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検察の理念と実際

 日本の刑事裁判における有罪率は99.9%。何故このような高い数字がでるのでしょうか? それは、国家権力である検察官が起訴を決めた内容は正しいはずであると誰もが疑わないからです。ですが、本当にそうなのでしょうか? 我々はそこに隠されているかもしれない本当の事実を見逃してはならないのです。どうか皆さん、目で見て、耳で聞いて、考え、自分の答えを探してください。起こった事実はたった1つです。

99.9 -刑事専門弁護士 Season 1
最終話 深山弁護士の最終弁論より

この規程は,検察の職員が,いかなる状況においても,目指すべき方向を見失うことなく,使命感を持って職務に当たるとともに,検察の活動全般が適正に行われ,国民の信頼という基盤に支えられ続けることができるよう,検察の精神及び基本姿勢を示すものである。

 検察は,公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ,事案の真相を明らかにし,刑罰法令を適切かつ迅速に適用実現するため,重大な役割を担っている。我々は,その重責を深く自覚し,常に公正誠実に,熱意を持って職務に取り組まなければならない。

 刑罰権の適正な行使を実現するためには,事案の真相解明が不可欠であるが,これには様々な困難が伴う。その困難に直面して,安易に妥協したり屈したりすることのないよう,あくまで事案を希求し,知力を尽くして真相解明に当たらなければならい。

 あたかも常に有罪そのものを目的とし,より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない。われわれが目指すのは,事案の真相に見合った,国民の良識にかなう,相応の処分,相応の科刑の実現である。

 そのような処分,科刑を実現するためには,各々の判断が歪むことのないよう,公正な立場を堅持すべきである。権限の行使に際し,いかなる誘引や圧力にも左右されないよう,どのような時にも,厳正公平,不偏不党を旨とすべきものである。また,自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず,時としてこれが傷つくことをもおそれない胆力が必要である。

 同時に,権限行使の在り方が,独善に陥ることなく,真に国民の利益にかなうものとなっているかを常に内省しつつ行動する,謙虚な姿勢を保つべきである。

 検察に求められる役割を果たし続けるには,過去の成果や蓄積のみに依拠して満足していてはならない。より強い検察活動の基盤を作り,より優れた刑事司法を実現することを目指して,不断の工夫を重ねるとともに,刑事司法の外,広く社会に目を向け,優れた知見を探求し,様々な分野の新しい成果を積極的に吸収する姿勢が求められる。

 これらの姿勢を保ち,使命感を持って各々の職務に取り組むことを誇りとし,刑事司法の一翼を担う者として国民の負託に応えていく。

1 国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を自覚し,法令を遵守し,厳正公平,不偏不党を旨として,公正誠実に職務を行う。

2 基本的人権を尊重し,刑事手続の適正を確保するとともに,刑事手続における裁判官及び弁護人の担う役割を十分理解しつつ,自らの職責を果たす。

3 無実の者を罰し,あるいは,真犯人を逃して処罰を免れされることにならないよう,知力を尽くして,事案の真相解明に取り組む。

4 被疑者・被告人等の主張に耳を傾け,積極・消極を問わず十分な証拠の収集・把握に努め,冷静かつ多角的にその評価を行う。

5 取調べにおいては,供述の任意性の確保その他必要な配慮をして,真実の供述が得られるよう努める。

6 犯罪被害者等の声に耳を傾け,その正当な権利利益を尊重する。

7 関係者の名誉を不当に害し,あるいは,捜査・公判の遂行に支障を及ぼすことのないよう,証拠・情報を適正に管理するとともに,秘密を厳格に保持する。

8 警察その他の捜査機関のほか,矯正,保護その他の関係機関とも連携し,犯罪の防止や罪を犯した者の更正等の刑事政策の目的に寄与する。

9 法律的な知識,技能の習得とその一層の向上に努めるとともに,多様な事象とその変化にも対応し得る幅広い知識や教養を身につけるよう研鑽を積む。

10 常に内省しつつ経験から学び行動するとともに,自由闊達な議論と相互支援を可能とする活力ある組織風土を構築する。

https://ja.wikisource.org/wiki/検察の理念


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