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イベントレポート「不妊症看護認定看護師に聞く 妊活と自然妊娠のはなし」

7月6日(月)11:30~12:30、オンラインで開催した「妊活ライブ」の様子をご紹介します!

妊活をしていると、不妊の原因や妊娠しない理由に目が向きがちです。しかし、そもそも妊娠はどうやって成り立つのか、自然な妊娠はどのように起きるかを知ることで、今取り組むべき妊活方法を理解できます。

ファミワンの不妊症看護認定看護師、西岡さんが自然妊娠の仕組みを詳しく教えてくれました。

▼卵子のはなし

「女性の年齢が高くなると妊娠しづらくなるのはなぜ?」

卵子は女性が胎児の頃に700万個作られ、この時がピークです。
月経がはじまる思春期ごろには20万~30万個まで減少し、閉経時にはゼロに近づいています。
つまり、卵子は新しく作られることのない細胞であり、加齢とともにダメージが蓄積していくのです。だから「卵子の質をよくする」「良い卵子を作る」ことは不可能なのです。

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「卵巣と子宮ではどんなことが起きているの?」

月経が終わるころになると卵巣の中で卵子が成長します。月経14日目ごろになると、卵子数十個の中から選ばれた1つが20㎜ほどの大きさになり排卵します。これを卵子のセレクションといいます。
選ばれなかった卵子たちは体の中に吸収されます。

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排卵した卵子は、卵管の先にあるイソギンチャクのような部分にキャッチされ卵管の中に入ります。そこは卵管膨大部(らんかんぼうだいぶ)といい、この中で卵子と精子が出合って受精します。
卵子が授精できるタイムリミットは、排卵から24時間とごく僅かです。ということは、時間内に精子が卵管膨大部まで泳いでこれないと受精できないのです。

受精卵は卵管の中を転がりながら分割しながら成長します。胚盤胞(はいばんほう)という着床直前の状態まで成長すると、子宮内膜の中に埋め込まれていきます。これが着床(妊娠)です。

選ばれたひとつの卵子が排卵し、卵管膨大部にすくい上げられ精子と出会い、成長しながら卵管の中を通り、子宮内膜に着床する。これが妊娠のストーリーです。
①排卵 ②受精 ③着床の3つのステップのどれか一つでも上手くいかないと妊娠は成立しません。妊娠というのはとても奇跡的なことだと言えます。

「妊娠のステップを支えているのは女性ホルモン」

卵子を育て、排卵を起こし、子宮内膜を厚くし、着床を維持するのは、主にエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの働きです。女性ホルモンが月経周期の中で変化し、妊娠を支えてくれています。

▼精子のはなし

精子は目に見えないとても小さな細胞です。精液の中身はほとんど精しょう(せいしょう)という液体です。精液が出ていても、中にどれくらい精子が含まれているか肉眼ではわかりません。
また、精子は運動する細胞です。まっすぐ動いて子宮の中を泳いでいける精子ばかりなら良いのですが、動いている精子が少ない場合や、ぐるぐる回って前進しない精子が多い場合もあります。
精子の状態を知るには、精液検査を受ける必要があります。

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WHOが定める精液の基準値があります。精液量は多ければ良いかというと、そういうわけでもありません。精液が多すぎると泌尿器科系の疾患が隠れていることがあります。また、極端に少ないときは精液が逆流している可能性があります。

基本的には病院で検査を受けなければ確実なことは言えないのですが、自宅で精子をセルフチェックできるキットが市販されています。病院へ行くのはハードルが高いけど、自分の精子の状態が気になる場合に利用できます。
キットを使って精子の数が極端に少ないなどの問題がわかったら、いち早く受診して調べることができます。

(精子のセルフチェックキットはファミワンモールでもお取り扱いしています)

「精子は新しく作られる細胞」

精子は90日くらいかけて体の中で作られる細胞です。これが、生まれる前に数が決まってしまう卵子との大きな違いです。
定期的に射精し、精子が作られるサイクルを良くしてあげることで、精子の運動率が改善するとも言われています。
新しく作られると言っても、年齢の影響は受けます。何歳になっても、妊娠するに十分な力の精子が作られるわけではありません。

精子の質を改善するために、生活習慣を整えたりサプリを飲むといった方もいらっしゃると思います。精子は90日くらいかけて作られますから、生活改善やサプリの効果が出るまでに90日はかかるということです。

「精子が受精できる時間は?」

射精されてすぐの精子は受精する力を持っていません。受精できる状態になるにはいくらかの時間が必要です。射精され膣に入った精子は、卵管めがけて泳いでいく間に受精できる状態になっていきます。
精子が受精できる時間は48時間くらいです。卵子が受精できる時間は24時間くらいですから、このタイミングを合わせる必要があるわけです。

▼授精のはなし

「精子と卵子はどう出会うの?」

射精した段階では1億~3億個の精子がいますが、子宮の中に入れるのは4000万個くらいです。
卵管は左右2つあるので、精子はそれぞれに分かれて泳いでいきます。しかし排卵は左右どちらかの卵巣で起きるので、排卵されていない方の卵管に泳いでいった精子は、卵子と出会えません。
運よく排卵された方の卵管へ泳ぎ、卵管膨大部までたどり着く精子は200個くらいです。

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精子と卵子が無事に出会い成長できると、受精卵は子宮内膜の中に入って着床します。すると、絨毛組織(じゅうもうそしき)というところからhCGという女性ホルモンが分泌されます。hcgは着床していなければ絶対に出ません。これを利用して妊娠しているかどうかを調べるのが妊娠検査薬です。

よく、妊娠検査薬でうっすら陽性反応が出たのに、後でもう一度調べたら陰性反応が出ることがあります。これは最初に妊娠検査薬を使ったときは着床していてhCGが出ていたけれど、妊娠が継続できなかったためにhCGが出なくなったということです。

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▼「自然」は「当然」じゃない

「自然妊娠」という言葉があるために、妊娠は誰にでも起きる「当然なこと」だと思われがちです。しかし、実は妊娠にはこれだけたくさんのステップがあります。決して簡単なことではない、奇跡的なことなのです。
「自然」という言葉にとらわれすぎず、医療のサポートも活用して欲しいと思います。

▼こんな質問にも答えてもらいました!

「排卵された卵子が、卵管に入れないこともありますか?」
「受精卵の成長には、卵子の質や精子の質が関係していると聞きました。成長が途中で止まってしまうのはどうしてですか?」
「子宮内膜を厚くする方法はありますか?」
「タイミングを取るのはいつがいいのですか?」

参加者からのこんな質問にも、西岡さんが詳しく答えてくれました。妊活ライブ会員にお申込みいただくと、動画で詳しい内容をご覧いただけます。

▼これからの妊活ライブスケジュール

7月14日「自分の気持ちを伝えるコツ―基礎編ー」

7月21日「不妊症看護認定看護師に聞く、妊活とホルモン・月経・排卵のはなし」

7月26日「胚培養士直伝!妊活するなら知っておきたい卵子・精子・受精卵の話」

7月30日「自分の気持ちを伝えるコツ―カップル編ー」


ファミワンでは妊活ライブを続々予定しています。月額500円でライブに参加し放題&当日参加できなくても動画視聴可能なプランもありますよ!詳しくはこちら↓↓↓


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