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牛メイクのモデルだけだと思ってたのに①

 友達の誘いで牛の特殊メイクをした女性の話。

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※挿絵はDALL·Eを用いています。


 友達のイチカは、素人ながら特殊メイクにハマっている。
 趣味が高じて、アトリエ用にガレージのある家を買ってしまった程だ。

 お金があるなら、きちんとした人に師事すればいいのにと思っているのだが、彼女の性格的にそれはないのだろう。
 実際、彼女が私以外と仲良くしているようには思えない。
 マジな話、実家が太くなかったら碌でもない生活と人生を送っていただろう。
 世の中上手く出来ているなと思った。

 彼女は社会性が皆無という事を除けば頭はキレるし物覚えも早い、そして超絶器用だ。
 道が違えばとんでもない犯罪者になってたかも知れない。

 彼女との出会いはエスカレーター式の私立中学に入った時だ。
 やべぇオーラ放ってる、見てくれだけは良さそうな女がいるなぁ……なんて思ってた。
 実のところ、首席で入学したそうなのだけど、入学式の挨拶が出来ないってんで、モメにモメて、それがあって同級生は愚か中等部全学年で腫れ物に触るような雰囲気になってたのだ。

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