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これは実話である



氷噛むくせやめなよって言ってたあのこ
氷よりも早く溶けて消えた
優しいと愛想がいいのは違うのよって
言ってたっけ ファーゴみたいに
氷点下の町 オマエだって不安になるといつも爪を噛んでたくせに おざなりの愛撫
痛々しく粘膜をこすりあって
どこにもいけないまま
テレビで北の国からの再放送やってた
純も蛍もまだ小さくて溌剌としてて
いいなわたしもまぜてよ
この場所だと淋しくて死にそうだ
もう二人じゃダメなのにそうじゃないフリするのもなんか疲れたな
着脱可能になればいいのにこのちんぽ
このせいでだいぶ間違い繰り返した
梅ガムとタバコがまじった溜め息
白くねじねじになって
なんか意味ありげだけどなんもない
ぬか喜びはもういいや
すべり台しかない公園で
空見てたカラスが直角に鋭角になって引き裂いてくれこんなクソみたいな日常
カラスが鳴いたら帰りましょう
誰も迎えにこないから
凝り固まった自尊心蹴飛ばしながら
帰り道 



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