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03 幕間 Bさんへの手紙

Bさんのお父様
Bさんのお母様

前略

2018年度 M小学校 1年1組で担任をしておりました、○○ J○です。

 本来ならば、直接お会いして説明したいのですが、諸般の事情にて手紙という形になってしまい残念です。

 2019年1月25日以降、裁判が終わり収監されるまで、私の両親や弁護士を含めて、連絡を取ることが禁止されており、今日までお伝えすることができませんでした。

 まず、私が3年以上無実を訴え続けてきたのは、自分の身の潔白を晴らすだけではなく、教師として子どもたちと保護者の未来を守りたいと思い続けたからです。

 今回、疑いをかけられてすぐ、私は、学校や教育委員会に対して、保護者の方に会って話をしたいと申し上げておりました。 また、児童名や具体的な情報についても尋ねておりましたが、一切回答は得られませんでした。

 例えばですが、名前を出さずとも、「J○先生に体を痒いと言って来た子どもはいない?」という聴き取りがあれば、保護者の方も子どもたちも苦しめることは無かったと思います。早期に保護者の方とお会いして、話し合いをすることができれば解決できたと思うと悔しい思いです。

 現在、私が危惧しておりますのは、保護者の方が担任からわいせつ被害を受けたと勘違いされたまま、子どもが成長されることです。保護者の方もご心配しているように、私も、子どもたちがこのまま成長して思春期を迎えた時に、男性恐怖症、PTSD、不登校などで苦しんでしまわないか不安です。

 私は、保護者の方の調書を何回も読み、法廷で涙を流しながら証言をしている声を聴き、一日でも早く誤解を解きたいと思い続けておりました。

 裁判では、間違った判断が出されましたが、この3年間何があったのか事実、そして私の思いと、お願いを伝えたいと思います。

どうか、最後までお読みいただけますと幸いです。


1 子どもが被害申告をした原因について

 まず、裁判でのご証言などを踏まえて、「3人の子どもたちが話している」「嘘をつく理由がない」「1年生の子どもが想像できる内容ではない」という理由から、本当の出来事と捉えていられると推察しております。
 
 私も、逮捕されて初めてBさんの名前を聞いた時、このような嘘をつく子どもではないので驚きました。何か原因があるはずではと思い、家族や弁護士と共に調べ続けると、子どもの記憶には、ある特殊性があることが判明しました。

 専門用語で、「記憶の汚染」や「偽りの記憶」と呼ばれており、あまり認知されていないのですが、周りの影響や質問の仕方によって、子どもは、体験したことがない出来事を本当の出来事のように報告したり、本当に体験した出来事と思い込んでしまいやすい特徴があります。そして「記憶の汚染」は体験したことがない性被害でも起こります。

 身近な例では、子どもが「サンタクロース」や「トイレの花子さん」の存在を信じるようなものです。実際に、日本では2013年に田代事件(小学校1年生女児2名)、海外では、マクマーティンプレスクール事件(400名)ウィー保育園事件(20名)と、複数の子どもが簡単に、体験したことがない性的被害の申告をする事件は起きています。(特に、田代事件の女児2名とCさんとAさんの被害申告した経緯は、酷似していました。)

 私は、3人の子どもたちにも同じことが起きているのでないかと仮説を立てて、調査を続けていきました。さらに、詳しく調べると「記憶の汚染」の特徴として、本人は「実際に体験していない出来事を話している」という認識もなく、子どもの表情や内容から「実体験」なのか「偽の記憶」なのかは見抜くことができないことも判明しました。 

 過去の事例でも、周りの大人からすれば、本当の出来事を話しているように見え、複数の子どもが、同じ被害申告していれば本当の出来事を話していると捉えていました。 しかし、実際には「J○先生に体を触られたの?」という、日常的に行う普通の会話でも、子どもは影響を受けて簡単に記憶が汚染されてしまいます。

