見出し画像

自分が願う世界が伝わるように、自己表現できる自分でいたい|女子美術大学・共創デザイン学科の授業初日

女子美術大学 共創デザイン学科の授業初日。

先月まで高校生だった62名の新入生たち。とても明るく積極的だと事前に伺っていた様子から、その明るさの奥にある緊張感と不安も同時に伝わってきて、そんな一人ひとりの「命」へ伝えたいことを意図して授業にのぞむ。

17時近くから始まる最後の枠の授業。1日の疲れが溜まっている様子で「次から次へと新しいことが入ってきて消化できていない」という声がちらほらと聞こえていた。そんな中、さっさと椅子を動かし大きなサークルの空間へ。

最初は様子を伺いながらも、冒頭から私の言葉を一言一句しっかり全身で受け取っているエネルギーが伝わってくる。
感情は、その人にとって唯一のオリジナルなエネルギー。内側から湧いてくる感情の奥にある「命の声」に耳を傾ける

自分の幼稚さに泣きたくなるというAさん

デモに出てきてくれたAさんは、自分の幼稚さに泣きたくなる気持ちになるということを話してくれた。

不安症を抱え、些細なことでイライラしたり不安になったりしてしまう。悪気は全くないお父さんの言動にイラッとして、思わず「うるさい!」と言ってしまったAさん。本当に伝えたかったことは、そういうことじゃないのに、自分から咄嗟に出てきた表現は不本意なものだった

みんなの前で涙をぽろぽろ流しながら、自分が抱えている不安やいらだち、その奥にある美しい光のような願いを分かちあってくれるAさんのあり方に、みんなの集中力がさらに高まり、釘付けになっている。

Aさんの痛みからいろいろな願いが伝わってきたけれど、突き刺すように伝わってきた願い。それは「自己表現」。

大切な人への優しさや思いやり。そして、自分の内側にあることに正直でいること。自分に対する本物さ。これまで、この2つの狭間で揺れ動いてきたのだろう。

相手に優しくありたい。でも、自分に本物でいたい

相手への優しさ・思いやりを大切にしたいからこそ、自分の本音を飲みこんできた。でも、抑えた感情は決してなくなることはなく、何かのきっかけで不本意な形で噴出するか、自分の心身の健康を蝕んでいく。

Aさんの涙から伝わってきたことは、「相手に優しくありたい。でも、自分に本物でいたい。もうこれ以上、自分の命の声をおさえたくない。今までのような幼稚な表現ではなく、自分が願う世界が相手に伝わるように自己表現できる自分でいたい。」という命の声。

そんなことを伝えると、Aさんは「うん。自己表現していきたいんです、私。」と力強くうなずいた。最後に選んだ3つのニーズは「自分に本物である」「自己表現」「自己価値の承認」。

この3つが大学生活を通して満たされていったらどう?と尋ねると、雲が一気に晴れ渡ったような晴れやかな表情で「4年間、大学に通えるか不安だったけど、、でもこの3つが満たせたら最高に幸せ!」と話してくれた。

表現することへの情熱

そんなAさんのデモを食い入るように、うなずきながらずっと見守っていたみんな。授業後の振り返りで、一人ひとりが純粋で美しい感性でこの授業から受け取ったバイブレーションをたくさん伝えてくれた。

これまで、いろいろな組織や年代にファシリテーションし、同じメッセージを伝えてきたが、共創デザインの学生のみんなが響いたポイントや観点が、他とは違う今までにないものばかり。「へえー!その言葉が響いたといわれたのは初めてだ!」というポイントを何箇所か、複数名の学生たちが書いていた。

表現することへの情熱。共創造の未来へ希望を感じて選択してきた想い。振り返りから、そんなみんなの意志が伝わってくるようで、新鮮さと感慨深さから涙が湧いてくる。

いわゆる偏差値教育のフィールドでは、もしかしたらあまり承認されてこなかった学生もいたかもしれないが、感受性やエモーショナル・インテリジェンスが高く、これまでたくさんの痛みや葛藤を抱えながらも、表面に現れていない命の声を表現することを諦めずに選択してきたこの子達だからこそできることがある、と強く確信した初回授業。

共創デザインの学生たちは、未来への希望そのもの

繊細でピュアで柔らかく、不安定で脆くも、内側に強さとしなやかさがズドンと備わっている一人ひとりの命が、この4年間で大切に育まれ、それぞれの輝きを放っていく未来を心から意図して。残りの授業に魂込めてのぞみます。

今回のアシスタントは、愛とパワー溢れる信頼度200%のメンツに、清泉女子大で昨年私の講義を受けた4年生のまいまいもジョイン。学生のみんなは、アシスタントのあり方からもたくさんの大切なエッセンスを受け取った様子。これまた最高!


講義風景





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?