良い借金・悪い借金

借金とは

『借金』というと響きが悪いかもしれないが、基本的には多くの人がそれなりの『借金』をしている。

借金は現金(キャッシュ)の借り入れだけを指すわけではなく、クレジット(信用)から前借をしているものはすべて借金だと言えるのだ。

車を買うために組んだ分割のローン、大学に行くための教育ローン、人生にはその場でしのぎ切れなかったため、将来の自分や培った信用を切り崩してお金を用立てする必要があるときが必ず発生する。

その際、自分がこれからしようとする借金はどんな性質のものなのかをよく考えておく必要がある。

下記は、僕が借金をしてきた中でどんなものが良い借金か、悪い借金かを分析した内容である。これから借金をする(しないといけない)人の役に立てれば幸い。

■良い借金

・誰かを『幸せにする』借金

・自己責任の意識を明確に持てる借金

・目的意識が明確な借金

■悪い借金

・誰かを『助ける』借金

・他人に責任意識を依存した借金

・目的があいまいな借金


①誰かを『幸せにする』借金

これは、自分でも他人でもいいが、いわゆる投資のための借金である。

『会社を興すからお金を借りる』→社会貢献が認められた場合に売り上げとしてペイする

『家族が増えてきたため大きい車に買い替える』→移動時間と労力が減少し他の家庭活動や社会活動の生産性が向上する

『絶対成り上りたいからロレックスを買って自分を奮い立たせる』→頑張れ

など。上記はいずれもポジティブな考え方の下に必要な予算を組む。

この場合は、少なくともその段階で『どうなれば元がとれる』というビジョンが明確なため、良い借金だと言えるだろう。


②自己責任の意識を明確に持てる借金

これは悪い借金との対比をする方がより分かりやすいので、詳しくは後述するが、何より『借金をしたのは自分の決断』だとしっかり意識を持てること自体が何より大切だ。


③目的意識が明確な借金

『生産性を上げるためにあのパソコンを3か月のローンで買う』という様に、借金やローンをする際にその目的が明確であればあるほど、その借金は必要に応じて行った借金だと言える。ここが明確な事は必然的に①にも②にも結びついてくるし、ここがあいまいな場合はその借金が浪費かどうかというブレーキがけの指標にもなるので、ぜひ自分に問いかけたいところだ。


次に、悪い借金の解説を。


④誰かを『助ける』借金

これがおそらく一番やってはいけない借金の仕方である。

誰かを助けるために借金をするという事は、その相手を助けることが自分にとって重荷であり、キャパオーバーであるという事は強く認識しなければならない。

特に助ける関係性にある人物というのは、総じて身内や恋人など比較的近しい関係にあることが多いので、情によって判断が鈍ってしまう事が考えられるためだ。これをやる場合、すべての責任が自分にあると強い意識で判断できれば良いが、そうではない場合を下記に述べる。


⑤他人に責任意識を依存した借金

一見美談とも考えられる『親の借金を肩代わりする』『恋人に貸してあげる』という事は、つまり借金の動機が自分発信でないという事が言える。

つまり自分に対して言い訳をしたり、相手を恨んだりすることで、借金の現実を冷静に見られなくなってしまうのだ。

借金の名義が自分になっている以上、その借金からは逃れられないし、逆に建設的に返済する方法をとらなければいつまでも自分が苦しくなるので、まずその借金をする前に第三者含めてしっかり相談し、当事者同士で話し合いをする事、そして借金をしてしまった場合は、しかるべき機関に相談して、自分がどうすれば不安を解消しながら問題を解決できるかをよく考えるべきだろう。

⑥目的があいまいな借金

このあたりはいわゆる『借金癖』のようなものがついている場合に多く、サラ金などを利用する人はおそらくこのパターンが多いのではないだろうか。

つまり『とりあえず財布に3万円入っていてほしい』というような、目的無くキャッシュのみを追いかけている状態である。

とりあえずお財布に入っていてほしい人がそのとりあえずの金額で足りるわけはなく、それならば明日の飲み会で3000円、明後日のお昼で1000円…と、ある程度の皮算用でもいいので、目算を立てるべきだろう。でなければ自分の必要なものも見失うし、借金が自分の信用を削っているという部分が曇りがちになってしまうので、注意すべきだ。


以上、私見ではあるが、良い借金と悪い借金の性質を並べてみた。

悪い借金の記述が多くなっているのは、おそらく僕自身が悪い借金をたくさんしてしまったという自覚があるためであり、このnoteを書くことで少しでも不毛な借金をする方が減ってくれればいいという事と、かつて自分が迷惑をかけた皆様への少しでも償いになればと思い、今回コラムを書いた。

みんな、まっとうに生きよう。

そしてなんらかの理由で借金に苦しんでいる方。一緒に頑張ろう。

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