 私も、今回の疑いを掛けられるまで、子どもの記憶の特殊性から、まさか性被害を訴える事件が起きることすら知りませんでした。恐らく、普段から子どもに関わっている学校関係者でも「記憶の汚染」については、知らないと思われます。 常識的に考えれば荒唐無稽の主張に思えるかもしれませんが、このようなことが3人の子どもたちにも起きているのです。

2 司法面接が子どもの記憶に大きく影響を与えた

 特に、1年生の時に実施した検察での司法面接については、聴き取りに問題があり子どもの記憶に悪影響を及ぼしました。

 司法面接の映像は2020年9月14日に法廷でお母様がご覧になられたかと思います。この映像を、専門家である高木光太郎教授に分析していただきました。高木教授は「司法面接とは呼べない杜撰な聴取だった」と指摘していました。もしかすると、司法面接の映像をご覧になられてショックを受けられたかもしれません。

 しかし、司法面接で使用を禁止されている誘導的な質問や、出来事の説明に人形(アナトミカルドール)を使用した影響で、子どもは体験していない性被害の出来事を語ってしまったのです。

 この点については、高木意見書があります。また、不適切な応答を引き出す聴き取りについては「記憶の汚染」、「偽りの記憶」、「過誤記憶」とお調べいただいたり、仲真紀子教授のホームページ上に「司法面接」について説明している動画がありますので、ご覧いただければご理解いただけると思われます。(これらの資料は父と母に託しています)

 今回は正しい司法面接が行われれば、ここまで大きな問題にはならず、早期に解決できたと思うと残念です。

3 弁護士を立てた理由

 2019年1月25日以降、教育委員会から、保護者からわいせつ行為の疑いをかけられていると自宅待機を命じられました。K教頭が裁判でもご証言されていましたが、教育委員会の聞き取り調査でも、児童名、具体的な状況、時間帯などの情報は一切教えてもらえませんでした。

 2019年2月2日土曜日午前中に、I校長が自宅まで来た際にも、今後の対応等や児童名等の具体的な状況を確認したのですが一切教えてもらえませんでした。 

 その時の様子から、I校長も教育委員会も、事実を調査して、話し合いで解決をさせるのではなく、3月に講師の契約が切れるのを待ち、しっぽ切りにするのではと感じました。そもそも、児童名も具体的な状況も一切明かせない点から、保護者も子どもたちも実在せず、何か別に問題を起こした教員がいて、講師である私に責任を擦り付けようとしているのではと疑っていました。

 父の勧めで、教育問題に詳しい弁護士に相談をしました。弁護士との契約は、千葉市教育委員会及び M小学校への交渉で、①服務のこと、②事案が解決した際に復職の交渉、③解決のために情報の開示、④保護者に会わせて欲しい旨を書面で伝えました。

 しかし、調書や裁判でのご証言をお聞きして、いつの間にか私が「保護者を訴えるために、弁護士を雇った」という話にされており驚きました。どなたがBさんのご両親にそのような嘘をお伝えしたのでしょうか?

 私は、解決した際に復職できるようにと、教育委員会に適切な対応をしてもらうために依頼したのです。契約書も、教育委員会やI校長宛です。

4 警察に相談した理由

 担任を交代させられ、2019年2月13日に千葉市教育委員会から、調査を終了した旨の通知が届き、保護者にもお会いさせてもらえず、別の勤務先で勤務することになりました。弁護士から、後は警察に相談して捜査して貰う以外に方法はないと言われました。

 私は、2019年2月20日千葉西警察署に相談しました。小宮清伸刑事には、「子どもたちの元に一日でも早く戻りたいので、事実を明らかにして欲しい。」と伝えました。
 
 その際に、弁護士が「学校や保護者から相談を受けているか」と質問すると、小宮刑事は「○○ J○先生が相談しに来て初めて知りました。」と回答をしていました。裁判が始まり、2019年1月25日には小宮刑事は保護者から相談されていたことを知った際には、警察が平気で嘘をつくという事実に驚きを隠せませんでした。今思うと、担当の小宮刑事が、携帯で録音していないか確認していたのですが、録音をされているとまずいと思って、確認をしたのでしょう。

