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二足歩行のその後



ゆぎふってさなんもかんも真っ白くしてまればいっきゃ
捨てられたコーラのカンカンも
過払金のチラシも軍手の片方だけとかも謎のシールも
すれ違う人の舌打ちとか塀の上の野良猫の毛繕いとか弛緩したあくびとかも
なんもみえねぐなってまって
ただあるのはいちにちいちにち
ずるっこしねーであさいできた
わたしのあしあとだけ
泣きながらでも歩けるはんでさ
ここまでこれたわの足よくけっぱったな
へずねえば肩貸してくれた人もいた
電信柱さ右手ついで休んだりした
弱音も吐いて平気そうに歩く他人の背中を恨んで妬んで やっとこの歳になってわかったじゃ平気そうににみえる他人は
ただそう見えるだけで何かみんな抱えて生きてるってそんな当たり前のこと
みんなわたしの不義理でなくしてから
気づいたよ 昔からそうだ
痛い目にあわないとなんもわかんない
鈍臭いやつだ だから振り返ると
安堵する ここまで歩いてきた拠り所が
このあしあとだ
歪でも右足を引き摺るようについた
わたしのあしあとだ

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