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可能性発見ゼミ「親子でつながるコミュニケーション」@長野いいづなフューチャースクール

長野「いいづなフューチャースクール」にて、可能性発見ゼミ「親子でつながるコミュニケーション」を実施しました。

参加者は、小4~中2の親子10家族。昨年からのリピーター親子も2組いて、「久しぶりだねえ!」と再会を喜ぶ。

昨年参加し、最初は名札に名前を書くことも拒否だったけど、徐々に自分や相手の内側にぐっと深く潜っていき、最後は別人のように晴れやかな表情で『地球が滅亡しても、このメンバーとならやっていけそうだなって思った』という感想をくれた小5のSくん。

会場に着いて早々に、Sくんのお母さんが神妙な面持ちで1枚の紙を渡してくれた。

「実は、、小3の妹が昨年のお兄ちゃんの変化を見て『私もさとちんの場に参加したかった!!なのに(対象学年じゃないから)参加できないなんてひどすぎる!!』と抗議文を書きまして。さとちんに渡してくれと。」

そこには、マジックより筆ペンがいい!と選んだ筆ペンでエネルギーいっぱいに書かれた情熱が溢れまくっていた。こんなラブレター、初めてだなあ!!来年は絶対に会おう!!
お兄ちゃんとお母さんがエンパシーによって絆ができたのを、きっと感じ取ったのだろうな。みんな、自分の声を表現したいし、大人たちに聞いてほしいと思っているんだなあ。

そんな感じで始まった2年目の場

お母さんたちは皆とても愛とパワーに溢れていて、対話を学びたい!というエネルギーをビシビシ感じる。一方、子どもたちはうつむき加減で興味なさそうにしながら前髪の奥から私をじっと見定めているのをビシビシ感じる。

大人も子どもも一緒になり、全体で自己紹介。その段階で、涙やたくさんの感情が溢れて話せない子や輪に入らない選択をした子。一人ひとりの内側に、たくさんの複雑な感情や想いがパンパンに詰まっていることが伝わってきて、胸がしめつけられる。

今回、学校に通っていない子も多く、みんなの前で自分から発言をする子や他の子と交流することに抵抗を感じる子が多かったため、一人ずつ個別に、丁寧にゆっくりとサポートに入っていく。

自分について話したくないAちゃん

お母さんにぴったりくっつき、最初からずっと輪に入らず、スマホでピアノの動画を凝視していたAちゃん。自分についての話はしたくない、という強い意志を感じる。
でも、「感情の奥にある大切にしたい願いがあるんだよ」という私の言葉に身体がピクッと反応している。演習が始まってもやはりそのまま動かないが、目だけはチラチラとニーズカードの方を見ている。そっと近くに行き、Aちゃんの命の声に耳を傾ける。

私「感じたことがある感情を書いてくれたんだね。この『くやしい』ってどんな時に感じたの?」
Aちゃん「・・・。(言いたくない)」
私「じゃあ、そのときのくやしさを色で表すと何色?」
Aちゃん「・・・くろ(とても小さな声で)」
私「どんな種類の黒かな?濃淡でいうとどんな感じ?」
Aちゃん「(力強い声で)真っ黒。どす黒い真っ黒な黒!」

それだけ真っ黒いくやしさがあったこと、本当にしんどかったし嫌だったね。そこにはAちゃんが大切にしたかった願いがきっとあるね。それを見ていこう。とニーズカードへ向かうと、これまでとは別人のような強くまっすぐなエネルギーで一切の迷いなく真っ先に選んだニーズが「自由」。

「自由」を皮切りに、「平等」「わかちあう」・・とものすごいパワフルさで的確にガシガシとニーズカードを取っていく。
Aちゃんが誰にも聞いてもらえなかった声、表現されなかった願いが溢れ出るように次々と湧き上がってきて止まらない。

「Aちゃんの強い願いにものすごいパワーを感じる!自由と平等がある世界。それがない痛みを誰よりも知っているAちゃんだからこそ、自由と平等がある世界を必ず創れるよ!痛みの奥にある願いにつながり、痛みをパワーに変えて願う世界を創って行こう!」

