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【着ぐるみ小説】ロボットコンパニオン⑥(終)

 ロボット着ぐるみを来て仕事をする女性のお話。

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 勿論オーディションでそんな話なんか出来ない。

 とは言え、世間で言われるような暴力的な人間には思えないし、むしろそこいらの若者――勿論私より年上だけど――よりもずっと爽やかな少年としか思えない物腰なのだ。

 体操選手だけあって、バク転バク中なんてお手の物だ。
 曰く「競技にはもう未練はありません」と言う。
 と言うか、ド平日のこんな時にしれっと来ているのを聞くと、「実は今、家がないんですよね」と言うのだった。

 彼が言うには、事件の結果、親からは勘当されるし、当然学校は退学になったのだ。
 酷い話だと思うけれど、本人は「逮捕されなくて済んで良かった」とポジティブに言っている。

 体操の技術に関しては、杏里さんが一家言ある訳で、彼女が「この子に決めましょう」と言い出した辺りで、殆どオーディションの方向性が決まった。

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