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身勝手な言い分のブルース

好きだったインディーズバンドのCDを、1枚しか持っていないそのCDを、ずっと聴いている。
いろいろ聴いても、根本はこういうのが好きだ、それを思い出させてくれるCD。  

今まだ活動してるのかな。
ライブにも行きたいな。
今日ふとそう思った。  

最近、心に余裕が出来たせいか、冬が終わりを迎えるせいか、日々に追われてだんだんふと思うことがなくなっててきたことを、今日思った。  

そのインディーズバンドは地方のバンドで、ツアーで来た時にたまたま、当時やっていた自分のバンドと対バンになって、ライブに目を奪われたバンドだった。
打ち上げで、また一緒にやろうと熱い話もして、それっきりだった。
連絡することだって出来たけど、わたしにはあまりにも憧れが強すぎて、恐れ多かった。  

数年前にメンバーが変わって、活動はあまりしていない話はなんとなく聞いていたから
じゃあ別のバンドでも良い、あの感じのライブが観られて、あの感じの曲が聴けたなら。
今のわたしに多分、必要な気がする。
そう思って検索してみたら、今は音楽とは違うことをしているようだった。
なんで?
なにしてるの?
あんなにかっこいい音楽作れる人なのに。
と。
思ってしまった。
分かっている。
誠に勝手な言い分であると。  

そうよ、外野はどうとでも言えるのよ。
やりたくてもやれないこともある。
好きだけじゃ食っていけないし、人それぞれに事情があるし、優先順位もあるし、何かを犠牲にすることに疲れたりする。  

それでも聴くだけ、観るだけの音楽だけじゃ飽き足らない。
自らが音楽を奏でたい気持ちを捨てきれない。
燃えカスみたいなそれが
心のすみっこの奥歯と奥歯の間に
まだあるわたしが
唇をとんがらせてわたしに言いました。
自分だってそうやって音楽から離れたくせに。
他人にばっかり、夢をみるなよ。  

ごもっともです。

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