そう伝えると、力強い眼差しでうんと頷いた。

学校に通っていないBちゃん

演習中も誰ともペアにならず、涙が止まらない。隣に座って、静かにただただBちゃんの魂と共にいる。安心を感じて落ち着いたBちゃんは、お母さんとアシスタントのそえちゃんと一緒にお互いの奥にあるニーズを探究しにいく。

学校に通っていないBちゃんに不安と心配を感じているお母さんへ、Bちゃんが的確にエンパシーを送る。
もうみんな涙を流しながら。共にお互いの願いに触れ合っていく。
一番最後に、こうありたい自分の願いとして選んだBちゃんの願いは、「休息」と「動くこと」

「Bちゃんは、自分の命を守るために「休息」が必要だっていうこと、よくわかっているんだね。そして、休息を大切にしながらも、そのままではなく自ら「動くこと」も大切にしたいんだね。Bちゃんは、自分の命の守り方と生かし方を自分でちゃんと知っているんだね!!」

そう伝えると、満面の笑みで嬉しそうに「うん!」と頷いた。

1つ1つの魂の火が灯されていった

他にも、全体の場には現れなかったが、参加したそれぞれの大人や子どもたちの「ある」のに「ない」こととされて置き去りにされてきた感情、誰にも聞いてもらえず「正しさ」によってかき消されてきた声に光が当たり、会場のあちらこちらで1つ1つの魂の火が灯されていった。

高学年の子どもたち

高学年の子どもたちの内側には、家や学校、習い事、部活、いろいろなところで体験してきた、小さな子ども時代とは違う痛みや傷つき、たくさんの複雑な感情がパンパンに詰まっている。
でも、誰にも聞いてもらえず、扱い方がわからず、発散や回避先をゲームやネットの世界に求め、その時の感情や願いが凍結されたまま、満たされずにもがいている。

中学高校と上がっていくと、思春期もあり、ますます本当の気持ちを誰にも話せなくなっていく。だけど本当は痛いくらい「聞いてほしい、わかってほしい、受け止めてほしい」と願っている。
子どもたちを何が「できたか・できないか」で評価するのではなく、ただあるがままの全てをそのまま受け取ってくれる存在として、大人がいれたらいいなと願っている。

子どもたちの魂の悲鳴

子どもたちの魂の悲鳴。その奥にある強く優しい命の灯火。
光も闇も、どちらも豊かな命の躍動。

子どもたちの痛みに悲観的にも楽観的にもならず、あることをそのままに受けとめる。痛みを解決したり、前向きにさせる必要はない。
ただただ共に嘆く。悲しかったね。悔しかったね。つらかったね。苦しかったね。傷ついたね。と。

そして、嘆きを表現しきった先に現れてきた「真の願い」を共に祝福する。そうだね。そんな世界がほしいね。

あなたが願う世界を、あなたは創っていくことができる。
一緒に創っていこう。望ましい未来を。

「変化の源」になる

昨年と全く異なるエネルギーとなり、今の日本の子どもたちに起きていることを、参加者の子どもたちが体を通して伝えてくれるような場だった。

親子や家族が、生きることのしんどさも喜びも、嘆きも祝福も、共にわかちあえる関係であってほしい。そんな願いを込めた場。

「変化の源」となったのは、地方の荒波に立ち続けながらも心折れることなく(いや、折れてもなお立ち上がり)活動を続けているよっしーとひらりちゃん夫妻の愛とパワーによるもの。二人に心からのリスペクト!!!

輪に一切入らなかったAちゃんが、みんなが帰った後も最後まで残り、会場の後片付けを手伝ってくれた。終わった後も、名残惜しそうにずっと会場に残り、外に出てもなお、ずっとずっと手を振り続けてくれた。このAちゃんの姿こそが、二人が「変化の源」となった証。

ここからまた次の未来へと向かっていこう!!

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