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日本全国魅惑のローカル・郷土梅たち

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ひとくちに「梅(梅干し)」と言っても、その個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多彩。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べ…
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#梅仕事

減塩+はちみつ(単糖類)で漬けた梅干しは水分が梅酢側へ流出しやすい(2024節田梅その2完成編、2024豊後梅その2完成編)

2024年の梅仕事もようやく完了した。 今年は塩漬け期間を昨年よりもやや長めにとったことと、7月に天候不順が続いて天日干しができず、生梅入手は早かったができあがりは遅くなった。何とか全て無事干し終わってほっとしている。 まだ以下の品種を完成まで書いていないので適宜更新し、それから今年の出来や特に気に入った漬け方・品種等についてまとめて行きたいと思っている。 なお、作業自体は終わっているが、漬け込み期間が3ヶ月必要な中国の甘い干し梅「話梅」、仕上げの砂糖漬けが1ヶ月以上必要な

今季の新梅(五郎梅、佐布里梅)を梅がゆで食べ比べ~五郎梅の酸っぱさはやはり杉田梅に匹敵(五郎梅その4、佐布里梅その3完成編)

前日に少々食べ過ぎ飲み過ぎてしまい、胃疲れ気味な日曜の昼。久しぶりにお粥を炊こうと思い、ならば格好のお供があった。今朝干し上がったばかりの五郎梅の白干しと、先週干して1週間ほど寝かせた佐布里梅。佐布里梅は皮破れが多くて干すのに難儀をしたが、数日経つととてもしっとりとして美味しそうに落ち着きつつあった。色も褐色が増している。 五郎梅のしそ漬けは先週佐布里梅と同時に干し上げ、ひと足先に味見をしたが、なかなか美味しいしそ梅干し。白干しはどうだろう? なお、しそ漬け・白干しとも、五

梅雨も明けたし土用干し〜しそ漬けした五郎梅と皮破れの多かった佐布里梅を干す(五郎梅その3、佐布里梅その2)

梅雨明け直前の先週前半、関東はじめじめとした天気が続き、洗濯物をなかなか外に干せなかった。困るのは洗濯だけではない。「梅の天日干しができない」ことにもじりじりしていた。 今年漬けた梅干しのいくつかに産膜酵母発生。見つける度に注意深く膜を除去し、ホワイトリカーで梅を洗って戻す手当をして来たが、気温上昇につれ速度も範囲も激化の一途を辿る。 これらは塩漬けからひと月以上経っているのですぐにでも干してしまいたい、なのに干せない、そんな「天日干し待ち」が2袋あった。 梅雨が明け、土

今度こそ2024梅シーズン最後の梅購入、「おいしい山形プラザ」で谷沢梅を買って追熟(2024谷沢梅その1)

先般の「石川一号」で最後と思っていた今年の生梅。思わぬチャンスが訪れ、もう1品種だけ買うことになった。 銀座のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」で店頭販売していた「山形の梅」こと谷沢梅。安かった…。1キロ720円、例年ならば特筆することもない標準価格だが、不作の今年は激安。しかもあの酸っぱくて美味しい谷沢梅、買わない訳には行かないのである。 もともとはこのポストを見たのがきっかけだった。加えて翌日は自宅マンション工事による数時間の停電が予定され、この猛暑にエアコンも扇

今季こそ知りたい豊後梅の真の魅力と実力を!数百年続く農家より購入、小粒でもとてもかわいらしい豊後梅(2024豊後梅その1)

豊後梅は私にとって「憧れの存在でありながら、未だその魅力を引き出せていない」課題の品種。 豊後梅を「これ」と好んで漬けている方は多く、その魅力を知りたくて昨年取り寄せ漬けてみたが、どうも思ったほど特徴が出ず課題感が残った。決して悪くはないのだが、きっともっと美味しくできるはず。 どうすればより美味しく漬けられるだろう?塩を変えるか、塩分を調整するか、或いは漬け方を変えるべきか。 豊後梅は全国各地で栽培されている。おそらく産地や作り手によって味は異なるだろう。故に今年はどの地

2024梅シーズン最後の梅購入、初めての「石川一号」は城州白に匹敵する香りの良さと愛らしさを持つエリート種(石川県産石川一号その1)

今年の梅シーズンもほぼ終盤。 近隣の神奈川産や元々欲しくて予約した品種は概ね十分買えたので、あとは可能なら新潟の藤五郎か福井の新平太夫あたりが欲しいと思っていた。だが外出等でネットが見られない時間帯と販売時期が重なり、残念ながら買えず。 やはり不作で生産量が少ないからか、メルカリでは昨年に比べて3kg・5kg単位での出品が目立つ。私はどちらかと言うと様々な品種を1kg程度ずつ買って漬け比べるのが好きなので、その点でも手が出しづらかった。 まだ買える品種の中で何か出物はない

2024梅シーズン天日干し開始、まずは地元神奈川の十郎梅から〜(2024十郎梅その3)

このところ首都圏は一気に暑くなり、35℃を超える猛暑日もちらほら。梅雨明けはまだ宣言されていないが、猛烈な暑さや日差しの強さは既に真夏のそれである。 こういう天候になって来ると、そろそろ天日干しを始める頃かな…という気になって来る。今シーズン初めに漬けた梅はそろそろ塩漬け1ヶ月。干しても良い時期のものもある。 今朝目覚めると、外は早朝からギラギラ照りつける日差し。天日干しにうってつけの天候だ。 という訳で、2024シーズン天日干し開始!出しました。 …と言ってもご覧の通

