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アニメ『PSYCHO-PASS』より、ストレスとの付き合い方について

私の占いの目的の一つは「相談者様がストレスの少ない人生を送れるようになる」だったりします。
「ストレスゼロ」「ストレスフリー」では、ないんです。なぜなら、適度なストレスはあったほうがいいから、らしいです。(これは昔よく行ってたマッサージの院長から聞きました)
適度なストレスは、精神に張り合いを与えます。それを解決しようと努力することで、逆にカタルシスも得られます。

ストレスについて考える時、私がよく思い出すのは『PSYCHO-PASS(サイコパス)』というアニメシリーズです。有名な作品なので知ってる人も多いと思いますが、念のため簡単に説明しておきます。

近未来…百年後くらい?の日本が舞台の、SFアクション社会派アニメ…とでも言うのでしょうか。ここに至るまでに世界中、戦乱とかいろいろあったらしくて、日本は、まずほぼ鎖国状態になってるようです。どうやら世界中で、日本だけが科学技術の恩恵を受けて、平和な社会を維持してるようです。
日本を救ったその科学技術の名は「シビュラシステム」。発達したAIによって管理される社会です。とか言うと、昭和の名作SF『地球へ…』とかああいう感じを思い浮かべるかも知れませんが、シビュラ社会がこれまでのSFにおける未来社会と大きく違ってるのは、この社会は「サイコパス」という脳波の指数によって管理されてるという点です。
たとえば職業適性なんかも、脳波を計測して、あなたにはこの職業とこの職業が向いてます、適性指数は…みたいなのを、シビュラが全部提案してくれる(ノベライズを読むと、恋愛相手についてもシビュラが提案してくれるみたいです)。シビュラの計測値の範囲内でなら、人は自分の進路を自由に選べます。
そして犯罪についても、シビュラが各個人の脳波を読み、「犯罪係数」というものを観測して、それが高い人を、公安警察が拘束します。抵抗した場合は「執行」といって、処刑する権限までも持つのです。

この辺の、犯罪係数を計測して「執行」する武器「ドミネーター」の設定とか、まだ犯罪してないのに脳波の数値が高いだけで拘束されてしまう非情さとか、それに立ち向かうヒロイン・常守朱の気高い精神とか、もう一人の主人公・狡噛慎也のクールでハードボイルドなカッコよさとかは、ぜひアニメをご覧ください。
2023年公開の劇場版ではついに「シビュラシステムがあるからもう法律は必要ない、日本は法律を撤廃しよう」なんて政府が言い出す、というところまで来てしまってます。法とは何か、なぜ法が必要なのか、そんなことまで考えさせられる社会派アニメなのです。

問題なのは、とにかくこの「犯罪係数」はどうすると上がるかということで、どうやらそれは「ストレス」が引き金になるようです。強いストレスを受けると係数が上がる(一定の数値を超えると拘束されて矯正施設に入れられ、社会的に終わる)ので、そうならないように、人々はメンタルケアが欠かせない。薬飲んだり、お医者にかかってメンタルケアを受けたりするとお金がかかる。ストレスをためないようにするための行為でストレスがたまるんじゃないだろうか、と心配になります。
ヒロインの常守朱は、このメンタルの強さがハンパじゃない、という設定です。扱いにくい上司に先輩に部下たち、実は矛盾だらけのシビュラシステム、社会に挑戦状を叩きつける稀代の犯罪者(と呼んでいいのか…?)槙島聖護、失われていく大切な人たち…、いろんなストレスをはねのけて、彼女は理性と知性の力でシビュラに真っ向から対決していきます。
ストレス耐性大切。

しかし、彼女もストレスフリー、ストレスゼロというわけではないのです。
これもまたすごいなあと思う設定なんですが、ストレスゼロを目指してその境地に達した人は、今度は「ユーストレス症候群」という病気?にかかり、ほぼ寝たきりの植物状態になってしまうのです。なるほど、コミュニケーションや社会やカネや、めんどくさそうなものから心を閉ざし、自分一人の世界に浸り込んでしまえば、確かにストレスゼロで生きていけるんでしょう。納得だ。

そしてこの、サイコパスの数値で全てが決まるシビュラ社会では、社会的強者となれるのは、メンタルの強い人、ストレス耐性の強い人なのです。常守朱はその能力の高さで、若くして公安警察の監視官という地位に就きました。
「ストレスゼロの人」じゃなくて「ストレスを受けてもそれを受け止め、受け流せる人」がシビュラに高く評価され、地位や権限を与えられるのです。

これはまあフィクションの話なんですが、私たちも、学ぶところは多いんじゃないかな。

占いの効用についてはいろんな「いいこと」がありますが(「悪いこと」ももちろんあります)私が考える最大の一つは「ストレスの原因を突き止め、それを処理するきっかけをくれる」という点です。
ストレスとの付き合い方を学べば、人はかなり幸せに生きられるのではないか、という気がします。少なくとも、いつも暗い気持ちで、ストレスの原因に頭を支配されていなければならない、という状態は「幸福」とは言えません。
同じ時間なら、嫌いな人のことで頭をいっぱいにしてるより(「そいつ今頃パフェでも食べてるよ」とかいうタイトルのベストセラーがありましたね)、今夜何食べようとか、次の休みは何しようとか、好きな人のこととか、推しのこととか、楽しいことを考えてた方がいいと思う。

まあ、それが出来れば誰も苦労はしないんですけどね。

私がやりたい占いは、ちょっとはそのお手伝いができたらいいな、ということです。

以前、PSYCHO-PASS1期と2期を見ながら「私もメンタル色相濁りまくってるだろうな…仕事も人間関係もつらいことばっかり、ぴえんぴえん」なんて思ってましたが、タロットを始めてからは(もちろん悲しみ、落ち込み、自信喪失、他人への恨みつらみや嫌悪感から完全に解放されたとまでは言わないけど)、だいぶ楽にはなってきた気がします。
タロットだけじゃなくて、他にもいろんな本読んだりもしました。自分だけじゃなく、相談者さんのストレスを少しでも和らげたいと思って…ですね。
そのうち、それらの、メンタルケアに役立った本についても紹介したいです。

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