 また、Aさんのお父様が意見陳述の際「○○先生が名誉棄損で訴えにきたと警察に聞き、絶対に許せないと思い被害届を提出した」と述べておりましたが、その話を聞いて警察に憤りを感じました。私は、名誉棄損等で訴えてもおらず、そもそも名誉棄損の被害届も提出していません。ただ、事実を明らかにして欲しいから捜査をして欲しいとお願いしただけです。

 この時点(2019年2月20日)では、2019年1月25日にCさんが着ていた洋服から、複数人のDNA型が検出されていることが判明していたようです。恐らくですが、警察は「DNA型が○○ J○と一致するだろう」と考え、どうにかして被害届を出させるために、名誉棄損で訴えに来たと嘘をついて煽ったのだと思うと、腹立たしく思います。

5 捜査で明らかになったこと

 今回、Cさんが2019年1月25日に着用していた、パンツとレギンスからDNA型鑑定を実施しました。2019年3月中旬に、Cさんのご家族以外の第三者のDNA型の付着が明らかになりました。日常生活では付着しない場所から検出されましたので、恐らく警察は「○○ J○を逮捕して、DNA型鑑定を行なえば一致するだろう」と考え、勇み足で逮捕・起訴をしたのでしょう。

 しかし、ご存じのように、私のDNA型は検出されませんでした。(2022年現在、第三者のDNA型は誰の物かは特定されていません)

 他にも、Cさんが被害に遭ったとされる次の日(2019年1月26日)に、警察が学校に行き現場検証をしました。倉庫の中から、私の指紋は検出されましたが、子どもの毛髪、指紋、皮脂、DNA等が一切検出されませんでした。Cさんも、床に寝転がったと話しており、次の日に警察が捜査して、痕跡が一切検出されない点は不自然です。
また、Bさんのお母様がおっしゃっていたように、このような犯罪を行う人物は病気です。前任校のK小学校で担任した1年2組の児童にもアンケートを行いましたが、被害申告はありませんでした。さらに、警察は、スマートフォン、パソコン、レンタルDVDの履歴、ドコモなどのプロバイダー、クレジットカードの履歴、幼稚園から大学に至るまでの友人らに性癖の確認等と、入念に調べましたが、小児性愛傾向がないことも明らかになりました。(仮に、私がデータを削除しても、捜査機関は復元可能です。)

6 逮捕された後の対応について

 私は、逮捕されて児童名や状況を初めて教えてもらえました。K教頭先生が裁判で証言していたように、私は、教育委員会や学校とのやり取りでは、一切の情報を教えてもらえませんでした。

 Bさんの件で逮捕されたのは2019年5月13日頃です。その日、逮捕状を読み聞かされて、「児童名」、「体を痒いという話」、「給食の時間」ということを初めて知りました。

 まず、給食の時間に犯行は不可能だと思いました。小宮刑事に、「給食の時間は忙しく、危険ですので子どもから目を離せません。実際に給食の時間に行って確認すればわかるので見てきて下さい。」と伝えました。さらに、体が痒い話から、保健室に行かせたことを思い出し、小宮刑事に「保健室の記録を調べたり、養護教諭に話を聞いて欲しい」とお願いしました。また、小宮刑事に「1年生と2年生の給食の様子をビデオで撮影して欲しい」とお願いしました。(小宮刑事に、「Bさんのご両親にも『実際に給食の時間を見てきてください。』」と伝えていただくようにお願いしましたが、お聞きになられましたか。)

 しかし、起訴されてすぐに、弁護士が検察官に開示を求めたところ、「これらの証拠は手元にないから開示できない」と回答があり、証拠を一切集めてもらえなかったことが明らかになりました。

