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障がい者のこだわりも時には周りを破壊してしまう

ASDの身の上であると、妙なこだわりというものがピックアップされることがある。
会社に行けば、書類の山、整然としていないデスク、一緒に働く人の身なりなど、いろんなものを見てストレスを感じる。
自分は経験上やり過ごす方法を会得しているのだが、昔はもっと大変な目にあった。

5年ほど前、一緒に働いた人の中ではこだわりが強い人がいた。仕事自体は真っ当なのだが、仕事のやり方においてすごいこだわりが強かった。上司にまで自分のやり方をプレゼンのように話していたのが印象的であった。

彼は自分の思想を持っていたと言っても過言ではない。いろんな人に自分の思想を語っていったが、相手も障がい者なので意味が分からないと拒絶してしまった人もいた。
自分は彼からしたら話の通じる人と認識されたようで、事あるごとに話を聞かされていた。自分は話は聞くが内心は影響を受けることを避けていた。自分でなくなっていくような感覚まであったからだ。
特に多かったのが仕事の進め方についてであり、自分のやり方であればうまくいくのになぜ遠回りの方法をとるのかなど、彼のやり方が一番いいと思い込んでいるフシがあった。上司に対しても自慢げに自分の思想を語る彼に上司からは幻想でしかないと突っぱねられても話を続けた。
こんな調子であるから衝突することもあり、その都度上司の前で相談するというのが日課になっていた。
そんな彼も休みがちになっていき辞めていったのだが、「癲癇」であると知るのはそれから少し経ったときである。

一番つらかった時期であり、自分の思想を延々と語った後に癲癇が出て早退ということもありストレスで押しつぶされそうだった。中には政治や社会に対しての不満をぶつけてくることもありますます手を焼くことになる。現場のことを見ていない上司へや政治、社会まで延々と聞かされる愚痴は狂気に感じた。
それでも鬱症状が出なかったのがすごいことだと分かるまでに時間はかかった。
「なんで分かってくれないのかな」というのが口ぐせであった。

身の回りにこだわりが強い人がいるのであれば、精神や体を壊さないように付き合っていくのがいいと思う。

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