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香りが口の中で爆発する『ごぼう麺』の誕生

【ごぼう麺誕生】

今ではメディアにも多数取り上げられ、認知を獲得しているごぼう麺ではあるが、実は当初、ロットの関係上不安もあり、数社に共同で使わないかと声をかけていた。結果は全社NO!とのこと。そして弊社だけではじめ、多くのメディアに取り上げられて人気が出た頃、一緒にやらせてくれないか?などの問い合わせが増えた。類似商品もいくつか出回るようになった。人間は素直だ(笑)そして何というか・・・安富屋のごぼう麺は安富屋のみ。出だしがこんな内容だけあり、他に出す気は今のところない。

秋芳洞開洞100周年記念式典に合わせて安富屋オリジナルの【ごぼう麺】と【ざるごぼう】の提供を開始した。

観光に来られるお客様に秋吉台の食を楽しんでもらおうと、うどんに秋吉台特産の美東ごぼうを練り込んだ。トッピングにごぼうの唐揚げを乗せて(弊社社長発案)、とにかくごぼうを楽しんでもらうことに特化した。提供時、
「七味唐辛子などの薬味を入れずにお召し上がりください」
と提供するのもそのためだ。ごぼうは風味が命。薬味との相性が悪いため、提供する側も気を使う。

麺は製麺所に依頼し、とにかく腰の強い麺をリクエストした。山口や福岡のうどんは基本やわらかい。元々コシなんて存在しないレベルで柔らかいうどんが通常だ。リクエストしたコシの強さ、本当にいいのかと聞き返されたほどだった(笑)

そしてトッピングだが、これも試作を繰り返し、社内で何度も試食した。九州で食べられているようなごぼうの天ぷらも当然試してみた。そこまで驚きを感じないことと、衣がとにかく出汁を吸う。出汁を吸いすぎず、今までにないインパクトと味が欲しかった。結果唐揚げになり、その他の具も、牛肉となるとのみとなった。ネギも薬味なので、 入れない方が良いという結論だ。

結果、超茶色。色は地味だが、味や香りが強烈に記憶に残る料理が完成した。

メディアで紹介されることも増え、ごぼう麺とネットで検索しても全く出てこなかったものが数年後、類似商品などがいくつか出回るまでに成長した(?)。安富屋のごぼう麺は自社でしか提供していないので店舗か出店したイベントで食べれるくらいだが、他の事業者が作る物(安富とは無関係)の苦情が何件も入り始めた。
「あそこでごぼう麺食べたのですが、同じものと思って食べたらガッカリしました。やめさせた方がいいですよ」
という内容がかなり多かった。レストランのメニューに商標登録は無意味。誰かが親子丼で商標登録取っても、他が卵と鶏肉の丼を親子丼として売れなくなったりはしない。なので、安富屋のごぼう麺と、それ以外は違うのだと説明。これは迷惑ではある(どうせ作るならうまいもの作れ)が、僕は『勲章』をいただいたような気分もあった。真似したいと思えるものを自社で作れたって、なかなかである。(しかし腹も立つ。地域振興とか、ブランド力ではなく、金儲けの方向のみで行われるからだ。)

他の店にも複数店舗食べに行ったが、うどん柔らかめ、必ずネギ乗せでネギの風味になっていた。(これはこれで、受け入れられているなら悪くない。うちのごぼう麺とはそもそもが違う。観光地に立地していなければ、他社の作っているような形に落ち着いたのかもしれない。ポイントは立地と客層)

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