 その後、弁護士は、教育委員会に養護教諭に会わせて欲しいと依頼をしましたが、裁判中ということで会わせてもらえず、個人情報は開示できないと回答がありました。

 私は刑事ドラマなどから、疑いを掛けられた側も、身の潔白を晴らすために証拠を集めて貰い、自由に捜査ができるだろうと思っていました。しかし、実際は違い、検察側に立証責任があるため、弁護側は証拠を集めることはできません。

7 裁判が始まるまでの対応について

 先ほども話に出てきましたが、DNA型鑑定の結果は、6月に起訴されてから半年以上、2019年12月23日まで開示してもらえませんでした。当初、検察側はDNA型の鑑定結果がある事すら隠していました。しかし、弁護士が○○ J○からDNA型を採取していたことを指摘して、DNA型の鑑定結果があることがやっと判明しました。すると検察官は、今度は「コピー機が故障していて、開示に時間が掛かっている」と弁解して、2019年12月23日にようやく開示しました。「人質司法」と呼ばれている常套手段なのですが、検察官は、長期間身柄を拘束して刑務所に閉じ込め、私が、ストレスで精神的に追い詰められ心が折れて、諦めさせるために、時間を引き延ばしていたようです。

 私は、DNA型の鑑定の証拠が2019年12月下旬に開示された際には、翌年の2020年1月には起訴が取り消され、子どもたちも法廷に呼ばれることもなく、保護者にお会いすることができるだろうと考えていました。

 しかし、検察官が「子どもたちを法廷で呼んで証言させる」という話を弁護士から聞いた時、愕然としました。警察も検察も、逮捕してしまった以上、いまさら誤認逮捕だったとは、引き下がれなかったのだと思います。

 私は、弁護士に、この時点で保護者にお会いして、DNA型鑑定のことや記憶の汚染の事実を伝えることはできないかと相談をしました。しかし、弁護士であっても裁判が終わるまでは保護者との接触は禁止され、この段階でもお会いすることが叶いませんでした。

8 証人テストと裁判でのやり取りについて

 2020年5月25日に子どもたちが法廷で証言すると弁護士から聞いた際、心配になりました。裁判の前に、検察官が「証人テスト」と呼ばれる打ち合わせを行うことがあります。私は、検察官がDNA型の証拠を12月下旬まで開示せず、起訴を取り消さない姿勢からも、どうにかして有罪にするために、証人テストで子どもにコーチングを行い、記憶を植え付けるのではないかと疑念を持ちました。

 弁護士に相談すると、「特捜部の政治案件ならともかく、流石に検察官も、子どもに性的被害の記憶を植え付けて傷つけるような卑怯で卑劣なことまではしないと思います。」と答え、弁護士の過去の経験上からも「証人テスト」は実施しないで当日を迎えるだろうと推測していました。

ただ、弁護士が念のために、

①子どもの記憶に影響を及ぼすので証人テストを実施しないで欲しい。
②実施する場合は弁護人の立ち合い、または録画録音をして欲しい。

と記載した旨の要望書を2020年2月に検察官に提出しました。

 検察官からは、何も音沙汰が無かったので、証人テストを実施しなかったと考えていたのですが、2020年5月のAさんやCさんのお母様の法廷での証言から、弁護側の申し入れを無視して、証人テストを密かに行っていたことが明らかとなりました。

 そして、各母親の証言を聞いて弁護側は証人テストの録画録音の開示を求めたところ、高橋理恵検察官と大極俊紀検察官は「録画録音は法的に義務がないので録画録音はしていない」と答えました。さらに、検察官に証人テストのやり取りについて明らかにするように求めていたのですが、一切回答はありませんでした。そして、彼らを匿うように、1か月後の2020年7月という中途半端な時期に、突如二人の検察官は、異動となり裁判の担当から外されました。

