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手摺りのありがたさが身に染みる

私は若い頃からギックリ腰になる事が度々ありまして、経験のある方なら分かっていただけると思いますが、一旦ギックリ腰になったらほとんど動けなくなります。

特にパンツを脱いだり履いたりする動作がかなり難しくなりますので服の着替えも満足に出来ない状態に陥ります。

服の着替えが出来ない事など当たりまえで、ちょっとトイレに行きたいと思っても立って歩くことが出来ませんから、仕方なく這っていこうとするのですが、ひどいときにはそれすら出来ない事があります。

実は先日、かなり久しぶりに強烈なギックリ腰に襲われました。

ギックリ腰にもパターンがありまして、事前にある程度「やばい雰囲気」が感じられる事があります。

そうした場合には、いつギックリ腰になっても慌てないようにコルセットの準備をしたり着替えを手の届く場所に置いたりと色々段取りも出来るのですが、先日のギックリ腰は何の前触れも無く突然やって来ました。

場所は自宅だったのですが、トイレから三歩くらいの場所でした。

勿論とても焦りましたが、幸いにも休日で予定もありませんでしたので時間はたっぷりあります。

とにかく心を落ち着かせる為に大きく深呼吸をして痛みが強く出ない体の向きを探します。そうして痛いながらもある程度姿勢が安定してきたら、今度は恐る恐る動いてみます。

ところがこの時のギックリ腰は、恐る恐る動くことすら無理なほど完璧に「ギックリ」きてしまいしばらくは全く動けませんでした。

多分30分ほどはじっとしていたと思います。そのうち段々とトイレに行きたくなってきました。

さすがにその場で漏らすわけにもいかず、場所もトイレまで3歩の位置でしたので何とか用を足そうとハイハイを試みたのですが、全く無理でした。

腰から下は全く動かせない感じでしたので、今度は両腕をトイレの方向に伸ばし、床に手のひらを吸い付かせては腕を曲げて何とか体を前に進めようとします。

しかし腕の力だけで全身をズリズリと前に進めるのはかなり大変で、やっとの思いで体が動いてもほんの数センチ程度。

不用意に動くと腰に激痛が走りますので恐る恐る少しずつしか動けません。

私は独り暮らしですので、誰か助けを呼ぼうにもその時スマホはトイレのもっと先の遙か彼方で充電中でしたからそれも出来ません。

とにかくトイレまで何とか自力でたどり着くしかありませんでした。

結局そんな調子でわずか3歩の距離を移動するのに15分もかかってしまいました。

ようやくトイレにたどり着き、何とかドアを開けた所までは良かったのですが、今度は上体を起こして何とかして便器に座らなければなりません。

その時です。

私の自宅は賃貸なのですが、前の入居者の方がお年寄りだったとの事でトイレと風呂場に手摺りが付けてありました。

今までその手摺りを使ったことなど一度もなかったのですが、この時ばかりは何とか手摺りにつかまって、ついでに便器にもつかまりながら、何とか上体を起こして便座の上に座ることに成功しました。

その後どうしたかまで書くと長くなってしまうのでこの辺りまでとしますが、この時ほど手摺りのありがたさが身に染みたことはありませんでした。

普段、介護関係の仕事をさせていただいている者として得がたい経験をさせていただいた訳ですが、ギックリ腰だけはもう二度と勘弁して欲しいとしみじみ思った出来事でした。


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