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【行ってきた】日本人製作家ヴィオラ展

2023年1月21日・22日に国立音楽院で行われた、日本人製作家ヴィオラ展に行ってきたので、気になった楽器について簡単なレビューを書いておく。本当に簡単なレビューなので期待しないでほしい。また、スマホ性能的に写真のクオリティが低いことをご了承いただきたい。

去年、一昨年と弦楽器フェアが中止になり、こういうイベントを待っていた。また、ヴァイオリン購入を検討しているタイミングで色々な楽器を見れたのは嬉しい。今年も弦楽器フェアがどうなるか分からないが、是非続けてもらいたい。

ヴィオラ


もっとも印象的なヴィオラは2台

村川さん製作 ターティス風?
平塚さん製作 ターティス風?

村川さん平塚さんのターティス風ヴィオラが良い音をしていた。2台ともよく似た音で、音の違いは弦の違いも反映されているように感じた。上手く分けて説明できないので一緒に比較しながら紹介してしまおう。

2台を比較すると、村川さんの方はガリガリと野性的、平塚さんの方は柔らかく豊かな音色という印象だろうか。低弦から高弦までバランス良く澄んだ音が出る。C線のクリアさでは村川さんの楽器の方が良かったと思うが、そこは好みの問題だろう。どちらも大きい楽器に特有の「ボー」っという鳴り方をせず、層状の倍音が見えるような?本当に良い音という印象だ。パワーは十分。弱奏から強奏まで楽器は柔軟に応えてくれるし、和音も取りやすく、ヴィブラートにも良く反応した。

一方で、ボディの大きさ・重さも十分に感じられた。私が普段弾いている432mmの楽器に比べれば小さくて弾きやすいが、弾きこなすには経験とそれなりの体格が必要と感じた。村川さんの楽器は大きさの割に軽めという印象があったが、駒が特別に幅広で、弦間も開いているように見えた。弦長は測定していないが、それなりに長いことが予測される。この2台が飛びぬけて良い音だったが、ターティスっぽい音という色眼鏡で音色を評価してしまうのも事実。クリアーな音色は私の好みだが、これがヴィオラの完成形とも思わない。そこはヴィオラの難しい所であり、面白いところだ。

村川さん製作 特徴的なスクロール
ブレシャ派?

他に気になった楽器は木村さんの406mmガスパロモデル。隣の412mmよりも低音が鳴るのが面白かった。比較する412mmの方は極端なハイアーチで、音量は控えめだが中音域の音色が個性的だった。406mmにはワ―チャル・アンバーが張られていたが、普通にエヴァとラーセンで弾いてみたいと思った(知らんけど)。

木村さん製作 406mm
ワ―チャル・アンバーが張られている

もう一つ、篠崎さんの楽器も良い音がした。楽器の大きさは分からないが、持った感じと音が大きいヴィオラっぽかった。

篠崎さん製作

あれ、もしかして私が大きいヴィオラ好きってだけ・・・?

ヴァイオリン

気に入ったのは百瀬さんの楽器

百瀬さん製作

私はヴィオリストなのでヴァイオリンの感想については話半分に聞いてもらいたいが、この楽器は中低音の音色が抜群に良かった。しっとりした音色というのだろうか?音量も十分で、色気のある楽器という印象。弾いていて自分が上手くなったような錯覚を持ってしまった。

他にも高橋さん下川さん河村さんの楽器が良かったと感じた。適当な感想になって申し訳ない。
ヴァイオリンの音色はヴィオラよりも評価しにくい。他の人が試奏して音色を褒めているのを見ても、いまいちピンと来なかったりする。音量についても、ヴァイオリンはともすれば「うるさく」なってしまい評価が難しい。ヴァイオリンの試奏はコンパクトな部屋で行われ、壁を背にして試奏すると音量が増したようにも感じた。弾く場所によっても評価が変わってしまうだろうか。分からん。沼である。

まとめ

私は長年ヴァイオリンとヴィオラを弾いてきたが、展示会のたびに新しい楽器の発見があり、新しい自分の感覚を発見できる。今回はターティス風のヴィオラがとても魅力的だった。ヴァイオリンについては正直手ごたえがないというかよく分からなかったが、これから色々な楽器を弾いて感性を養っていこうと思った。良い音の定義は人の好みによるだろうが、それは聴くだけでなく色々な楽器を試奏して涵養される感覚だと思う。楽器を購入する人は、このような展示会に足を運び色々と弾いてみるべきである。楽器を弾ける人と一緒に行くとなお良いだろう。


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