チビマスコット③(終)

 行き場のなくなった低身長の女性がショタなマスコットキャラで活躍する話。

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 ドリス人気も出てきた。
 掛け合いが面白いとか、コントを見てるようだとか。
 声からドリスの中の人を察する人はいたが、そんなつまらない事を指摘して、何かに勝ったつもりになるような人間は、実際誰も相手にしない。

 リロイが訴訟まみれになった行を知っていれば、迂闊な物言いは出来ないだろう――と言う事はなく、結城さんが芸能界を去る一件についてあることないこと言い出す人間が出てきた。それだから、当然のことながら"おしおき"をすることになったのだけど。

 そう言うゴミみたいな人間の動向を無視すれば、概ね幸福な状況だ。
 キャラ人気が高まっていると言うのもあるし、そもそも仕事が楽しい。
 お客さんを散々いじった挙げ句に、"お礼"のダンスを見せたり、商店街で呼び込みをしたり、市のイベントに出掛けていったり。
 どうしても遠方に行かなきゃいけないなんて時は片方がお留守番。
 忙しい。忙しいのだけど、それを忘れさせる楽しさだ。

 ドリスにしてもリロイにしても、一人の生きた人物として扱ってくれる。
 それが嬉しい。
 大人ぶって、得意気になって、中身がどうのと言うような人間は、本質的に大人ではない人間だ。それは経験的に分かる。
 その場を楽しんでいる人が大勢いて、それが道徳的にも社会正義にも何も悖るところがなければ、それを冷笑すべきではない。
 そうしたところでそうしている人達よりも、高い趣味があると言う証明にはならないのだ。

 ある時、楽屋に戻るとドリスは「どう? 私に甘えてみない?」と尋ねてきた。
 脱ぎかけた頭を戻して抱きつきに行く。
「ガキだからってナメないでよ? 僕はコレでも男だよ?」
「望むところよ?」

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