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打ち豆は「だし」食材〜野菜と豆の美味しさに驚く福井の郷土料理「ごんざ」と改めて煮菜、打ち豆入りみそ汁

思えば数ヶ月前から「打ち豆」が気になっていた。新潟の郷土料理「煮菜」を自作の青梗菜漬けで試す際、材料欄に打ち豆があった。その時は茹で大豆で代用したが、その後も気になっていた。東北南部~北陸あたりの郷土料理にしばしば登場するからだ。

そして見つけた福井の打ち豆。
今月福井を訪れた際、立ち寄った道の駅で発見し、大喜びで買い求めた。やった!

帰って早速つくったのが打ち豆入りのみそ汁。
打ち豆は手早く煮えて便利なだけでなく、美味しい出汁の出る食材でもあると福井市の動画で見た(上の打ち豆製造元の高橋製粉所で、社長自ら製法や活用法について詳しく説明されている)からだ。

だしの味がよくわかるよう淡い味の具(大根と白菜)を選び、打ち豆も加えて煮、味噌はやや薄めに溶く。

うーん、やさしい味が出ていて美味しい。ほっこりする感じの柔らかな美味しさだ。茹でた大豆とは異なる、乾物ならではのじんわり広がる丸みのある味わい。同じ大豆なので味噌ともよく合う。これは良いですね。

味がわかったので、3ヶ月もの(気づいたらそんなに経っていた)の青梗菜漬で改めて煮菜をつくり

青梗菜があっさりしているので煮干しも打ち豆もたっぷり(打ち豆は入れ過ぎ)。今回は味噌味。味噌味もやっぱり美味しい

もう一品、福井の郷土料理の中で気になっていた「ごんざ」をつくった。

「ごんざ」とは大根と打ち豆を使った煮物で(「ごんざぶろう」さんが作った説が有力らしい)、地域や家庭によって人参や椎茸、里芋等が入る場合もあるそうだ。いくつか作り方を参照するとだいたい人参も入っていたので入れ、だし食材として干し椎茸と油揚げも少々入れてつくってみた。

《野菜たっぷり福井の郷土料理「ごんざ」》レシピ:つくりやすい分量(4人分くらいかな)
◆材料

・大根:1/4本
・人参:1/3本
・打ち豆:20g
・干し椎茸:6g(だいたい2枚分)
・油揚げ:1/2枚
※ほか、ごぼうや里芋が入る場合もあるようです
・醤油:40cc
・みりん:少々

◆作り方
1)材料を切る。
大根は皮をむいて短冊切りに近い千切り(人参よりやや大きめ)、人参は皮をむいて千切り、干し椎茸はぬるま湯で戻して(戻し汁も出汁として使う)細切り、油揚げは熱湯をかけて油抜きして細切りに。

2)鍋に切った材料と干し椎茸の戻し汁、材料がかぶる程度の水を加えて弱めの中火で煮る。最も煮えにくい人参が柔らかくなってきたら分量の醤油とみりんを加え、さらに5分ほど煮て全体が煮えたらできあがり。冷まして味がしみてから食べるとより美味しい。

これがびっくりするほど美味しかった。本当にこれしか入れていない(所謂「だしの素」は使っていない)のにこんなに美味しいの!?と驚く。それだけ大根と打ち豆との相性は良く、各食材からよい味やだしが出た結果だろう。野菜と豆の旨味、すごい。煮汁も美味しい。そのまま飲み干したくなるくらい。お餅を入れてお雑煮にしてもきっと美味しいだろうな。
そんな訳で、かなり大量にできたのに、夫がやや無理をしてまでたいらげてしまった。相当気に入ったらしい。また作ろう。

この日は他にかぼちゃと小豆煮(これも福井料理。甘くしないのがポイント)、せいさい漬の弁慶飯(漬物で包んだ味噌おにぎりを炙る。今回は玄米むすび)、ふるさと納税で氷見から取り寄せた寒ぶりのごま和え(ものすごく美味しかった)をつくり、北陸料理で揃えた。日本酒を呑みたいところだけれど、アルコール度数の高いものはまだ少々怖い気がするので発泡酒で。

いやあ、北陸は美味しいですね。
またそう遠くないうちに行きたいな。

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