とうとう今年も…梅干しの塩漬け中に発生した産膜酵母の除去と洗浄・消毒、そして紫蘇漬け(福井県産紅映梅梅その2、五郎梅その2)

今年は梅雨入りの遅かった首都圏。 入梅後も雨の降らない梅雨らしくない日々が続いていたが、ここ数日やっと雨が続いて屋内温度と湿度が急上昇。エアコンの除湿機能やサーキュレーターを駆使しているが蒸し暑い。夫が急に「除湿器買わない?」と言い始めたくらいだ。 それでふと気になったのが塩漬け中の梅干したち。 今年はどの梅も塩分15%前後で漬けたので、梅酢の出は至って順調だった。2~3日でファスナー袋がひたひたになるほど梅酢が上がり、品種別に置き場を分けて天日干し待ち体制に入ったのだが、

谷沢梅天日干し終了&紫蘇漬け、高田梅(完熟)干し始め〜熟し過ぎの巨大梅は皮破れ多発で梅干しには不向きか(谷沢梅その3完成編、完熟高田梅その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と2024年7月現在の後記です。(もともとの更新日付:2023年8月4日) 今日は昨日にも増して朝から日差しが強く、気温も高い。7時過ぎには既に30℃を超えていた。5時過ぎには暑くなる気配十分だったので、ちょうどひと月前に塩漬けした完熟高田梅を干すことに。 とはいえこの高田梅の天日干しが大変だった。 完熟で購入したため入手時点で皮が相当柔らかく、塩漬け中に次々皮破れが発生。なにぶん1個あたりの平均重量が60g以上

山形産の杏系ジャンボ梅、豊後梅と節田梅の天日干しとしそ漬け及びその後(山形産節田梅・豊後梅その2・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と(旧日付:2023年8月24日)2024年6月現在の後記です。 今週はずっと天候が不安定で、朝晴れていても一度は雨が降り、湿度も高く天日干しに適した天候とは言えなかった。 今朝になってようやく爽やかな空気を感じたので、残りの二大品種のひとつ、豊後梅を干し始めた。 天日干しを始める際は通常朝5時前後、遅くとも6時前には外に出すことにしている。6時半には外が暑くなるからで、できるだけ涼しいうちから干し始め、取り込む

砂糖漬けから3週間でかなりしわしわに〜初挑戦中「話梅(中国の甘い干し梅)」の途中経過①(白加賀梅その2・千光梅その2・ローゼンの梅その1)

このところ梅干しの塩漬け作業に追われ、その前に仕込んだ青梅のカリカリ漬けや「話梅」の続きを書けずにいたが、現状ひと段落ついたのでその辺も少しずつ書いて行こうと思う。 さて、5月末に作業を始めた「話梅(ファーメイ)」、白加賀については塩漬けまで、千光梅についてはその後の天日干しから砂糖漬けまでひと通りの仕込み方について書いた。 ーーが、実はもう1種類仕込んでいた。千光梅の様子に若干不安を感じ、保険をかけたくなったのだ。 それがこれ、通称「ローゼンの梅」。品種不明で、近所の相

ふるさと納税でどーんと大箱4.5kg、福井県越前町から福井梅(紅映梅)来る〜追熟梅はエステルの香り?(福井県産紅映梅その1)

全国のローカル梅について調べ始めた昨年、「今年は(時期が遅過ぎたり購入先が見つけられず)入手できなかったけれど来年はぜひ」と思っていた品種がいくつかある。その中でも心の優先順位が最も高かったのが、福井県のローカル梅の代表品種「紅映(べにさし)梅」。 その名前を知ったのはTBS「マツコの知らない世界」の「梅味の世界」だった。番組内で無印良品のねり梅に採用されている品種として紹介されていたのが紅映梅で、まろやかな酸味が特徴とのこと。 あの無印が日本で最も有名かつ生産量の多い南高

東北有数の梅の産地、江刺梅林のとんがり梅来る(与太郎梅(仮)その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月18日) 私が一関産南高梅を購入した翌日、秋田へ帰るつもりが豪雨で各道路が通行止めとなり帰省自体叶わず、北上で足止め泊となっていた夫がなんと!思いがけなく江刺梅林の梅を買って来てくれた。 実にうれしい。たいへん嬉しい。ありがとう夫よ。 しかも元々私が行きたかった直売所にそうとは知らず立ち寄ったようで、想定外に欲しいものが手に入り、私はたいへんホクホクだ。 やっぱり現地で買

「むめや」さんの梅味噌おにぎり、青じその塩漬けで巻いた梅干しおにぎり

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月27日) 梅仕事を始めて梅が身近になって以来、ほぼ毎日梅干しを食べている。結果的に梅干しおにぎりを食べる頻度も上がり、その日の気分で使う梅の種類を使い分けているが、ある日ふと気が向いて梅味噌を使ってみた。 左は種を抜き、包丁で叩いた梅干しを入れた青じそおにぎり、右が梅味噌たっぷりの海苔おにぎり。 普段最もよく作る梅おにぎりは、ごくスタンダードに梅干しをそのまま具にして海