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街歩きがもっと楽しくなるかも?ざっくりスコットランド史 〜メアリー編〜

エディンバラ在住1年目、ぐーちゃんです。
住み始めてからお世話になる土地のことを
ちょっと勉強したりしました。

ワークショップに参加しておしゃべりしてくれた方々、
博物館や美術館の解説文、歴史書籍などのお話を
かなりざっくりまとめてみました。

間違ったことをお伝えしないように注意を払っていますが、
脚色や主観、ちょっと雑な言い回しが含まれています。
予めご了承ください。

歴史に思いを馳せながら観光すると
より一層楽しい!というのが個人的な信条なので
エディンバラやスコットランドの観光を
楽しんでいただけたら嬉しいです。


本日の主役:メアリー

メアリ・スチュアートさんです。

出典:National Portrait Gallery
https://www.npg.org.uk/collections/search/portrait/mw04273/Mary-Queen-of-Scots

エディンバラの博物館やお城などでは結構推されてる歴史上の人物。

1542年生まれ。
日本で言うと種子島に鉄砲が伝来した前年です。

お父さんがスコットランド王だったのですが、
生まれて間も無く亡くなってしまうので
生後6日で王位継承
すでにハードモードな予感がします。


高校は世界史を選択していたのですが、
いまいち影薄いというか…正直あんまり覚えてませんでした。
多分その理由は…
エリザベス1世という有名すぎる親戚が同時期にいたから。
エリザベスの方が9歳年上です。


いろいろ読んだりした個人的な感想ですが
「メアリーの頃は良かった」みたいな感じで
スコットランドのナショナリズムの象徴っぽく
なってるのかも、という気がします。
あとちょっと男運悪いなって思う…

息子のジェームズからイングランドと同君連合になります。
スコットランドのイングランドに対する感情は
なかなかに複雑なものがあるみたいです。


当時のスコットランドを取り巻く環境

歴史的にスコットランドはお隣のイングランドとずっと仲が悪く、
とにかく邪魔でした。(この辺の経緯はまたいつか書きたいです。)

ご近所トラブルが絶えないけれど、
お隣だから何かとお付き合いもしなきゃいけなくて、
やっぱり姻戚関係にあります。

そして敵の敵はやっぱり味方で、
イングランドが大嫌いなフランスとスコットランドは仲良しです。
古き同盟、なんて言ったりするそうで
スコットランドはフランスからワインを輸入していたりして、
自分のところでブドウは育たない割にワインを飲むらしい。



メアリーが生まれる25年前にルターに端を発する
宗教改革も盛り上がっていた時代です。

大嫌いなお隣のイングランドではヘンリー8世が
離婚問題を理由にカトリック教会から破門されます。(1538年)

それまでのイングランド、スコットランドはみんなカトリック。
ローマを中心とした教会が唯一の真理、みたいな世の中だったのが
大きく変わろうとしていた時代です。

メアリーの生涯

ざっくりまとめていきます。

お母ちゃんが強い

お母ちゃんはフランス出身です。
生後間も無く女王になった娘を支えます。

フランスはやっぱりイングランドが嫌い
大事な娘をイングランドになんて持って行かれてたまるか。
ヘンリー8世(勝手に以下暴れん坊将軍とお呼びします)は
息子の嫁にメアリーを、と画策したそうです。

絶対にあんな暴れん坊将軍に渡したくない!!!
私の実家があるフランスに身を隠します!

異国から嫁いできて、夫に先立たれ、
お隣には暴れん坊将軍がいて、
お母ちゃん頑張りはったなぁ、と個人的に思います。

ということでメアリーは6歳でフランス宮廷に避難。
フランス王太子と16歳で結婚、翌年にはフランス王妃!
めでたし、めでたし〜
なんて行かないのよ。

夫が早く亡くなる&実家の変化に戸惑う

即位した翌年にまさかの夫死去
持病があったみたいですね。
若くして未亡人です。

後継がいなかったのでメアリーは実家に帰ることになります。
小さい頃に離れた祖国に戻ると
なんかめっちゃプロテスタント増えてる。

メアリーはカトリックでした。
嫁ぎ先もお母ちゃんも宗教改革に負けない
フランスのごりごりカトリック。

クリスチャンではない私には想像しかできないのですが
この違いって結構大きいみたいで、
うちは浄土真宗です〜、うちは真言宗です〜、
みたいな違いじゃ済まないらしい。


メアリーはこの時まだ18歳。
まだまだお世継ぎを期待されます。
王位継承のために戦争が起こってしまうので
安定した王位継承は平和につながります。
ということでお婿さん探しスタート。


