たまには小児以外でのことも流さないとこどもしか診ないと思われかねないので

「こどもこども、こどものときが大切!」とあちこちでわめき散らしているので、こどもたちのことをどれだけ好きなのかと問われるんですが、正直好きかどうかはまた別の問題です。そんなに好きではないと言うか、頑張っている人みんなが好きです。年齢は関係ありません。

もちろん好きなものを紹介している人もたくさんいますが、多くの人は必要とされる情報を選んで紹介しています。例に漏れず、自分もそうです。他にこの分野の大切さを訴える人がいません。しかし、今後の日本社会を考えると、小児医療や予防医療を充実させることが必要そうなのです。

運動療法による本当の改善と予防

以前こちらの記事をあげて、大きな反響を呼びました。みなさんありがとうございます。あっという間にPV数が5000を超えています。わざわざ見に来てくれている人がいるので、関心の高さを物語っています。と、勝手に思っています。

整形外科ではこれまで治療と言えば『湿布』、『電気』、『牽引』などです。少しずつ変わり始めていますが、多くの病院は対応できていません。

この流れは少しずつ変えて行けると思います。ただし、普通の整形外科医では無理な話なのです。整形外科医は残念ながら運動療法を正しく理解しているとは思えません。それは自分も含めてです。Twitterなどを見ていると、自分よりも運動のなんたるかを理解している人は本当にたくさんいます。これは医療というものが各関節を中心とした診療になり、全身を見なくなった弊害だと思っています。

今から勉強を始めて、その人たちの全てを吸収して伝えて行くのは正直効率が悪すぎます。彼らが発表し、それを広められるフィールドを設定した方が良いに決まっています。

もちろん正しいこと、少し間違っていること、今までと変わっていないことなどいろいろな考えがあります。それらをまとめて形にするのが自分の次にやるべきコトなのかなーとなんとなく考えています。ここには自分だけの力ではなく、まとめられる人を配置します。実働はやはり彼らなのです。

医師のできる仕事のほとんどは『診断』と『処方』のみ

医療のなんたるかを教えてくれる人はおらず、テレビや新聞などでは神の手ともてはやされている外科医やカテーテル、内視鏡医がヒーローの様に取り上げられています。

しかしその様な医師はほんの一握りであり、実際は病気の原因は何なのかを突き止める『診断』と、改善に向かうための手助けをする『処方』がその仕事内容のほとんどを占めます。

治しているわけではなく、環境調整が主な仕事なのです。

診断がなければ、患者本人の意識も変わらず、悪い習慣が改善されません。さらに必要な補償や介護が受けられなくなるし、まわりの力を借りることもできません。

処方がなければ薬も注射もリハビリもなにもできないのです。

よって、正しい治療とは正しい『診断』とそれに沿った『処方』で成り立っています。いくら素晴らしい技術があったとしても、診断の仕方が間違っていたり(これは時代とともに変わってきています)、処方の内容がずっと同じであれば、仕事にコミット(言ってみたかっただけ)しているとは言えません。

ぜひこんな風にスタッフに思われるドクターになりたいと思います。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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