生誕・肉太郎と飼う女④
まて次号!と申し上げてからだいぶ長い月日が経ちました。
以前の記事で飼う女が自治会長に就任した旨お伝えしたかと存じますが、もうその任期もあと4日にせまってきました。びっくり。
まことに月日は百代の過客です。先人はじつにうまいことを言うものだと感心しきり。
前置きはこのあたりで切りあげて、本編の続きにうつります。
さて、憤怒の形相で仁王像のように立っていた飼う女の母は、Yを怒鳴りつけるやいなやこんどは飼う女に向きなおり「あんたはなんでやられっぱなしでいるんだ!」と一喝してくるではありませんか……。
ただただ立ちつくす飼う女に彼女はさらに畳みかけます。
「こんなやられっぱなしでいる子なんて、あたしの子じゃない! あたしの子だったらやりかえせ!」
日がないちにち、本を読んだりきれいなものを眺めたりしているのが好きなこども。だれとも口をきかず、たまに話しかけられたかと思えば、持参してきた珍しい文房具をかたっぱしからまきあげられてしまうこども。
今よく考えるとわたしの同級生、犯罪者だらけなんだけど、昭和45年生まれの第一次ベビーブームの世代はなんかこんなのが平気の平左でまかり通っていたのでした。
たぶん彼らも今の今、じぶんの子どもがわたしとおなじ目に遭ってたらかなり動揺するんだろうけど、なにせ人間は忘却の生き物で、同窓会とかで顔を合わせるとなにごともなく「なつかしいねぇ~」とか言うんですよね。
わたしもそこでなぜだか「そうだね、なつかしいね」なんて応じてしまう。すさまじい負の記憶ってほんとにスティグマだ。
あのひどい小学生時代をどう補填していいのか、なかなか答えが出ないまま、わたしは同窓会でへらへら強気な顔をして笑っている。
からかわれさげすまれいじめられ、利用されるだけされ続けた過去を白日にさらして、もう一度コミュニティでの忌まれるべき存在になるような度胸なんか、実態のわたしにはこれっぽっちもないんだろう。
こうして書きながらちょっと凹んだ。でも、そういうのをくりかえしくりかえししていくことがなにかの助けになっているんだろう。
まだすこしこのお話は続きます。だんだんしんどくなっていくかもしれないですが、もしよろしければおつきあいくださいませ。
最近、小田切ヒロさまに触発されて美顔針に通っております!その際に新宿駅構内で撮影。可愛い!
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