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長月猛夫@官能作家
2023年4月6日 15:51
「お前、それでも平気なのか?」 今川はいった。「なにが?」 佐藤は答える。「なにがって……。お前、彼女にいいようにあしらわれてるだけじゃないのか」「あしらわれる? オレが?」 佐藤は見くだしたような笑みを浮かべる。「お前、オレに嫉妬してるんじゃないのか」「嫉妬?」「そうだよ。同い年の古女房とマンネリな生活を送っているお前と、ひとまわりも年下の彼女がいるオレと、はた目から見れば、オ
2022年8月2日 19:22
とあるアパレルメーカーに営業マンとして勤務をはじめて十余年。中山はいまだ独身の一人暮らしを続けていた。別段、女性に縁がないというわけではない。というよりもその逆で、学生時代からつき合う相手をとっかえひっかえしているうちに一人に限定することができず、この歳になってしまったというわけだ。 甘いマスクにスマートな体型。背も高く営業成績は抜群で、歩合給が本給を上まわることもある。冬でも浅黒く