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映画ザ・ホエール

今年のアカデミー賞はエブエブ旋風が吹き荒れて感動的に終わったけど主演男優賞の時にはまたひときわ違う感動があった。
ハムナプトラシリーズで大人気だった俳優ブレンダン・フレイザー。
その後、セクハラに逢い、心を痛めてハリウッドの表舞台から遠ざかっていた彼の復帰作でいきなり受賞。
しかも主演女優賞に輝いたエブエブのミシェル・ヨーとはハムナプトラ3で共演した仲という近さ。

更に更に二作品ともに「A24」の製作。今やジャケ買い的にA24なら間違いなく面白いという大看板になっている。

彼氏を亡くしたショックから現実逃避するように引きこもり、過食を繰り返し肥満症になったチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は大学のオンライン講座で生計を立てていた。体重272キロで歩行器なしでは家の中の移動もままならないチャーリーだが頑なに通院、入院を拒み、アランの妹で看護師のリズの訪問看護に頼って何とか生きている。そんなある日、病状の悪化で自らの余命が残り少ないことを悟ったチャーリーは、自分のわがままで離婚して以来音信不通だった一人娘のエリー(セイディーシンク)との関係を修復しようと試みる。ところが久々に再会した17才に成長したエリーは学校生活と家庭で多くのトラブルを抱え、すっかり心がすさんでいたのだった。


ブレンダン・フレイザーの鬼気迫る演技には圧倒される。チャーリーの体重は272キロ。
そのためブレンダンは約40日間の撮影期間中毎日4時間かけてメイクをしてスタッフ5人がかりでファットスーツに身を包んで撮影にのぞんだ。
迫真の演技のせいで全く違和感のないチャーリーっぷり。それが評価されてアカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞。ジェンダーフリー、ネグレクト、過食症、終活、宗教の二世問題、
コロナ禍におけるリモートの発達、アルコール依存症…様々な今の世界にある問題を盛り込みながらもシンプルな親子の話。
娘・エリー役のセィディーシンクはあのストレンジャーシングスで
白目むいて空中浮遊させられていたマックス役の女の子。
空気読んでるのか読んでないのか分からない娘役を好演していた。
タイトルは当然、クジラみたいに大きくなったチャーリーの事を指すんだろうけど途中から、心の叫びを表しているんじゃなかろうか?

「吠える」もかかってるのでは?と思えるぐらいピッタリなタイトルだった。


舞台での密室劇を見事に映画化。
映画「ザ・ホエール」は4月7日(金)から全国公開されます。

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