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日本全国魅惑のローカル梅たち

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ひとくちに「梅(梅干し)」と言ってもその個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多様。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べた…
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#梅仕事

東北有数の梅の産地、江刺梅林のとんがり梅来る(与太郎梅(仮)その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月18日) 私が一関産南高梅を購入した翌日、秋田へ帰るつもりが豪雨で各道路が通行止めとなり帰省自体叶わず、北上で足止め泊となっていた夫がなんと!思いがけなく江刺梅林の梅を買って来てくれた。 実にうれしい。たいへん嬉しい。ありがとう夫よ。 しかも元々私が行きたかった直売所にそうとは知らず立ち寄ったようで、想定外に欲しいものが手に入り、私はたいへんホクホクだ。 やっぱり現地で買

「むめや」さんの梅味噌おにぎり、青じその塩漬けで巻いた梅干しおにぎり

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月27日) 梅仕事を始めて梅が身近になって以来、ほぼ毎日梅干しを食べている。結果的に梅干しおにぎりを食べる頻度も上がり、その日の気分で使う梅の種類を使い分けているが、ある日ふと気が向いて梅味噌を使ってみた。 左は種を抜き、包丁で叩いた梅干しを入れた青じそおにぎり、右が梅味噌たっぷりの海苔おにぎり。 普段最もよく作る梅おにぎりは、ごくスタンダードに梅干しをそのまま具にして海

「きょうだい」とはあの兄弟由来の名!曾我梅林の杉田系希少種、ハート型がかわいい「五郎梅」来る(神奈川県小田原市産五郎梅その1)

曾我の梅農家さんから「五郎梅」という品種の梅を買った。初めて聞く名である。 つやつやしてとても綺麗な梅たち。 先の方が少しとんがりして、ハート型にも見える実に可愛らしい梅だ。香りも爽やか。 この形状は、やはり曾我梅林で育てられる杉田梅に似ている。今回買ったきっかけも、初めての品種だったからでもあるが、それ以上に「杉田系」だったから。私は酸味の強い杉田梅が好きなのだ。梅は酸味の強い品種ほど、それに比例するように独自の旨味を併せ持つように思う。山形の谷沢梅然り。 そんな五郎

”桃”の台木に梅を接ぎ木して生まれたつるっとかわいいトロピカルな希少梅、愛知県知多市の「佐布里(そうり)梅」来る~(愛知県産佐布里梅その1)

佐布里梅、という名前を知ったのは梅ボーイズさんの過去動画。全国の梅農家を巡るシリーズの1つとして投稿されたものだ。 全国で10農家しか育てていない・・・それは手に入れるのは相当難しそうと思いつつ、珍しい名称なので名前だけはすぐに覚えた。 その後、今年に入って実施された梅ボーイズさんのクラウドファンディングの返礼品のひとつに佐布里梅を含む梅干しの食べ比べセットがあり、さっそく支援。食べるのを楽しみにしていた。 ーーが。 ある日いつものようにメルカリで梅探しをしていた私の目

ひと粒最大直径6cm×80g超!超巨大な「梅ボーイズ」さんの超完熟南高梅で豪華ひと粒梅ゼリーと梅干しを(和歌山県みなべ町産南高梅その1)

3月に予約した「梅ボーイズ」さんの超完熟南高梅。 ついに!ついに届きました!! 大きい…そしてかわいい。 「超完熟」なので全体的に黄色いのはもちろん、紅がさした梅もたくさん。2kg購入したところ、1kg入りが2箱テープで固定されていた。この箱は天日干し待ちの梅を入れるのにも使える便利なサイズ。 それにしても大きい。思わず大きいのをいくつか手に取り、計量。 この2つが特に大きかった。 上が約70g、下はなんと!80gを超えている。直径は共に6cm近く。でかい… これだけ

生梅が3kgあったらどう使う?熟の加減で分けてカリカリ梅と梅干し、追熟させて梅味噌と完熟梅のジャム(2024十郎梅その2)

今年は二度買った十郎梅、後から買ったのはわけあり3kg。これぐらいあるといろいろ使える。 箱に可愛いメッセージが。梅への愛情が感じられて嬉しかったので掲載させて頂く。メルカリ購入はこうしたやり取りも楽しみのひとつ。 さて、3kgちょっとの梅、熟の進みにもばらつきがありそうなので、まずは状態を見ながら分類。 ①じゅうぶん熟したもの(左上) ②梅干しに向かなそうなもの(熟し過ぎや傷)さらに追熟させる分にざっくり三通り…と思ったが、量が多いので追熟も二段階に分け ③追熟分・やや

「梅わり器」で青梅を割る~今年もやって来た会津の青いダイヤ、高田梅を割って塩漬けと甘漬けに(2024高田梅その1)

昨年手にしたローカル梅の中でもお気に入りのひとつ、会津特産の「高田梅」。青いダイヤと称されるが、どちらかと言うとダイヤというよりゴルフボール。まんまるでごつごつとした野菜みたいな個性的な梅で、その固さから梅漬けにするとカリカリ、シャクシャクと心地よい食感に仕上がる。 そしてその特性故に、高田梅を扱う際には避けては通れぬある作業が発生する。それは 梅を割る。 梅の割り漬け自体はさほど珍しくないので、梅仕事というと毎年梅を割っておられる方も多いかも知れない。 だが高田梅は大

