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来年もまた、必ず観に来ると心に誓った、花火大会

8月20日日曜日
〜癌と向き合う36歳の挑戦日記 17〜

今日は年に一度の花火大会。
音だけでも聞ければいいかなと思っていましたが、お昼に沢山のお客様が来て頂いたおかげで、売り切れ多数に。
お店の夜営業をお休みすることにしました。

そんなことで、急遽花火大会を観にいくことにしました。

息子は大喜び。

妻と息子と3人で歩いて向かうことに。

片道約40分。
息子はあっち行ったりこっちに行ったり、と思ったら急に止まっては走り出す。

これではいつまで経っても到着しません。

そうこうしてるうちに

「ドン!」

道の途中で始まりの花火が打ち上がりました。

息子は花火を見上げ目をまんまるに。

私は息子の顔に映った色とりどりの光を眺めて笑顔が溢れてきました。

会場まではまだ少しありますが、一本道を進みながら私たちは打ち上がる花火を眺めました。

非現実的な夜道を息子は純粋にはしゃいでいます。

会場に近づくにつれ人が増えてきます。

車の交通規制のかかった道を越えると、そこは人で溢れかえっていました。

道路にずらっと並ぶ屋台。
人々の歓声。
花火の重低音。

お祭りの様なその空間で、迷子にならないように息子の手をしっかり握ります。

その小さな手からは、興奮と感動、はしゃぎたいけど人が多くて少し怖い、そんな感情がひしひしと伝わってきました。

去年はお店を営業していたので、花火大会は観にいくことができませんでした。
一昨年は中止。


数年ぶりの花火大会は、感慨深いものがありました。

クライマックスの花火が打ち上がりました。
今日一番の連弾、そして最後に特大の花火。

最後の花火は、他の花火より残り火が長く、まるで全ての音を吸収してしまったかのように、あたりは静寂に包まれました。

なんだか胸がギュッと掴まれる様な不思議な気持ちになりました。
ちらっと妻に目をやると、メガネを外し涙を拭っていました。

来年もこの花火を3人でまた観たい。
なんとしても観るんだ、と心に誓いました。

明日は検査の日。
PET-CTたるものを行うようです。

検査は現実を突きつけられるので正直怖いです。
でも、怖いものに蓋をし続けるわけにはいかない。

少しでもいい方に向かっていないかと、淡い希望を持って明日の検査に向かいます。

帰り道、息子は疲れ果て、私の腕の中ですやすや夢の中へ。
妻と代わり代わり抱っこし、40分の道を歩き家に到着。

夏の終わりを告げる花火大会、しかし、今年はまだ夏が終わりそうな気配はありません。

しかし季節はうつろう。
この癌との日々も過去のことになることを願いながら、今日の日常を大事にしていきたいと思った一日でした。


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