 弁護側は、事実を明らかにするために、裁判所に高橋理恵検察官の証人尋問の申請を行いましたが、後任の大山輝幸検察官は頑なに拒みました。控訴審でも同様に高橋理恵検察官の証人尋問を申請しました。理由は明らかにしていませんが、1審と控訴審の裁判所のいずれも高橋理恵検察官を証人尋問することを認めませんでした。

 結局のところ証人テストで何があったのかは明らかにはなっていません。

 ただ、弁護士も指摘していますが、「証人テスト」で何も不正をしていないのならば、例えば「子どもに当日の流れを話しただけです」と、どのようなやり取りをしたのかは正々堂々と明らかにできたでしょう。しかし、弁護士に立ち合いをさせず、録画録音の記録も残さない、保護者も同席させない、法廷でも証人テストでのやり取りを明らかにしない等、勝つためには手段を選ばないという対応は、子どもの気持ちを全く考えていないと感じました。

 さらに、緑大輔教授に、裁判での証人尋問でのやり取りを分析していただいたところ、次のような指摘がありました。

 まず、検察官の主尋問は「ラポール形成等の司法面接的な尋問に対応していなかった」と指摘しています。本来検察官は、子どもの負担を軽減するために、主尋問は司法面接的手法で聴き取りを行うべきでした。しかし、司法面接的手法に準拠した手順による主尋問をしませんでした。

 一方で弁護側については、緑教授が「公判廷での証人尋問をできるだけ司法面接に類する形で実施するよう、反対尋問においても誘導を行わないなど、様々な配慮をしていたように調書上も理解できるところです。」と分析していました。

 私も弁護士も、子どもたちの心理的負担や記憶の汚染を考え、司法面接的手法で反対尋問を実施しました(法廷でのやり取りは、裁判所からコピーした、裁判記録を父と母に渡しております)。

 また、検察官が子どもたちに誘導的な質問を行う場面が何度もありました。その度に弁護士は「誘導です」と異議を出し、検察官の誘導的な質問を止めさせていました。私は、法廷での検察官の誘導的な質問を繰り返していた点からも、証人テストで不正が行われていたと、疑念から確信に至りました。

 検察官は、司法面接の研修を受けていますので、人形や誘導的な質問を禁止されているという基本的なことは熟知しています。

 しかし、法廷では子どもに負担が少ない司法面接的手法に準拠した方法で主尋問を行わず、高木教授が指摘しているように、1年生の時に実施した司法面接では恣意的に不適切な質問形式で聴き取りを繰り返し、人形(アナトミカルドール)を出来事の説明に使用していました。

 保護者の方々は、本当のことが知りたいから被害届を出されたと思います。
ここまでの話を聞いて、事実を明らかにする対応をしていたと思われますか。
私には、勇み足で逮捕して起訴した自分たちの保身のために、無かった出来事を無理やり、遭った出来事にしているようにしか見えないのです。

 例えばですが、Cさんのお母様は、私が肌着を脱がす指導をしていたことについて、裁判でも「いやらしい目的で脱がしていたのでは」と心配されていました。警察や検察は、2019年の2月時点で、前任校のK小学校に確認をして、学年主任が○○に肌着を脱がす指導をしていたことも裏付けが取れていました。 

 取り調べでCさんのお母様が肌着のことを捜査機関に話した際には、事実が判明していたのにも関わらず、誤解を解く説明されてなかったことに疑問を感じました。保護者の気持ちを考えた際「肌着の件は前任校で指導を受けていたもので、○○先生は守っていただけですよ」と説明すれば、Cさんのお母さんも安心できたと思われます。

 私は、この3年間の捜査機関の対応を鑑みると、司法面接とは呼べない杜撰な聴取を意図的に行い、DNA型の証拠が一致すると勇み足で逮捕してしまったことを隠そうと自分たちの保身のために、事実を明らかにするのではなく、無かった出来事を無理やり、本当の出来事にしているとしか思えませんでした。

