真夜中の課外授業③「今、愛している」だけでいいじゃないか

彼の頑張って自分の気持ちを伝えてる姿に
私は愛が湧く

そうやって自分を超えようとしている姿こそが人間って愛おしくて尊いんじゃないだろうかと思う。

私がさっき指から外して彼に渡した指輪を
彼は思い切ったように私の

左手の薬指にそっとはめた。

"このままこの指輪をしていて欲しいです"

彼の姿を見ていたらまるでそう言っているように聞こえた

言いたいけれど言えないことの苦しさ
伝えたいのに上手く言葉に出来ない苦しさ
本当の想いを伝える勇気のない辛さ
本当の願いを放つことの怖さ

彼は私といるとそれら全部を受け入れなくてはならない

それは嫌なのに
とても逃げたいというのに
心は何故か私を求めているのだと分かった

私はきっと彼にとっての
愛の人質なんだろうな。

今度は私が彼に言った

「私たちこれからどうなるのか分からない、でも私はいまアナタを好きだと思うし、一緒にいたいと思うし、愛してるよ。それでいいんじゃないのかな？それしかないんじゃないのかな？」

これから先、きっとうまくいかないよ

と頭の中で計算して
予測して、想像してみて
また傷つきそうだから？
続かないと思うとこの時間も無駄だから？
だからってまだ起こってもいない未来の予測のために今のこの気持ちを諦めるの？

私はそんな想いを込めて言った。

大切なのは結局のところ「今の気持ち」しかない

今の気持ちの積み重なったものが
未来を形作っているのだと思うから。

私は絶対に傷つかない
私は失うことを恐れたりなんてしない
だって全部いまこの瞬間にたくさんのトキメキと喜びを感じてるもの。
どんなことがあっても私は未来に失うものなんてないと信じてる。

だから「いま、私はあなたを愛してる」

そんな私の言葉に彼も

「俺も愛してる」

そう言った。

聞き分けのいい簡単に手なづけられる女じゃなくてごめんなさい

アナタの思うような女じゃなくてごめんなさい

アナタが主人になれるような女になれなくてごめんなさい

甘く優しく心地よいだけの関係じゃなくてごめんなさい

だけど、あなたが自分の心の声を諦めない限り
私からは手を離したりしない
あなたをひとりにしない

ひとりでそう誓った。

私は自分の見つけた愛を最後まで自分のために全うするの。