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一日一詩。

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言葉にできないコトバをことばにします。
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#言葉

【詩】あの人の涙

その涙を 私は見つめられなかった どうしてか 受け止められない気がして ちゃんと見つめないと ちゃんと受け止めないと あの人の流した涙は 私の言葉を戒める 一粒の滴となって 落ちるのだから

【三行詩】言葉は、メッセージ。

可能性だ。 言葉はまだ創り出せる。 そして、きっと、届く。

【詩】やりきった日に書く詩

やりきった満足感にみちみちた一日 そんな日の心が語る詩はおもしろくない なぜならば そこには、迷いがない そこには、恐れがない そこには、自己否定がない そんなときの言葉は 溢れ出てくるのではなく漏れ出てしまう 滲み出るのではなく絞り出してしまう 曝け出すのではなく映し出されてしまう そんな言葉はおもしろくない 自己満足に別れを告げ 疑うことから始めよう 幸いにも明日はもう一度くるようだ 静かに走り出す、憂鬱な目覚めに向けて

【詩】色と形の消えた世界

ここは色と形の消えた世界 何もない世界 でも 何もないわけじゃない ほんとうは今までと一緒 ぜんぶある 「色と形の消えた世界」が 僕には はっきりと見えている 真っ白の世界 真っ白とかいうと 色があるじゃないかと言われそうだけど 見えているってことは真っ暗とも違くて 透明ともなんか違くて 僕の知っている言葉でいうなら やっぱりそこは真っ白な世界 初めて来たときは驚いたよ。 でも、すぐそこが何もないわけじゃないってことには気がついた。 何かにぶつかったんだ。何かに。 色も