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文章を漂わせる場所

他人のことはすぐ勝手にカテゴリ分けして、この人は大体こういう人だなと安心したり切り離したりするくせに、自分のことは何年生きてみても納得のいくカテゴリ分けが出来ない。
それでもなんとなく分かることの1つに、『思った事を直ぐに言葉にして伝えるのが苦手』というのがある。
どうでもいいことを受け流すのは簡単だけど、大事なことをはぐらかすのは難しい。1対1の打ち合いのスポーツのように、速いレスポンスを求められる口論なんかが特に良くない。

その割におしゃべりは好きな方だとは思う。
自分の気持ちは出来るだけ曇らせずに伝えたいし、感情の表現はあまり隠さないし隠せない。
物心ついた時から日記を書くのが好きで、それは途中からブログになり、mixi、Facebook、Twitter、Instagramとまあまあひと通り手をつけてはみたものの、しっくりきたのはブログやmixiだった。自分のなにかを外側に発信できるツールを使って、どこかに文章を吐き出したい気持ちはいつもあった。それがわたしの場合は短文の呟きでは事足りなくなることが多い。

読書感想文なんかも苦手だった。本を読むのは好きだったけれど、本を書く人になろうと思ったことは一度もない。
だから曲作りをしても歌詞に自分の気持ちを乗せたりできなかった。誰かの歌詞に救われたことは数え切れないほどある。音楽にその力があることも知っているつもり。でも、わたしが作る音楽は、自分の思いや考えを伝えるのには向いていなかったらしい。
気恥ずかしさもきっとあった。わたしなんぞのお気持ちをわざわざ歌にしたんでどうか聴いてくださいだなんて、そんなこと、わたしには無理よ。そんなに伝えたい強い想いも無いのよ。
特定の誰かに伝えたいなら、歌になんかせず電話すればいいのよ。

特定の誰かに伝えたい訳じゃないけれど、言葉にして自分の整理をしたい時に、ここに文章を漂わせておく。そういう場所にします。

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