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【着ぐるみ小説】ロボットコンパニオン①

 ロボット着ぐるみを来て仕事をする女性のお話。

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 私は父とは血が繋がっていない。

 細かい話をすると長くなるが、私の父のかつての芸人仲間の夫婦がいた。
 私の実の母親は、私を産んだときに亡くなってしまい、そして私が物心つく頃に、私の実の父は病気であっけなく死んでしまったらしい。

 そして、そんな私を預けたのが私の父と言う訳だ。
 父は私に大道芸を仕込んでいた。
 教えられることはこんなことぐらいしかないと。
 ジャグリングやシガーボックス、ディアボロから始まり、ローラーバランス、パントマイム、スタチュー、タップダンス、バルーンなどその芸の幅は広かった。

 ただ、不満としては父が一ヶ所に居着くのを嫌うタイプの人間だったので、全国各地を連れ回された。
 当然、学校の勉強は飛び飛びになる。
 生活が苦しいということはなかったが、芸が中心の生活だから贅沢らしいことはした覚えがない。
 日々が旅であり、旅が日常だった。

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