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アートで多様性と社会的包摂を促進したい。コロンビアのアーティストと作品提供者が語るFamieeを支援する理由

一般社団法人Famieeは、より持続可能で多くの人に共感されることを目指し、2022年3月に第2回 NFTアートチャリティーオークションを開催いたします。

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Famieeのミッションを記念して、カミロ G. さんとフアン・キンテーロさんとの対談を実施しました。

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司会:自己紹介をお願いします。

フアン・キンテーロ

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コロンビア出身、ユナイテッドワールドカレッジ(UWC)ISAKジャパンのコロンビア代表。RISE for the worldプログラムのグローバルリーダーです。

世界のさまざまな多様性を促進し、21世紀の最も話題に上がっているこの問題の解決のためのプロジェクトのリーダーを任されています。また、日本の教育団体で教育者として働く経験もあり、最近ではコロンビア政府とともに国際協力にも携わっています。

フアン:私は、数年前にUWC ISAKジャパンに進学することを決めました。UWCは平和と持続可能な未来を追求するために、教育によって人々、国、文化を結びつける世界的な教育運動です。私は、多様性を促進することにとても興味をもっていたので、日本へ留学することを楽しみにしていました。

Famieeのミッションは私の価値観と近かったため、この素晴らしいプロジェクトに参加したいと思いました。日本、そして世界の基本的人権の推進に積極的に貢献できると考えました。法律などを変えることは複雑で大変なことです。しかし、そんな中でも、Famieeのようなコミュニティをより包括的で多様なものにするためのプロジェクトに参加することはできます。

カミロ G.

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私は、2000年、コロンビアのメデジンで生まれました。Eafit school of fine artsで美術を学びました。

自然、そして多様な色彩に囲まれて育った私は、自分の情熱を芸術作品や絵画で表現することを始めました。

これらの作品は、メデジンの現代美術ギャラリーの展覧会で発表されました。展示作品は、悲惨な戦争や紛争から立ち直った新しいコミュニティをテーマにした色彩やイメージを使ったものです。

それぞれの作品は、平和、幸福、そして前向きな人類の進歩を追求する多様な地域の人々の勇気、勇敢さ、回復力を表現しています。


司会:お二人の出会いを教えてください。

フアン:カミロとは5年前、メデジンの現代美術ギャラリーで、毎年行われる最も大きな展覧会にて出会いました。私は、以前からアートに関心を持っていました。特に、新しいデザインや才能と出会うことが毎回の楽しみです。驚いたことに、私たちは初めて出会った時、多くの共通点があることを発見しました。私たちの住んでいる場所が近かったため、仲の良い友達になることができました。

彼の美術展の手伝いに招待してもらったり、彼の作品作りの過程を見ることができた私は、彼の才能を目の前で感じることができました。彼が絵を描いているときの情熱、集中力、そして幸せそうな表情を見て、本当に感動しました。

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フアン:準備はいいですか?今日の気分はどうですか?

カミロ:興奮していますし、とても感謝しています。今日は私にとって、とても重要な日です。世界中の多くの人々にインスピレーションを与えることができればと願っています。

フアン:いつから芸術家を目指し始めましたか?

カミロ:幼い頃から、自分の大きな夢のひとつはアーティストになることでした。私の家族は、私が5歳くらいのときから、私の才能に気がついていたそうです。誕生日やクリスマスに私が欲しかったものは大抵、絵を描くための色鉛筆だけでした。私は他の子供たちとは違っていて、馴染めないことが多かったです。私の趣味は、歴史に残っている有名な芸術家について調べたり読んだりすることでした。

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子供の頃から、レオナルド・ダヴィンチの作品と、それぞれの作品の背後にある意味の深さに驚かされ続けてきました。私はそれぞれの作品を理解するために何時間も費やしたりもしていました。私はそれぞれの作品からの学びを生かし、それに現代的なアプローチを導入して絵を描くようになりました。それ以来、この作品のスタイルを追求してきました。当時の私の楽しみは美術館や博物館に行って新しいものに出会うことでした。

子供の頃は、色や絵の具で遊ぶことばかりをしていたそうです。自分の手をで色汚したり、友人や家族とともに絵の具などで遊ぶことがとにかく大好きでした。(皆笑う)

ファン:旅先でアートを作るという発想はどこから生まれたのでしょうか?

カミロ:私が大好きな二つのこと:絵を描くこと、そして旅をすることを組み合わせただけです。旅をしていると、今まで体験したことのないことに出合います。異文化、新しい人々、異なる現実、そして同時に異なる世界や生き方を知る素晴らしい機会です。自分の経験を通じて、表現力を広げていきました。

フアン:私は普段、休暇などでどこかへ行くときは、勉強や学校のことは忘れるようにしています。なぜ、休暇中に仕事をしようと思ったのですか?

