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長月猛夫@官能作家
2022年4月27日 17:38
「さあ、恥ずかしいことをはじめましょうか、奥さん」 古びたラブホテルのベッドに腰かけ、タバコをふかしながら男はいう。だらしなくはおったガウンの股間は、すでに隆々とした盛りあがりを見せていた。 そんな男を、雅代は立ちすくんで見すえる。 男の名前は知らない。なんらかの理由があってこの場所にいるはずだが、それもあいまいになっている。 さっき飲まされたクスリのせいだろうか。そんなふうに思ってしまう
2022年3月10日 15:50
地上7階建てのビルの屋上から眼前にひろがる風景をながめる。 時刻は午前0時。 漆黒の空に月はなく、フェンスの向こう側には都会の灯火がきらめく。屹立する高層ビルには、航空機に存在を示す赤い灯がチカチカと規則正しくまたたいている。「……」 藤田はまばたきも忘れ、ジッと視線を地面に向けて漂わせていた。 春まだ浅く、サクラもつぼみがふくらみはじめたばかりの季節。吹く風には身を凍えさせる冷気がふ