、それ聞いたセノは、まだ困惑を残しながらも、これからの空の七聖召喚の腕前に伸び代があることを感じ取るのだった。

色々なカードのイラストを見る機会が増えることが楽しみな空。

挑んでくる、または挑む相手のデッキ編成やどんな攻勢を仕掛けてくるのかが楽しみなセノ。

2人の七聖召喚に取り組む姿勢が、微妙に食い違っている気がしないでもないが、七聖召喚の楽しみ方は人それぞれである。

だからこそ、それを指摘するような無粋な者はこの場には居なかった。

「じゃあ、早速、デッキ編成を考えながら、色々な人と対戦してくる!」

ガタッ
タッタッタッ

立ち上がった空は、セノに声をかけてから駆け出して行った。その足取りは、いつも以上に軽いように思えた。

フッ
「忙しないやつだ…。」

それを見送るセノの口元には、自然と笑みが溢れていた。

その後、宣言通り色々な人に七聖召喚を挑む為に駆け回る空の姿が見られたという。

-END-


あとがき

筆者の完全なる実話に基づいたお話になりますwww←

実は、七聖召喚のストーリーをあまり進めていなくて、この風花祭の時期に、慌ててやって、正式プレイヤーになった後に、セノに挑んでボロ負けした実話から思い付きました…!!


セノ強ぉい!!!←


今は、ちょこちょこやりながら、のんびり進めています。
カードイラストを眺めるだけでも楽しいので!!←

また、対戦後のセノの"悪くない、あとでもう一度どうだ?"というセリフから、もしかしたら、セノは勝っても負けても、嬉しいのかな?という解釈をしたお話でもありました。多分、色々な考えが詰め込まれたデッキ編成と戦略に触れることが、彼にとっての一種のコミュニケーションなんでしょうね…。

私は、カードゲーム系のカードはイラストを眺める派なので、対戦しているプレイヤーの方々の気持ちがほんの少しだけ分かったような、気がします…!!
(違っていたらすいません…)

長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます!
 

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