見出し画像

風俗嬢「アボットさん」の話

youtubeで風俗嬢のアボットさんという方の動画を拝見しました。

その方は、当時41歳。
風俗と清掃業で生計を立てている方でした。

動画の中で、彼女が発したあるセリフに非常に心を動かされました。


「何が何でも生き延びたいという気持ちでいっぱいだった」


私は彼女のこのセリフを聞いて、
「なんて強い人なんだろう。」と、心底思いました。

失礼を承知の上ですが、もし、神様に
「今から貴方にはアボットさんの生活をしてもらいます。
生と死、どちらを選びますか?」
という選択肢を目の前に出されたら、私はすかさず後者という選択をするでしょう。

正直、風俗や清掃業という職業に偏見を持っており、
社会の底辺だ、そんなことをするくらいなら死んだ方がましだ、だと思っていました。言葉にするとごみくずのような最低の人間です。
でもこれは正直な気持ちです。

なぜそんな偏見を持っているのでしょう。

自分が勝手に作り出した世間の評価という
フォルターを通して判断しているからです。

私は世間がよしとするレールに沿って、人生を歩んできました。
常に優等生を心掛け、有名大学に入って、安定した職業に就きました。
世間は「よくやった!!」と私をほめたたえます。

世間にとって良いことが、私のいいこと。
世間にとって悪いことが、私の悪いこと。

だからこそ、アボットさんの生き方をよしとすることは
できなかったのです。

しかしそんな私は、いつからか「生きたい」と思うことがなくなりました。
生きているように死んでいる、という言葉がしっくりきます。

世間の目を抜きにして、よくよく考えると、
アボットさんの生き方の何が悪いんでしょうか。

世間の目という幻想に怯え、自らの命を無駄にしようとする自分の方がよっぽど恥ずかしくて、愚かで、醜い人間ではないでしょうか。

アボットさんは、世間の目というしがらみからは、抜けきっています。
ものすごくカッコよく、尊敬すべき人間なのではないのでしょうか。

この世ではひどい扱いを受けていたとしても、
あの世にいったら、神様がほめたたえるのは、アボットさんでしょう。

私は今、仕事のストレスから、会社に行けなくなり、来月退職予定です。
最近まで、レールを外れる恐怖から、死が本当に間近に迫っていました。

しかし、アボットさんに出逢い、自分の愚かさに気付くことができました。

自分も「何が何でも生き延びたい」と思えるような人間になりたいです。
アボットさん、本当にありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?