「この命に意味をもたせなければ」

今、大河ドラマが熱い!
…とは源氏物語好きの私の感想ですが、
現在放送中の『光る君へ』
確かに物語の進め方といい、平安文化を意識した美しい映像といい、なかなか話題を集めている作品ではないでしょうか。
その主人公・後の紫式部と呼ばれるまひろが、思い人・藤原道長との難しい恋を諦め、打ち込める何かを探そうと口にした言葉が「この命に~」。なんだかハッとしました。
登場人物たちの話し言葉は現代に近い柔らかいものになっていますが、占いや難事の祈祷などが日常に入り込んでいる平安の世にあって、自分の命に対する向き合い方は想像以上に深かったのかも知れません。
「悠久の宇宙や生命の歴史を考えると、この宇宙にわたしが生まれてくるのは奇跡的な確率です」
「この世に生まれてこられたこと自体が脅威的な幸運なのです」
これは星景写真家・KAGAYAさんの言葉ですが、まひろにも近い思いが根底にあって、だからこそ「この命を~」の言葉になったのではないでしょうか。千年の時を経て、今なお読みつがれる物語の作者の強さを垣間見た気がしました。

冬の星空は澄んでいてきれいです。
そして今も昔も星空は変わらない。
今晩あたり、まひろの時代に想いを馳せて、
夜空を眺めてみませんか?

『天空への願い』 KAGAYA著   河出書房新社

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