これからSNSとどう付き合って行くかみたいな話

 Twitterが終わる終わらないは兎も角として、Twitterの失敗について考えるのは無駄な事ではないだろう。

 一言で言えば、何でもかんでも詰め込みすぎたということだろう。
 人間、合うタイプ、合わないタイプが沢山ある。それを一所に集めて上手く行くのは相当に難しい。曲がりなりにも難しいことをやってきたのがTwitterだと言える。
 それがTwitterの歪みであり、同時にTwitterの強みでもあった。

 Twitterの問題点としては、様々な人が参入して各々でエコシステムが出来てから、「こういう人はちょっと……」と言うことをやり出したことにある。
 例えばThreadsなんかは最初から「ここはオタク向けじゃないです」と言う匂いをプンプンに出して、その上、容易にオタクのアカウント停止している。(便宜的にざっくりした言い方だ。正確に言うならナチュラルにフィクションのR18コンテンツに近い人ぐらいの意味である)
 いの一番にアカウントがダメと言われるのと、一年二年経ってケチが付くのでは事情が違う。
 そう言う意味で、Twitterはかなり不利な立場にあると言っていい。

 逆に今、同様なサービスを始めるならば、ユーザー層は最初から選べと言う事になる。それに失敗するととんでもないことになる。間違いなく。


 それを前提として、今後SNSとどう付き合うかと言う話だが、第一に言うべきは、自分に合ったSNSを見つけるということだ。
 それがThreadsなのかMastodonなのかMisskeyなのかは人によって違う。
 しかし一つだけ気をつけて欲しいのは、それを選ぶのを積極的な理由で選んで欲しいと言うことだ。
 消去法であそこもダメ、ここもダメと言った先にあるのは、単純に情報不足で選んでいるだけの事がある。
 Weiboなんかは最たるものだろう。Weiboは中国共産党の支配下にあり、極論そこでの発言が何らかの不利な影響を及ぼしても、誰も守ってくれないだろう。その制裁が単純にアカウント停止程度で済むと思うならそれでもいいが。

 それは極論にしても、気に入らない部分を探す癖は人生にとってあんまり楽しい結果をもたらさない。
 消極的理由で初めても、徐々に気に入らないところが目に付き、それが我慢できなくなって、かと言って止める事も出来なくなると、みっともない発狂を人々に見せる事になる。

 MastodonやMisskeyなんかは特に、個人でサーバーを立てているところが多いので、参加者の寄付に頼るところもある。
 自分の居場所のために身銭を切れるかと言う部分では、Twitter以上にシビアである。しかしそれ故に、サーバーの雰囲気は参加者が決めていく部分がある。
 よく「もう少し待ってて、人気があるところに行けばいいや」と言うのは、サーバの維持や雰囲気作り、人気作りに貢献した管理者とユーザーに対するタダ乗り行為である。
 今後、個人的なサーバーである程に、新規ユーザーは厳しい目で見られる可能性がある。

 コミュニティとは、それがネットであれ現実であれ、本気で参加してくれる人にこそ恩恵をもたらそうとするだろう。
 様子見だけで後から参入して、その上何らかの発言権を持とうとする人間は一般的に好まれない。
 SNSがごちゃ混ぜではなく、一定の趣味や一定の価値観で縛られるようになると、そう言う傾向は強くなる。
 予言として言うが、それでコミュニティを追い出されたと言って大騒ぎする人がちょこちょこ現れるだろう。
 しかし、TwitterのようなSNSがない時、そう言う人は取り敢えず登録出来るSNSでそう言う発言をして行く事になる。そして、そこも追い出されるという結果になるだろう。

 SNSが自分に何かを与えてくれるという時代は終わったと言える。
 自分から探し求めて、そして身銭を切った先に幸福な人間関係と豊かなコンテンツが手に入る。
 Twitterが終わらないにせよ、Twitterもそう言う方向に舵を切っていく。
 そして、SNSでも上手く行かない人間が、現実で上手く行くはずがないなどと言われる時期も来るだろう。
 その為にはやはり、管理者や既存のユーザーのことを考える事、そしてそれが無理なら静かに去って別を探すというだけである。
 本質的に孤独で、しかし孤独に耐えられない人には、それを虚構で誤魔化す事が出来なくなるまである。
 それが良いか悪いかは兎も角。

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