カミロ:私はアートを仕事とは思っていません。自分の生きる目的だと思っています。旅行しながらスケッチや絵を描くと、楽しみが増えて最高です。好きなことをしながら、自分を表現することが私の生きがいで、それを実際に実現できているのでとても幸せです。

フアン:世界中の多様な国々を旅することは、素晴らしい経験ですね。色々な経験やエピソードを教えていただきたいです。世界中を旅してアートを創るというのは、どのような感じなのでしょうか?

カミロ:私は世界で最も美しく多様な国のひとつであるコロンビアで生まれ育ちました。そして、『コロンビアの魔法』の向こうにある謎を解明するために、自国を旅したいと思いました。

今まで旅した場所で多くのことを学び、それを作品を通して表現してきました。ある時、私はアマゾンで素晴らしい家族に出会いました。彼らの生き方はとてもユニークで、伝統的で、自然とつながっているものでした。湖のそばで焚き火をしながら、一緒に夕食を食べたのを覚えています。私のアートが特別な理由は、作品ひとつひとつに込められているストーリーです。首都の賑やかな通りから、熱帯雨林の穏やかな静けさまで、私のアートは、非日常的な場所での最高の瞬間を捉えることを目指しています。私たちが住んでいる世界の多様性を表現し、その違いが私たちを引き離すわけではなく、むしろ団結させることを強く願っています。

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ファン:いつか日本で、作品を作ってみませんか?

カミロ:そうですね。もっとたくさんの国を旅して、新しい世界、新しい文化に触れたいと思います。富士山の近くでキャンペーンを行ったり、富士山の素晴らしい風景をスケッチしている自分の姿を想像することができます。それが私の夢のひとつであり、将来、実現したいと思っています。

ファン:あなたにとって、アートとは何ですか?

カミロ:僕にとってアートは人生そのものです。アートは人間が好奇心や想像力を表現するために昔から用いられてきた方法です。芸術は人間の創造性を表現するものであり、アートは私に幸せを与えてくれます。 しかし、もちろんアートはアーティストがいなければ成り立ちません。私たちには、創作を通じてアートに意味を与える義務があります。勇気を出してそう思い、そうしたいと思えば、誰でもアーティストになることはできます。私たちアーティストにできることは、人々が夢を追いかけ、それを実現できるよう、やる気と勇気を与えることです。

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フアン:カミロさんのアートを通じて表現している多様性の意味とはどういういったものですか?多様性は、僕、そしてFammieにとって非常に重要なものです。多様性という言葉は、カミロさんのアートとどのように関係していますか?

カミロ:多様性は私のアートの基本テーマです。「The Magic of the Sunrise」というタイトルの作品は、過去5年間、私がコロンビアのさまざまな場所を訪れた際に出会った多様性を表現したコレクションです。長年にわたり、私たち人間は、互いに異なる存在であることが原因で、多くの対立や戦争を生み出してきました。しかし、私のアートは、多様な世界の魔法を表現することで、それを解決、和らげることを目指しています。

私は、誰もが幸せで平和な世界の実現を夢見ています。なので私はこのプロジェクトを支援し、Famieのミッションに何らかの形で貢献しようと決めました。

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ファン:なぜ、このような色を選んだのですか?

カミロG:私の作品の多くには明るい色が使われていますが。私はこれを人々に幸せや喜びを伝える方法の一つだと思っています。色と人間の感情の関係について、調べたことがあるのですが、とても興味深いことがわかりました。色には、人の気持ちに影響を与える力があるのです。オレンジ系の色には、人のエネルギーレベルを向上させる効果があります。また、黄色は人の感情を高めることができます。

私は通常、絵画のスケッチをする際に、最も正確に自分の目的を表現できる色を見つけるまで、さまざまな色合いを試しています。最近の作品集では、すべての作品に異なる濃さの緑を使い、私の自然に対する深い親近感を表現しました。また、私は夏に遠征へ行くことが好きです。夏の方が天気や明るさで、自然のさまざまな色をよりよく見ることができるからです。

ファン:そうですね。この話を聞いていると、『エンカント』という美しい作品を思い出します。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが制作した、コロンビアについての最も新しい映画の1つです。監督はジャレッド・ブッシュとバイロン・ハワードです。この映画はとてもカラフルで、ハッピーで、みんながとても熱狂的に描かれています。私はこの映画をとても楽しむことができました。


フアン:絵の中で表現されている色と、ご自身の体験はどのように関係しているのでしょうか?