反対されるほど燃える?再婚①

かなりの数がプロテスタントに改宗していることに
メアリーはびっくり。
明らかに時代はプロテスタントっぽいです。

メアリーはカトリックをやめなかったので
家臣的にはプロテスタントと結婚してもらって
バランスをとって欲しかったらしい。

でも反対を押し切って従兄弟との結婚を決めます。
この従兄弟もカトリック。

そして実はこの結婚にめちゃくちゃ反対したのがお隣さん
放っておいてはくれない距離感みたいです。


エリザベスのコンプレックス爆発

メアリーが5歳の頃にお隣イングランドでは
お隣のイングランドでは暴れん坊将軍が亡くなっていました。
後継のエドワードも20歳を迎える前に亡くなります。
(暴れん坊将軍がメアリーを嫁にしようとしてた息子です)

ブラッディメアリーと呼ばれる別のメアリーが即位して、
(ヨーロッパ史って本当に名前がややこしい)
その後を継いだのがあの有名なエリザベス1世です。

エリザベス1世といえばかの有名なイギリスの女王、という感じがしますが
実は当時はそんなことはなくて、
将軍の血筋と言えども愛人の娘は認めん!という風潮だったそう。

元々カトリックで、離婚したいからカトリックやめます宣言したけど
まだまだローマ教皇の影響は強くて、諸外国の王族もカトリックだったりすると
エリザベスの立場は
国際的にイングランドの王って認めてもらうにはちょっと弱かったらしい。

正当な後継者がいない、となると血筋を遡って
親戚の中から次の後継者を探すんですが、
その時に一番良さげだったのが
幸か不幸かメアリーなんです。

暴れん坊将軍まではローマ教皇からもちゃんと認められたイングランド王でした。
メアリーは暴れん坊将軍のお姉ちゃんの孫。
先ほどの再婚相手は従兄弟なんですが、
この暴れん坊将軍のお姉ちゃんがどっちもおばあちゃんなんです。

メアリーはただでさえ真っ当なイングランド王位継承権があるのに
再婚相手の家柄も王位継承権的に強いとか困る!!
その子供とか絶対王位狙ってくるじゃん!

ということでエリザベスぶちギレ。
ご近所トラブル勃発です。相変わらず仲が悪い。

なんとか王子出産

周囲の反対を押し切って再婚したのに…
すぐにメアリー冷めちゃったらしい。

そんな時イタリアンな家臣と仲良くなってしまいます。
夫的にはもちろん面白くありません。

この夫も夫で、妊娠中の妻の前で
部下に命じてイタリアンな家臣を殺させます。
現場はホリールード宮殿。
オーディオガイドでも解説されてるのでぜひ聞いてください。

メアリーショックですよ。
流産しかけます。

なんとか王子が生まれてジェームズと名付けられます。

男運が無いのか…再婚②

先ほどの蛙化な夫、翌年に殺害されているのが発見されます
まったく物騒な時代です。

そして容疑者が現れる…
のですがまさかのメアリー、この容疑者と再婚します
犯人だという確証は無かったみたいですが…

この再婚に対しても反対する方々がたくさんいらっしゃいました。
めちゃくちゃ反対されてついに廃位されます

やめておけば良かったのに…
ちなみにこのあたり怒涛のイベントです。
再婚①が1565年で、廃位が1567年です。
燃え上がって、冷めて、からの次に行くの早すぎない?


愛されてる歴史上人物なのに…な最後

お母ちゃん譲りの気の強さなのか
メアリーも反乱を起こします。

でも結局うまく行かず、
あれだけ嫌いだったイングランドに亡命。
再婚①にぶちギレしたエリザベスを頼ります

イングランドでのんびりな余生を送らせてもらっていたらしいのですが
エリザベスのコンプレックスを蒸し返して
エリザベスを廃位しよう、という陰謀に加わったとか…

結局裁判で有罪になり、エリザベスの署名で死刑が執行されます。
でもエリザベスもずっと孤独だったのか
(私の高校の世界史の先生の解釈です)、
やっぱり身内を処刑するのは忍びなかったのか、
最後まですごく渋ったそうです。



おまけ

スコットランド土産と言えば、ショートブレッド!

この罪深いお菓子を考案したのはメアリーだそうです。
ちょっとしょっぱい感じが止まらないんですが
バターと砂糖の塊です。
食べ過ぎ注意です

私がスコットランドで太ったのは絶対ショートブレッドのせい。




かなりざっくりですが、ちょっと歴史を知りながら街歩きしたら
きっともっと楽しい!
楽しんでいただけたら嬉しいです!

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