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ライブに行きます。懐かしさと居場所を求めて。

自分は大学のときに何者(物)にも代えがたい素晴らしい人々との出逢いがあった。ある喫茶店での午後のひとときは自分に多くのことを教えてくれた。

常連さん。マスター。すーさんとの楽しい毎日は大学のそれよりも学ぶことが多々あった。勿論大学の研究に怠りはなかったが。

音楽、コーヒー、お菓子大人味

時世について語り合い、多くを憂い、意見を交わしあったものだ。自分にとってかけがえのない大切な瞬間は雨の滴のように毎日僕の頭に降り注いだ。言葉を交わす度に「初めて」の刺激があった。

大学を卒業し、故郷に帰ってからも彼らとの記憶は僕の根っこに生き続けた。そう、私をなす構成要素として彼らとの毎日は心で毎日水をやって育てていたのである。

私が私であるために。

震災があり、たくさんの困難があった。多くの別れがあり、別離や絶縁があった。勿論永遠の別れも。

震災から7年が経ち、私は一人になった。

ふと、懐かしさが心に吹き込んで、足が関東に向いていた。

喫茶店での4年間、その喫茶店はもうない。常連客の一人がお菓子屋をオープンした。数年連絡を取っていなかったが、僕は突然その店に現れた。驚きと共に喜びが店内をいっぱいにした。

「みんな死にました。」

僕の第一声だった。
僕は一人になり、繋がりを求めて記憶の糸を辿ってきたのである。故郷に繋がりはなくなった。今あるのは大学の4年間の喫茶店での時間だけだった。懐かしさに涙した。

彼らはお菓子を作り、音楽をまだ続けている。僕は喜んだ。自分もあのときのまま、知的好奇心を持ち続けていたい。
そう強く願った。

ミノジンスカ.ピカリノフ

彼らの音楽は大好きだ。それは自分の思い出であり、自分自身だから。

1/12(土) 埼玉県の上福岡(東武東上線上福岡駅)
音喫茶一乗 18:00オープン19:00スタート
2000円+1オーダー

久しぶりに福島を出る。暫し懐かしい会話と音楽に浸りたい。もし、彼らの音楽に興味があったら、是非来てほしい。また、ファルシパルがどんな人か知りたいなら、自分はここにいる。気軽に声をかけてほしい。

別の記事に彼らの動画を載せます。
ミノジンスカ.ピカリノフ

ファルシパルと共に、音の渦巻きの中へ。

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》