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朝の十分作文✏️二百万

帰省した時のこと。
台所をごそごそほじくり
ホットサンドメーカーを
発掘した。

今市場に出回る
電熱で調理する家電ではなく、
ステンレス製のもので
直火で調理する器具。

何かの拍子にふと思い出し
突如作りたくなった
ホットサンド。
器具はめっけた。
だがしかし。

焦げつきがひどい。
これを落とすべく
酸素系漂白剤や重曹で煮洗いするも
積年放置された焦げは
たやすくは落ちない。

かくなる上は
実力行使。
ステンレスはキズつくが
サンドペーパーで
落とすかな。

手短にあった細目、
#400のサンドペーパーで
ザシザシ擦ってみる。
しばらく試みるも
ようように落ちない。

こりゃ200番くらいの
荒い物でやらなくては
落ちないと
判断。

ちょうどそこへ
父親が帰宅した。
木工や土木工事なども
趣味の父親は、きっと
持っているに違いない。

「お父さん、
200番のサンドペーパーちょうだい」

借りても
へなへなになってしまい
再使用不可の消耗品なので、
「ちょうだい」と言った。

ところが
父親は反応がおかしい。

何も言わない。
口をパクパクさせて
あげく
挙動不審である。

どうしたのだろうと
もう一度言ってみる。

「200番のサンドペーパー
ちょうだい!
これのコゲを落とすのに
使いたいの。」と
ホットサンド器を見せた。

すると父親は
「え?あ、サンドペーパーね!?」
とほっとしている。
何を勘違いしたか。

「なんだ。
200万円ちょうだいって
言ったのかと思った。
『ついに来たか!?』と思ったし、

いや、それにしても
随分軽い感じで言うんだな。。と
思った〜」

そば見ていた母親も
父親と同じように
聴こえていたようで、
「軽いな〜」と思ったようだ。

前々から
「なにかやりたいことがあって
資金が必要なら
多少は援助するから
言いなさい」とは言ってくれていたが、
それと勘違いしたようだ。

親に金の無心?
毛ほども思ってないわい。

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