 正直、今回の事件での検察官と警察の対応は、子どもの事を全く考えていないので、腸が煮えくり返る思いです。

9 裁判所は事実を明らかにする場所ではない

 捜査機関がこの状態でも、少なくとも裁判所は双方の言い分を聞いて、公正公平に判断するだろうと信じていました。しかし、日本の裁判所は99.9%の有罪率を誇ると批判されていますが、捜査機関と同様に、公正公平に事実を探求する場ではありませんでした。裁判所の実態については、具体例とともに、父と母に資料を託してあります。また、裁判所の実態を知るには、「それでもボクはやっていない」という映画が、忠実に再現されていますので是非ご覧ください。

 また、具体的な事例については、父と母に託しましたので、ご確認ください。ここまでの説明を聞いた上で、疑問点がございましたら、父と母に質問してください。

10 私からの質問について

 Bさんのご両親に、I校長と教育委員会の担当者は、<担任である私>から話を聞くとお約束をされ、その後、私から聞き取り調査をした結果をご説明されたことになっています。

 私は、被告人質問で証言しましたが(K教頭先生も裁判で証言)、教育委員会やI校長から、児童名、時間帯、状況などを含めて一切の情報は教えてもらえませんでした。逮捕されて初めて、「児童名」、「体を痒いという話」、「給食の時間」などの情報を知りました。教育委員会からの聴き取りでも、漠然と「子どもにわいせつ行為をした覚えはないか」の質問のみでした。

 児童名を出さずとも、「子どもに、体を痒いと言われた時はどのような対応をしてきた?児童名と状況を具体的に教えてくれる?」、「給食の時間に体を痒いと話してきた児童を対応した覚えはない?どのような対応をした?」などの聴き取りがあれば、早期に解決できたと思うと悔しいです。

 さて、教育委員会とI校長は、聞き取り調査の結果「○○は否認している」という抽象的な説明の他に、「教育委員会は○○に具体的にどのような聴取をしたのか」、「Bさんの話に対して具体的にどのような言い分を述べている」と説明されたのでしょうか。Bさんのご両親に○○から話を聞くと約束されて、私には何も聞かずに一体どのように回答をしたのか、私はずっとこのことが気になっています。父と母に教えてください。

11 最後に

 まず、お願いがあります。Bさんの話を聞いて真っ先に疑問に感じたのは、給食の時間です。1年生の教室に行って(夏休み前までなら2年生の方が様子は近いです)、給食の時間の様子を1週間参観していただければ(可能ならば給食の時間だけ、先生をさせてもらう)、子どもから目が離せなく、犯行をすること自体が不可能な状況がわかるかと思います。是非、給食の時間を体験していただけないでしょうか。
また、お母様が裁判で「娘から大きなテーブルがあったと聞いた」とご証言されていましたが、保健室にあるものだと思います。保健室に行って大きなテーブルがあるかを確認して貰えないでしょうか。(倉庫にテーブルはありません)

 今回、3年間無実を訴えてきたのは、自分の教え子が、わいせつ被害に遭っていないにも関わらず、これが事実とされてしまい、子どもたちに消えない心の傷が残って欲しくないと思い続けたからです。

 私は、「休み時間にいっぱい遊んだな」と1年生の時の楽しかった思い出や、Bさんが裁判で「先生は優しかった」と証言していたように、子どもたちの心の中に温かい気持ちが残って欲しいと思います。そして、Bさんのお父様にもお母様にも辛い気持ちを持ち続けて欲しくありません。

 また、体験したことがない性被害の「偽りの記憶」が、「本当の記憶」として定着してしまい、思春期を迎えた際に、男性恐怖症、PTSD、不登校などを発症してしまわないか心配しています。どうか、子どもたちに、一日でも早く「被害に遭っていない」という事実をお伝えして、安心させてあげてください。

 繰り返しますが、私は子どもたちにわいせつ行為をしておりません。

草々

令和4年5月17日
○○ J○


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