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おっさんずラブリターンズ 最終回を迎え思うこと

 おっさんずラブリターンズ最終回が重すぎて、一睡もできず娘の卒業式に参加しました。
 無事に卒業、成績優秀者に表彰され、実りのある3年間だったでしょう。

 想像以上に素晴らしく、そして推しである「公安ず」に関してはハードな内容でした。
 頭の中がぐるぐるしたし「どうしてああなる」「マジで?!」みたいなと、くやしいやらなんやらで、今まで死んでました。
 正直言えば、生きている人はすべてハッピーになり、和泉をかばって殉職した秋斗のみがポツンとした感じに思えたのです。
 テラサで秋斗が出るという話だけで「そんなんで、彼の生きざまがわかるんか!」と推しをないがしろにされた気持があるわけ。 
 春田と牧は、信頼関係を強くし新しいカタチの家族になったし、マイマイ一家、チズ、マロと蝶子カップルも幸せそうだ。
 武川部長には「信玄」という、愛しい家族ができた。
 黒澤部長は、肉体年齢三十五歳!なーんそれ!!って感じでした。

 そして、菊さまと和泉さん。
 秋斗推しの私としては、あのラストは辛いものではあったが、秋斗が生き返ることはない。
 和泉さんが新しい人生を生きていくには、雨の中、喪服で佇む和泉さんの背中をさすり、ロケペンを探して嬉しそうな顔で渡す菊様が相応しいに違いない。
 和泉さんがどんなに焦がれても、秋斗を抱きしめ口づけすることはできないからだ。
 和泉×秋斗推しの人たちが「納得ができない」とざわついた点がある。
 私も最初は意味が分からず「あんなひどい台詞を和泉さんに言わせるのか!!」憤慨した。
 しかし、和泉の言動や行動から冷静に考えると「そういう着地かな」というのはある。
 ロケペンを外した和泉に菊様が「外したんですね」と聞くと「あれは肩がこるというか……」と言い訳をする。
 いや、あんた3年間復讐だけのために生きたよな?墓抱いたよね?秋斗抱いてたよね?ですよ。マジでパニックになった。そんな簡単に割り切れないから引きずりまくったよね。春田に救ってもらって人格変わったのか!!とまで思いました。
 かたくなにこだわったロケペンを外した理由が「肩こり」?
 これは私自身の解釈ですが、和泉は秋斗を失った悲しみと共に「自分が殺した」という枷で自分自身をがんじがらめにしていたのではないかと。
 空気が読めない、ポンコツなおっさんなのかもしれないが。
 秋斗自身は彼を助けたい、死なないで欲しいから、身を挺してかばったんですけどね……あのトラウマレベルの最期は人格崩壊や絶望するしかなかった。
 春田によって前向きになれたことで、その枷を自分で外すことができたのだと思います。そして、ロケペンはなくても自分は秋斗の分も生きなければならない(彼が助けた命)と誓ったからこそ、それが「肩がこる(重い運命を取り払う)」で表現されたのかと。
 そう考えると、「秋斗は俺の一部」とは言えずに、ああいったのは納得です。

 ラストシーンでは「あんぱん」をかじりながら「命令がきたら、俺撃ちますよ。和泉さん、ブランクあるから」という菊様に「なまいきな唇」というシーンがあります。
 これも秋斗の「うるせぇ唇」が上書きされた!!とキレましたが、ジャムパンは秋斗だけのもので、菊様は「あんぱん」と切り替えたのも和泉さんのこだわりなのかなとも思っています。
 上書きではなく、完全に二人をわけている。秋斗の代わりではなく、自分を支えて側にいる菊様を今は大切に思っているということ。
 秋斗に対して発せられる和泉さんの言葉やトーンが、分けられているので「秋斗は秋斗」「菊は菊」なのでしょうね。
 絶望から抜け出した後は、秋斗が守った命を大切にして欲しい。そうでなければ、本当に秋斗の居場所がなくなってしまう。
 和泉さんが絶望から抜け出し、生きることが秋斗の望みなら、あのラストを受け入れるしかないのです。
 秋斗の和泉に対する思いは番外編で描かれ、さらに掘り下げられていきます。私たちが想像するよりも深く、彼は和泉に恋焦がれ「逮捕する」と決めていたことがわかりました。
 その思いを受け取り、心から彼を大切にして愛した和泉さんが、簡単に秋斗を忘れて菊様とのエンドを迎えたとはやはり思えません。
 秋斗は和泉さんの一部となり、生前に彼が和泉に話したであろう「彼の正義」を和泉が叶える番です。ここでさんざん言っていた、「和泉さんは復讐を終えたら公安に復帰」は現実になりました。
 おむすびころりんで働くようならキレますが、「和泉さんを逮捕するために公安を希望した」秋斗のためにも正解だと思っています。
 公安って希望しても簡単には入れないことは、前記しています。
 自分に会いたいがため、狭き門をくぐり抜けるために、一生懸命に勉強した一途な秋斗。
 その秋斗のためにも、和泉には公安のエースとして犯人を捕まえて欲しいです。
 秋斗の分も、彼の正義の元に活躍してくれるのを期待しています。
 個人的には、秋斗が座っていた助手席に和泉さんが座っていたのがツボでした。魂となっても、秋斗はあそこで「和泉さ〜ん」って抱きしめているんだと思います。

 和泉さんが恋をしていたのは春田の後ろにみえる「秋斗」だったと思う。
 多分、春田と出会わなければ、あれ自身の手で復讐を遂げて秋斗の側にいっていたと思う。そんなことをしても秋斗は喜ばない。ポンコツで素直でかわいい、和泉を秋斗は命をかけて愛し守ったのだから。後悔や悲しみ、復讐だけに生きてきた和泉を、秋斗自信が救ったと考えてます。
「いつもあるものが明日もあるとは限らないですから」
 だから、側にいる菊様を幸せにすることを選んだと考えれば、秋斗は和泉のすべてを知った上で、それでも側にいたいと望んだんです!
 こんな素晴らしい愛を忘れるはずがないし、秋斗が覚えていれば、彼自身も本望だと思いました。秋斗って口は悪いし悪ガキでどうしようもなく和泉さんが大好きで愛しているテロリストなんです。

 スタッフの皆様!本当に本当にありがとうございます! 
 そして、おっさんずラブリターンズを大好きな皆さん!おっさんずラブリターンズは永遠です!秋斗も皆さんの心のなか、和泉の心の中に生きています!