コミュニケーションを生むクリニックのデザイン

みなさん病院に行くときはどれくらいの時間滞在しますか?

2時間?それは待ち時間を入れた計算ですよね。仮にそれが平均だとするとその間に何をしていますか?

テレビ?
雑誌?
SNS?

どれも時間を『潰す』ものであって、有効活用できていませんね。そこが今存在している医療の問題点であり、施設のデザインで改善できることであると考えます。

医療へのアプローチの壁を低くする。これは『声をあげるだけでは解決できない問題である』と、これまでの歴史が証明しています。雰囲気を変える?場所を便利にする?そんなことではほとんど変わりません。

大切なのは、【行って良かったと体験させること】と、【日常の中に入り込むこと】です。これらは相反することの様に感じますが、このことについて考えていきます。

新しい経験から口コミへの流れを作る

普通のけがであれ、腰痛であれ、予期しないところで発生します。ほとんどの人はおそらく病院に行くのが億劫で、数日待つことになるでしょう。その間に症状が悪くなったり、慢性化して治りにくくなる人も出てきます。

すぐになんとかして欲しいのだけど、初診で2時間待たされて、レントゲンと湿布で終わりでは次から二度と行かなくなるのは明白です。そうして病院ではなく、整体や接骨院の門を叩いている人も多いはずです。

ファミリハつくばはまわりが公園と研究所と森なので、住宅地からは少し遠いところにあります。車に乗ればすぐですが、やはり行こうと思わないと行けない場所です。でもそれで良いのです。

これが例えばショッピングモールの中であればどうでしょうか。一見利便性を考えてそうですが、駐車場からは遠く、人も多く、交通の便が良いとは言えない。買い物をしようにも物を持つのもつらい様ではなにも解決しません。

その症状がけがであれ腰痛であれ、ファミリハつくばでは当日の予約をわかりやすく取ることができ、待ち時間の目安も知ることができるようにします。受付してすぐに診察。終われば院内処方ですぐに帰宅が目標です。

しかし、その間に見たことない光景を目にすると思います。広場で遊ぶ子どもたち。カフェでくつろぐ人々。絵本の読み聞かせや色とりどりの遊具など。だれかに話したり、今度人に教えてみたい、すすめてみたいと思ってもらえれば良いです。

「あそこは少し遠いかもだけど、待ち時間もないし、一度見てみる価値はあるよ」

この言葉が出てくれば成功です。次はここで体を鍛えよう。用がないけど、休みに遊びに行こう。理由はなんでも良いです。そこに新しいコミュニケーションが生まれるために。

常に通い続ける人が盛り上げる雰囲気を作り出す

小児整形ドクターである自分は、こどものリハビリテーションを本当に必要な量、質で提供したいと考えています。

そのため、脳性麻痺などの疾患を持ったこどもたちは常に通い続けることになってきます。診察、リハビリ、遊び、気分転換、カフェなど通ってくる理由はたくさんあります。わざわざ家を出て、ここに来て満足して帰る。そのための場所とします。

オンラインではなく、在宅医療でもなく。集まれば新しいことが始まるワクワク感と頼りになる存在。

そうすることで、自然と人は集まる。。。はず
ここがまだよくわからない。何かが足りない。
自分が診るからだけでは、長く持たないので困っています。

そのため、看護外来の設立を目指しています。相談窓口を設け、こちら側から与える情報と、そこから得られる情報を随時更新していくことで、院内の改善点や新しい方針が見えてきます。


パッと来てサッと帰るは理想的ですが、あえて長居したくなる空間をどこに設けるかが今後必要です。

今後も通いつづける仕組みを考えていきます

通いつづける仕組みをここ数日アップしていますが、そこを細かくデザインすることで結果にもつながるし、最終的に経営の安定につながります。

これについてはまだまだ勉強が必要です。
みなさん今後もよろしくお願いします。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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