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日本全国魅惑のローカル梅たち

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ひとくちに「梅(梅干し)」と言ってもその個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多様。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べた…
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#十郎梅

「きょうだい」とはあの兄弟由来の名!曾我梅林の杉田系希少種、ハート型がかわいい「五郎梅」来る(神奈川県小田原市産五郎梅その1)

曾我の梅農家さんから「五郎梅」という品種の梅を買った。初めて聞く名である。 つやつやしてとても綺麗な梅たち。 先の方が少しとんがりして、ハート型にも見える実に可愛らしい梅だ。香りも爽やか。 この形状は、やはり曾我梅林で育てられる杉田梅に似ている。今回買ったきっかけも、初めての品種だったからでもあるが、それ以上に「杉田系」だったから。私は酸味の強い杉田梅が好きなのだ。梅は酸味の強い品種ほど、それに比例するように独自の旨味を併せ持つように思う。山形の谷沢梅然り。 そんな五郎

生梅が3kgあったらどう使う?熟の加減で分けてカリカリ梅と梅干し、追熟させて梅味噌と完熟梅のジャム(2024十郎梅その2)

今年は二度買った十郎梅、後から買ったのはわけあり3kg。これぐらいあるといろいろ使える。 箱に可愛いメッセージが。梅への愛情が感じられて嬉しかったので掲載させて頂く。メルカリ購入はこうしたやり取りも楽しみのひとつ。 さて、3kgちょっとの梅、熟の進みにもばらつきがありそうなので、まずは状態を見ながら分類。 ①じゅうぶん熟したもの(左上) ②梅干しに向かなそうなもの(熟し過ぎや傷)さらに追熟させる分にざっくり三通り…と思ったが、量が多いので追熟も二段階に分け ③追熟分・やや

十郎梅の梅干し完成とその後(十郎梅その4~6、追記あり)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月26日,7月10日,7月20日) 豊橋の梅と共に、十郎梅の一部も天日干ししていた。 美味しい梅酢にひたひたに漬けていた十郎梅1)に漬けた実からの梅酢も出て、容器からこぼれそうになっていたからだ。最も梅酢少なめの3)はワインセラーに入れてあるのでもう少し漬けておく。 上が梅酢100%の十郎梅1)、その下が梅酢と塩で漬けた十郎梅2)の干し終わり。天日干し用に新たに角網を2枚買

サクッとジューシー、十郎梅のカリカリ梅完成!(十郎梅その3)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月23日) 十郎梅をカリカリ梅用に漬けてから2週間ほど経った。 程よく塩がしみ込んだ感じに見える。それにしても十郎梅は本当に美人梅。塩漬けしても全く美しさが変わらず、ピカピカで美味しそう。 漬ける際はこんな感じでファスナー袋に梅とその重量の10%の粗塩、卵膜を除いて煮沸消毒してお茶パックに入れた卵の殻1個分を入れ、常温で保存した。 まだ暑くない時期だったので常温でも問題なく

梅仕事中の急な気温上昇(による意図せぬ発酵やカビ)に気をつけよう(十郎梅その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月19日) 梅雨真っ最中だというのに天日干しができてしまうほど、ここ数日天気が良い。気温も高い。天日干しを始めた金曜以降は軒並み夏日~真夏日で、これまで長袖で生活していた私も、気付けば自然と窓を開け、Tシャツ1枚で過ごしている。 これだけ気温が上がれば当然室温も、常温で塩漬けしている梅の温度も上がっている筈で、塩分を控えて漬けていた分が微妙に発酵しかけている。 ひとつは梅

神奈川の美しい梅、十郎梅来る&追熟と梅酢梅干しの仕込み(十郎梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月11日) 初めて梅干しを漬けるにあたり、収穫から何日も経ったスーパーの梅ではなく、適切なタイミングで収穫された良い状態の梅を、直売所等で生産者から買いたいと思っていた。 最も入手しやすいのはやはりおなじみ和歌山県産南高梅。関東のスーパーで普通に買えるくらいなのでネット上の出品数も多く、質も大きさも価格も様々。 でも南高梅の梅干しは美味しいのが家にあり、食べ慣れて特徴もわか

【日本全国ローカル梅】#1 十郎梅(神奈川県小田原市)〜神奈川が誇る美人梅

初めて「ローカル梅」を意識して漬けたのは小田原産の十郎梅。近所のスーパーでも生梅は買えるが、その殆どが和歌山や長野、群馬等県外産。せっかくなら住んでいる神奈川県産の梅も入手したくなり、探して買えたのが十郎梅だった。 十郎梅の特徴は、まず何よりもその美しさだ。箱を開け、冒頭写真の艶やかでまんまるな実を目にして思わず「美人ちゃん…」とつぶやいてしまった。それほどつるつるで綺麗。香りも上品だ。どこか平安貴族を思わせる、重ねの衣に焚き染めたお香のような、古風で奥ゆかしい香り。 梅干