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数十年ぶりに行った、救急外来の風景

4日位高熱が出ているようで、食欲もないので水分補給を頻繁にしながら絶食をする。私は体調不良の時、いつも絶食することで自然治癒力を高め、体調の悪い部分を治す方法を取っている。
5日目の朝、食欲が出て来た。
絶食で自己免疫力がアップして、体調が戻ったと思ったが、午後から凄い寒気でガタガタ震える。6月というのに湯たんぽを出して布団に入れる。
しばらく布団に潜っているうちに震えが止まる。家族が心配するので熱を測ってみると、40℃近い熱が出ていた。

このまま寝て治そうと思っていたが、主人に連れられ救急外来に行く。
主人を車で待たせ、ふらつく足取りで受付にたどり着く。
受付の張り紙を見ると、診察する前に受付するだけで7,700円の費用が掛かると書いてある。ギョ、少々びっくり。
お金が無いと、うかうかと救急外来には来れないな。
財布の中に聖徳太子を2枚持って来て良かった。

受付が済むと、発熱があるので看護師に別室に案内される。
お決まりのコロナとインフルエンザの検査キットが用意される。どちらも初体験である。綿棒2本をそれぞれの鼻腔に入れて粘液を取り出して検査するらしい。
少々痛みを感じたがあっという間に終わる。看護師が出て行って、しばらくして医師が入って来た。脈拍と聴診器であちらこちら当たられる。
ベットに横になって、足首からふくらはぎ辺りを見てむくみの検査をしているようだ。むくみは無かった。
検査される間、医師の体型が気になってしょうがない。
30歳前の若い医師だと思うのだが、お腹がぽっこり出て、聴診器がお腹に乗っている。髪から額にかけて油汗が吹き出ている。地方からこちらの医大に入学して、今は研修医で救急外来に勤めているのかな?親元から離れて一人暮らしで、外食とカップラーメンの食事なのかな?
忙しくてお風呂にも入れていないのかな?油汗が出てるという事は、新陳代謝が悪いのでは?野菜食べてるのかな?
地元のお母様は心配されてるかも。
熱があるくせに、大きなお世話の想像をしてみる。
医師が部屋から出て行く。

薄い間仕切りから子供の泣き叫ぶ声が聞こえて来る。どうも隣が救急外来の診察室のようである。点滴の針を刺さされ痛くて泣いてるのかな?
「僕の家にも君と同じ位な5歳の子供がいるよ。」医師だろうと思われる声。
それがどうした。子供には意味不明。
「アンパン好き?何パンマンが好きかな?」今度は看護師と思われる声。
痛いのに考えられないよね。私はなぜかバイキンマンが好きなんだけど。
こんな事言われても、聞かれても、子供は泣き叫び続けている。早くどうにかしてあげて。
「そんなに泣くと怪獣呼ぶよ。」母親なのだろう。子供も黙らせる常套手段。
先日、家に次男が子供を連れて来た時も、中々ご飯を食べないので、「鬼さん呼ぶよ。」この一言で孫は泣きべそ顔になっている。私は小さい声で、「鬼なんかいないよ。来たらアッカンベーしなさい。」孫と一緒にアッカンベーの練習をしたんだっけ。
もっとリアルな常套手段はないのだろうか。壁の向こうの子供はまだ叫び続けている。聞いてる私も熱があるせいか、段々疲れ気味になって来た。

ドアがノックされ、看護師さんが入って来る。コロナもインフルエンザも陰性という事で診察室に案内される。
この5日間の症状から陰性の自信はあった。でも謎の高熱。
早速、ベットの横に点滴がぶら下がり良く見ると電解水と書いてある。水分は十分に取っていたので必要ないのだけど、手に針が刺される。点滴の時間を聞くと、「3時間だけど30分で外しても良いですよ。」
やっぱり必要無いやつ。持参したベットボトルの水を飲めばいいのでは。
その後、尿検査、エコー、レントゲン、血液検査とされる。
またしばらくベットに放置される。
薄い間仕切り代わりのカーテンの向こうから、救急外来に来た患者の声、家族の声が聞こえてくる。どうも脳卒中の症状で緊急で来た人が多いようだ。
私のように高熱でも歩ける人が来ては迷惑だったのかも。

今度は総合診療医らしき人が現れる。
ぽっこりお腹の医師とは違い、健康的な爽やかな青年医師である。
私の検査結果では、何も異常が無かったという報告を伝えに来たようである。
「このまま原因が分からずに帰られると気になるでしょう。被爆はしますがCTスキャンを撮って帰られませんか。」リスクを告げるのも医師として当然だろうが、被曝するけどはないでしょう。即お断りする。
このフレーズで一般的にCTスキャンを皆するのだろうか?熱のせいで不覚にもレントゲンを撮ってしまった。微量だがこれも被曝になる。
薬は飲む気は無いが、解熱剤位は出るだろうと思っていたが、原因が分からないので薬は出さないとの事。
病院って、検査して、薬出してが経営的にも当たり前と思っていたが、大病院の考え方は変わって来たのかな。
私のように水分補給して、絶食して自然治癒力で治すと決めている人は良いけど、普通40℃近い熱で解熱剤無しで帰されると不安になるのでは。
帰された人は薬局に解熱剤買いにいくのかな?この時間では薬局しまっているよね。きっと困るよね。
またいらない心配をしてる。
また帰り際に血を取られる。
「明日総合診療科を予約したので受診してください。今取った血液の検査結果もわかります。」
これで診察終了。

帰りに受付に行き計算してもらう。
病院に行った事がないので、自動支払機に感動する。7,700円と診察、検査で18,000円弱の支払いをする。
ふらふらしながら主人の車まで歩いて行き帰る。

翌日、すっかり熱も下がり、食欲も出て来た。
病院のシステムもかなり変わっているようなので、今日は総合診療科に行って、
病院リサーチして来ようと思う。

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