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肥溜めを実際に見た最後の世代

今日は週末でもありますし、いつもの介護ではないゆるめの記事です。

と言うわけで、いきなり尾籠な話で申し訳ないのですが、かつては恐らく日本中の農村にあったはずの肥溜めを実際に見た事がおありでしょうか?

私が幼少期を過ごした昭和40年代頃は恐らく日本中の農村に肥溜めは普通にあったのではないでしょうか。私の実家の近くにもあちこちに肥溜めは普通にありました。

肥溜めを見ると石を投げ込んでみたくなり、それをやると大人達に叱られたものですが、大人達から肥溜めに落ちて大変だった話など聞かされていたので自然と肥溜めの近くでは遊んだりはしゃいだりしなくなったものです。今は畑に人糞をまいて作物を作ることをしなくなったので肥溜めは恐らく何処にも存在しなくなったのではないでしょうか。

少なくとも私の実家の近くにはもう何処にもありません。そもそもボットン便所がどこにもないですよね。

農村育ちの年配の方なら経験がおありと思いますが、肥溜めの肥料を畑に撒く作業をやり始めると辺りに臭いが充満します。

学校で授業を受けている時などにその匂いが漂い始めると何故か皆騒ぎ始めるといったことがよく有りました。

つい50年程前の話ですが今の子供達にこの話をしても全く伝わらないでしょうね。

肥溜めが日本の農村から消えると同時に、川や山で遊ぶ子供も消えていった気がします。

そもそもの子供の数が減ったからかもしれませんが、最近では故郷に帰省しても川や山で遊ぶ子供を見かけることはありません。
私は2012年から2014年にかけて親の介護の為に田舎に戻って暮らしていた事がありますが、その間、本当に一度も子供達が連れ立って川や山で遊ぶ姿を見かけませんでした。

不思議に思って地元の親たちに何処で遊んでいるのか聞いたことがあるのですが、部屋でゲームというのが一番多い答えでした。

たまに近くの公民館で遊ぶとかありましたが隔世の感があります。

私が子供の頃の遊び場と言えば川と山しかありませんでしたし、男の子の自慢と言えば大きな魚を捕ったとか、特大のカブトムシを捕まえたなどが定番でテストの点数を自慢する風潮はありませんでした。それどころか逆に成績が悪い方を自慢する風潮さえありました。

牧歌的と言えばそれまでですが、それはそれで良い面も多々あったと思います。

世の中が物質的な豊かさを求めて脇目も振らず突き進んでいたあの時代。

都市部を除く多くの山村地域は、都会の発展からは大きく取り残された存在でした。

恐らく当時の都会と田舎では30年分くらいは物的発展の流れから取り残されていたのではないでしょうか。

それがようやく追いついてきて、日本国中どこに行ってもマクドナルドがありユニクロがありコンビニさえもある様になりました。

それと同時に消えて無くなったものをこうして懐かしく思い出すのはやはり私が歳を取ったからでしょうか。

ただ、ひとつだけ思うのは少なくとも当時は失敗してもまた立ち上がることを許してくれる、おおらかな地域社会があったと言うことです。

必死に現金収入をとりに行かなくても、半自給自足の生活が成り立っていました。

それはそれで豊かな社会では無かったかと思うんです。
昭和は遠くなりましたね。


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