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見分けが難しかった青森・秋田の巨大梅、なにわ(八助)・おうみの種の違い(八助梅・おうみ梅その3)※確認・修正済

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの転載+2024年7月の後記です。(もともとの投稿日付:2023年9月2日)
なお、当記事及び過去2記事において品種を取り違えていた可能性がありましたが、確認の結果、間違いありませんでした。お騒がせしました。詳細は別記事にて説明しますので、本記事は昨年時点の内容としてご理解ください(記:2024年7月10日)。

二週間ほど前に天日干しを終えた巨大梅(というか杏)、八助とおうみの味見をした。干し終わりはこんな感じ。

干し始める際にも書いたが、八助は皮破れもなくきれいに漬かり、干し終わり重量も多め(532g⇒356gで約67%。梅干しは完成重量が生梅の60%が理想的と言われている)。

きれいに干せました

おうみの方は皮破れやカビがあったため水分の流出が多く、干し終わり重量はやや少なめ(592g⇒310gで52%)。でも梅干らしく干し終えられてほっとした。

なお、下の写真で白くなっている箇所は産膜酵母と思われる。ホワイトリカーで少々洗ったくらいですぐには落ちないということか。
産膜酵母自体に食べて害はないと言われているが、放置するとこの上にカビが繁殖するリスクがあり、味も落ちるため除去している。
次にこうした事態が起きた場合は、梅酢を煮沸消毒した上で初回天日干し後に一旦梅酢戻しを行い、二度目の天日干しを行うと安心かも知れない。

さて、干し終わりから2週間ほど経ち、ある程度しっとりしてきた。どんな味になっているだろう?
左の皴の多い方がおうみ(皮破れで縮んだ)、右が八助。

<以下、過去記事を大きく書き変えています>

ここであることに気付いた。
種の色や形がまったく違うのだ。おうみと思っていた左側の種はいかにも杏的な濃色、右側は大きさこそ規格外だが、色や表面の肌感(凹凸がありざらざらしている)はほぼ一般的な梅の種。

些かの疑念を抱きつつ、味も比べてみる。
左側は熟成感が既にある。皮破れがあった分、干されてより凝縮したためだろう。対して右側はフレッシュ。ただ、左より右側の方が梅干しっぽい味には感じる。杏というほど甘くはない。
さらに食べ終えて並べると、種の形状も大きく異なっていた。
左側は全体的に薄べったく、周りが平たくて固い円盤型。右側も周りはやや平たいが、ラグビーボール型で一方の先端が尖った梅の種らしい形。

疑念はいっそう深まる。

ーーこれはひょっとして、「八助」「おうみ」が逆だったのではないだろうか。

あまりに種が違い過ぎる。
一方は杏っぽい種、もう一方はウメっぽい種。
それなら左側のが八助、右側がおうみと考えた方が自然なのではないか。何故なら八助は100%杏だから。おうみ梅の由来や梅・杏の配合割合等は不明なので、こちらからの特定は困難。

思えば送付時から少し不安はあった。
箱を開けると品種の明記がなく、段ボール紙を間に入れて上下を分けてあるだけだった。店舗に問い合わせたところ「上がおうみです」とのこと。
それをそのまま信じて来たが、大丈夫か・・・?
さらに、同ショップへ購入前に八助とおうみの違いについて問い合わせたところ、「ほぼ一緒です」との回答だった。だが実際にはだいぶ違う気がする。味も、その他の特性も。
ううむ。大丈夫だろうか。

ともかく今年はもう生梅を買うことはできないので、これについてはいったん保留。
おしなべての感想としては、特に「おうみ」と思われる左側の方は食べると酸味があまりなく、右側の方も一般的な梅と比べるとやはり酸味は弱め。このため梅干しの酸っぱさを期待して食べるとやや物足りないのだが、青森や秋田の人々は、そうした風味を補うために赤紫蘇で巻いて「しそ巻きあんず」または「しそ巻き梅」として漬け込んだのかも知れない。

良い機会なのでしそ巻き杏の漬け方も調べてみた。単に実を割り紫蘇で巻いただけでなく、かなりの手間と期間がかかっている。
①洗って塩漬け⇒②実を割り、種を抜いて天日干し⇒③砂糖漬け⇒④別途塩とあんずの漬け汁で漬け込んだ赤紫蘇で巻き、天日干し⇒⑤漬け汁と砂糖に漬け込み約一ケ月熟成・保存
子供の頃から何気なく食べていたが、それほどの手間がかかっていたとは知らなかった。贅沢品だ。

≪2024年6月~7月現在の追記≫
本記事の再掲にあたり、改めてこれらの梅干し(一方はその後しそ漬けした)と瓶漬けを取り出し、食べてみた。
これが現在の様子。
10ヶ月経った状態で食べてみると、違いはより明確化していた。左側の濃色の種の方は明らかに繊維質が多く、味もウメではない。対して右側は、しそ漬けしたこともあって普通に「梅干し」として成立している。まあまあ好きな味。

続いて瓶詰めの梅(杏)漬け。
漬け汁の色がこんなに濃くなった。漬け汁の味もやはり「おうみ」と思っていた濃色の種の方はやや甘く、他方は梅っぽい酸味が幾分感じられる。

実の味にも同じことが言え、左側の瓶の中身は今や明らかに杏だ。この繊維の多さはウメでは見たことがない。

最近杉田梅や五郎梅を見ていたからかも知れないが、右側の「ちょっととんがり型」もウメっぽく感じる
やはり右は杏っぽい

この疑念をはっきりさせるには、生の実が入手できる時期に再度買って確かめるのが確実。混同を避けるため、今回は敢えて八助のみを1kg購入した。届き次第八助の特徴について改めて確認し、生食もしてみたい。

ああ、返す返すもあの時しっかり確認しておけば…。
当時は他の梅たちにも気を取られ、注意力が散漫だった。反省。
そんな訳で、真相は新八助が届き次第書き、また過去記事にも修正や追記を加えたいと思います。⇒2024年7月10日、修正しました。
よろしければ、そちらも引き続きお付き合い頂けましたら幸いです。

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