JA伊勢原「あふり〜な」で梅を買う〜伊勢原市産鶯宿梅(青梅)でカリカリ梅を仕込む(伊勢原市産鶯宿梅その1)

昨日、JA伊勢原の直売所「あふり〜な」へ電車で行った。 いつもは週末夫に車を出してもらうのだが、今週夫は他の予定があるため行けない。そして梅の時期は短い! そう、今回は今頃(六月第一週)の直売所の生梅入荷状況が知りたくて来てみた。昨年「あふり〜な」へ初めて来たのはもう梅の季節が終わった夏だったので、いつもいつぐらいの時期にどの品種の梅が入るのか知りたかった。 ちなみに神奈川県最大の梅産地、小田原では梅酒や梅シロップ用の青梅の販売はいったん終わり、梅干し用の黄熟梅の販売はこ

カリカリ小梅2024続報〜漬けて5日目時点における漬け上がりとカリカリ度、味の食べ比べ(奈良県産七折小梅その2)

先週水曜日に漬けた約3キロの奈良県から来た小梅ちゃん。 梅酢は翌日から順調にたっぷり上がっていたが、5日目に一部ファスナー袋からこぼれそうになっていたので梅酢が上がり切ったと判断し、この段階での味見を試みる。小梅ならそろそろできあがっているはず。 漬け方は3通り、塩分はいずれも10%で統一してある。 ①市販の「梅パリ」を使用、塩揉みはごく軽め ②「梅パリ」不使用、塩の揉みこみを超丁寧に ③ ①と②の併用(「梅パリ」も塩揉み込みもあり) 上から時計回りに①、②、③と並べ

一関市で梅を買う〜梅干しの塩分についての現在の考え(岩手県一関市産南高梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事+2024年5月の追記です。(もともとの更新日付:2023年7月16日) 週末、一関市へ行った。 元々夫が車で秋田へ帰省するのに途中まで便乗させてもらい、私はそれからひとりで岩手を数日旅して戻る予定だった。一泊目に予定していたのが一関で、昼過ぎに近くの直売所へ行って生梅を探したが既に売り切れ(売り場はあったが台は空)。 その後、先へ進む夫を見送りホテルにチェックイン。近くの産直スーパー的店舗で見付けたのがこの梅で

ローカル梅の宝庫・山形県からやって来た新品種、毛むくじゃらな種なし梅「千光梅」(千光梅その1)

今年の梅仕事、実は先日投稿した白加賀が最初ではなかった。その数日前に入手していた2024シーズン最初のローカル梅、それは「千光梅」。山形県からやって来た。 昨年梅仕事をしてみて知ったことだが、山形にはローカル梅(限られた地域でのみ育てられている希少性の高いご当地梅、的ニュアンスで呼んでいます)が多い。 山形はウメの栽培や生産が盛んな県とは言えない。栽培面積は減少傾向でわずか100ヘクタール強(和歌山県は約5,600)、生産量も全都道府県中20位程度。だがそれ故に、在来種が

東北各地に分布する大きな杏梅の系譜~山形にもやはり巨大梅、庄内の「せつないほど酸っぱい」節田梅、庄内産豊後梅来る(山形産節田梅・豊後梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事(旧日付:2023年7月18日)に2024年5月時点での情報を(農水省の調査を最新版に)入れ替えた記事です。 本年ここまで以下3品種の大きな梅を入手し漬けて来た。( )内は主な産地及び取り寄せ元。 ・高田梅(福島県会津地方) ・八助(別名なにわ)梅(青森県・秋田県) ・おうみ梅(秋田県北部、詳細は謎) 「梅」と呼ばれてはいるが、八助とおうみは梅ではなく杏。おそらくそのためだろう、梅の品種や生育地を知りたくて参照

今年こそ成功させたいカリカリ小梅2024~奈良の七折小梅で3パターンの漬け方を試す(奈良県産七折小梅その1)

昨年カリカリに漬けられず、フニフニに出来上がってしまった小梅ちゃん。 小梅の時期は短く、また熟が進みやすいのかしっかり固い状態で店頭に並んでいることもあまりない。理想的なカリカリのためにはやはり予約!と早くから奈良の梅農家に予約を入れ、楽しみに待っていた。奈良を選んだのは、奈良もまた梅の産地だから。一度手にしてみたかった。 それが昨日、クール便で到着。 さすが農家直送。粒揃いで美しく、しっかり固い小梅ちゃん。品種は主に七折小梅と聞いていた。愛媛県での生産が多い品種で、特徴

梅仕事2024いよいよ始まる〜厚木市産白加賀梅で中国風ほんのり甘い干し梅「話梅(ファーメイ)」に挑戦(白加賀梅その1)

思えば昨年、初めて生梅を手にしたのは5月最後の週末だった。ちょうどまる1年が経過し、いよいよ2年目の梅仕事が始まる。楽しみ! 昨年は青梅には殆ど手を付けなかった。青梅の時期が終わる頃から梅仕事を始めたからでもあるけれど、青梅の主な使途とされる梅シロップや梅酒、はちみつ漬け等の甘い加工にあまり気が進まなかったからだと思う。 梅に関する私の興味はほぼ梅干し一点集中で、それも赤紫蘇を使わず塩のみでシンプルに漬けたものが最も好きだ。梅の品種や状態により、酢やざらめ、氷砂糖等の副材料