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映画「別れる決心」

パク・チャヌク監督..…

「復讐者に憐れみを」「オールドボーイ」「親切なクムジャさん」という復讐三部作に
「渇き」「お嬢さん」など

バイオレンスとエロスを織り交ぜながら人間の嫌なドロっとした部分をスタイリッシュに

描く稀代のエンターティナーというイメージで

個人的にも韓国映画を好きになったきっかけを作ってくれたある意味恩人。

そんな監督の6年ぶりの最新作。


史上最年少で警部になるほど優秀で常に沈着冷静な刑事チャン・ヘジュン。不眠症でショートスリーパーのため深夜の張り込みも率先してやっている。濃い霧が出ることで有名な地方にある原子力発電所の所長をしている妻と週末だけ一緒に過ごす週末婚。ある日、男が山頂から転落死した事件を追っていたチャン刑事は被害者の美しい中国人の妻ソレと取り調べ室で初めて出会う。お互いの視線は交差し、何とも言えない空気が流れチャンはソレに惹かれ始める。ソレも次第に特別な感情をチャンに抱くようになり意識していく。やがて捜査の糸口が見つかり事件は一件落着.…に見えたがそれは相手への思いと疑念が渦巻くきっかけとなり二人は愛の迷路へと誘われていく。

このストーリーだけだとシンプルなバイオレンス&ロマンスなノワール映画になりそうだし
今までのパクチャヌク作品ならお手のものでエロスも全開!になるはずが今回はかなり抑えめ。
にもかかわらずメチャメチャイヤらしく見えてしまう大人な色香が溢れている今までとはまた一味も二味も違うミステリアスな作品。
セリフ、目線、行動に関する伏線を回収したりわざと回収しなかったりもあり、余韻だったり感覚的なものでどっちにもとれる、
解釈の仕方が何通りもありそうな最後まで全く予断を許さない展開。
そして観終わった今でも、スッキリしない独特な感じ。
もう一度おかわりしたいけどこのままスッキリしないままでもいい気もする。

主役の刑事役はパク・ヘイル。パク・ヘイルと言えば私の大好きな「神弓KAMIYUMI」の主人公であり、ポンジュノ監督の名作「殺人の追憶」でのあの役(見ていない人のために)をやっていたりと名優の一人。

美しい謎の人妻ソレを演じるタン・ウェイも魅力的。この映画のために1から韓国語を習得したそう。その片言な感じがまたこの映画の謎を深めてる。

韓国では公開以来、SNSを中心に考察がブームになりBTSのRMが絶賛したことでセリフ回しを真似したり脚本が売れたりと社会現象になった作品。

カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し今年のアカデミー賞では韓国代表作に選出。来月12日(現地時間)発表の前に観ておきたい映画の一つ。パクチャヌク監督の新境地的快作。


映画「別れる決心」は現在絶賛公開中

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