カミロG:ファン、その質問はとてもいい質問です。色はどこにでもあるものですが、日常生活において私たちは色にあまり注目していません。しかし、旅をしてみて、私にとって「カラフル」という言葉は新しい意味を持つようになりました。色について考えるとき、さまざまな感情や感覚が頭に浮かんでくるのです。例えば、緑色を思い浮かべると、アマゾンの熱帯雨林での体験を思い出します。紫や青のものを見れば、首都の活発で明るい街並みを思い出します。

色は、脳内で思考や過去の記憶を結びつける役割を果たします。私は自分の過去の体験の中で最も印象的な瞬間を表現できるよう努力しています。たとえ遠く離れた場所まで行くことが難しくても、人々に、私の作品を通して新しい世界を発見し、同じような感覚を味わってもらうことを目指しています。

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フアン:いろいろな場所にいくたびに、感じること・思うことはありますか?

カミロ:質問に答えるために、ある話を共有したいと思います。私が何度も遠征している間に感じたことを分かってもらえるはずです。アマゾンを旅したとき、私は自然と先住民の文化の強い結びつきを感じるという特別な体験をしました。彼らの生活スタイルは現代社会と比べて何十年も遅れているようにみえますが、彼らはそれを楽しんで生きています。多くの住民はジャングルの中の手作りの家に住むのが好きなので、大きな町や都市に移住することは考えていません。

なぜ、そのような暮らしができるのか?という疑問が湧きますね。しかし、生活に必要なものはすべて揃っています。彼らの幸せの鍵のひとつは、自然との深い結びつきにあります。川が水を届けて、森が食料を配り、木が住む場所を作ってくれています。また、彼らは独自の学校、宗教、そして薬で生活しています。私が最も驚いたことのうちのひとつは、テクノロジーへのアクセスが全くないにもかかわらず、他のコミュニティや組織の補助なしで、充分な生活を送ることができていることです。

この冒険は、他の多くの冒険と同じように、私の人生観を変え、そして、私をより広い視野を持つ人間にしてくれました。初めて出会う人、場所、環境は、自分の人生の目的について何度も考え直す機会を与えてくれました。私の作品が、見てくれる皆さんに元気を与えるための手助けになればと思います。私は、自分のことを楽観的で幸せなアーティストだと思っています。この気持ちを世界中の人々と分かち合いたいと思っています。


フアン:21世紀の今になっても、基本的人権が尊重されていない多くの人々がいます。例えば、たくさんの国でLGBTのカップルの結婚は許されていません。愛する人との結婚が許されないということ。本当に法律を変えずに世界を変えることはできると思いますか?

カミロG:はい、変えられると思います。だから、このFamieプロジェクトに参加しました。私の妹はLGBTコミュニティの一員です。私たちは皆、愛したい人を自由に愛することが許されるべきです。私は皆の幸せをサポートしたいと思っています。

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フアン:そして、いつか法律が変えられると思いますか?

カミロ:そう願っていますし、本当に前向きに考えています。しかし、そこに到達するまでには、まだまだ長い道のりがあります。だからこそ、私たちができることは、大きな前向きな影響を与えることができるプロジェクトに参加することです。

私はこれまで何百人ものLGBTコミュニティの人たちに会ってきました。私の出身地では、LGBTが社会的に少しずつ受け入れられてきています。しかし、彼らの基本的人権は十分に満たされているとは言えません。Famieeを支援することで、日本、そして世界の家族達に大きな影響を与えることができるはずです。まだ間に合います、必ず実現できます!

ファン:最後にもう1つ質問をさせてください。カミロさんにとってアート作り続けるためのモチベーションは何ですか?

カミロ:私が14歳くらいのときに、父と人生について話をしたことを覚えています。父は自分の成長体験や夢について話してくれたのですが、そのとき、忘れられない質問をされました。「夢を追いかけるだけでなく、必ず実現しなさい」と。そのとき、私はピカソやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ゴッホのような偉大な画家になりたいと思ったのを覚えています。

その決意を忘れずにいることによって、大変な状況の中でも作品を作り続けられました。困難に直面したとき、私がいつもすることは、家族や友人、そして過去に経験した素晴らしい時間を思い浮かべたり、思い出したりすることです。また、コロンビアや日本など、世界各地で多くの優れた若いアーティスト達と出会い、共に刺激を与えあいたいと思い、アートを続けています。多くのアーティスト達は、アートは人生の成功への道ではない、と考えていますが、偉大なアーティストになろうと思えば、その夢の実現は可能である、ということを証明したいと思っています。

フアン:今日はありがとうございました。


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■一般社団法人Famieeについて
設立日:2019年8月8日
代表者:内山幸樹
ウェブサイト:https://www.famiee.com/
Twitter:@FamieeP

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