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言語発達・獲得に重要な プロソディとは?

こんにちは、AsianSTです!😊

今回は
『言語発達・獲得に重要なプロソディとは?』
をテーマにお届けします!

プロソディというのは
発話におけるリズムやイントネーション
のことを言います。

これが言語の発達にどのように重要なのか、ということですが、
まず、人はどのようにして言葉を獲得していくのか、というところから
お話していきたいと思います。

言葉の発達は話し言葉の習得から始まります。
もしかすると、読書を日常的に楽しまれている人の中には、
話し言葉も文字言語も言語という同じくくり
と考える方もおられるかもしれませんし、
そう考えることがあっても不思議はないと思います。

しかし、話しことばと文字言語は脳機能の獲得という観点から
考えてみても、
話し言葉の回路ができあがってから
文字言語の回路ができていきますし、
話しことばと文字言語の処理のやり方もやはり異なります。

脳科学者の中野信子氏は、言語をテーマとしたインタビューで、
人類の生存に文字は必要ないと話されています。

石器時代などに遡った時に、自然界に中にいる人間は
マンモスやヒグマといった自然界の強敵から身を守る必要があり、
そういった強敵がいつ、どこに現れるのかは分からず、
ふいに現れた時には、命の危険にさらされる訳です。

その時は、緊急で仲間に知らせる必要があり、
それができるのは、やはり話しことばであって
文字言語ではないということになります。

人類の歴史を振り返ると、何千年もの間、言語は話し言葉であり,
今日でも人類という枠で考えると、読み書きのできない人は
たくさんいますが大半の人は話すことができます。

では、その話し言葉はどのように獲得
していくのが自然なのでしょうか?

「あいうえお」のような五十音を一つずつ覚えていくのでしょうか?

それとも「おはよう」のような簡単な言葉から覚えていくのでしょうか?

最初は本能的な音声表現から始まります。
本能的というのは、例えば
抱っこされて安心感を得て心地よく感じていたり
お腹がすいて不快に感じているような状態を指します。

そういった状態の時に、
「あーあー」「ばーぶー」など喃語(なんご)
と言われる、まだ言葉にはなっていない音声表現が出てきます。

一見、意味のない表現のようにも思えますが、
こうした音声表現を繰り返していく中で
母音や子音など出せる音が少しずつ増えていきますし、
親などが関わっている時の方が喃語は増えることから
コミュニケーションの始まりという
意味でも重要と考えられます。

この喃語の状態から徐々にコミュニケーションの中で
必要な言葉を使い始めるようになります

「あーあー」(お母さん来て)
「まんま」(ごはんちょうだい)
「ブーブー」(おもちゃの車を取って)

実は、
赤ちゃんは喃語を話している時からすでに日本語のプロソディ、
リズムとイントネーションで話していることが分かっています。

つまり、日本語という話し言葉のルール
(発音であったり文法規則など)
を獲得する前に、日本語のプロソディを最初に獲得するということです。

これはなぜでしょうか?
なぜこの順番で獲得していくのでしょう?

それは、プロソディが話しことばの音や意味や文法を
のせる土台になるからです。

もし、私達が英語や中国語の抑揚で日本語を話せと
言われたら、無理、できないと感じると思います。

プロソディで
「伝えたい」とか「嬉しい」「悲しい」といった様々な気持ちも
当然日本語の抑揚で、表現されますし、
またプロソディは発話の一部であり、一心同体の関係
とも言えると考えられます。

プロソディは
専門的には言語外要素とされていますが、
これがなければ、話し言葉は成立しない
というくらい重要なものです。

私も、言語の評価や訓練で、プロソディを
非常に重視しています😊

それでは
今回も最後までお読みいただき
ありがとうございましたm( _ _ )m
それではまた次回お会いしましょう(*^▽^*)!

【参考】
失語症のリハビリテーション全体構造法のすべて第2版
     



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