過ぎ去る日々と好きだったものたち
桃鉄が好きだった。幼い頃、両親の仕事が忙しく旅行になかなか行けなかった私は、毎日のように汽車にのり日本全国各地に散らばった目的地を目指すそのゲームに没頭していた。100年プレイは何度も何度もプレイした。桃鉄がきっかけで得た知識のおかげで、初めて会った人とも出身地トークで盛り上がれるくらい名産品にも詳しくなった。そんな話をしていたところ、彼が桃鉄のソフトを持って家に帰ってきてくれた。友達に譲ってもらったらしい。嬉々として話す彼の隣で私もワクワクしていた。これからどんな旅が始まる