戦略的モラトリアム【大学生活編】⑬
freshman としての後期試験。元旦の余韻が残る一月中旬、センター試験の会場となった大学が、雪混じりの雨に打たれながら、所々の明かりがもの悲しさを際立たせている。大学入試とは違った寡黙な人の群れが各教室に吸い込まれていく。魚が前にならうように一つの群れとなって。
大学院生が日銭を稼ぐためにアルバイトをしているのだろうか。試験監督はほとんど院生。
「筆記用具以外をしまってください。この試験は・・・・・・」
講義名が無機質な声で読み上げられ、問題用紙と解答用紙が配られて