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【シャルケ】後半戦に向けて

1年での1部返り咲きを果たしたシャルケでしたが前半戦を終えて2勝3分12敗、勝ち点9で順位は18位。残留ラインの15位までは勝ち点差7と、ここまでは戦前の予想通り厳しい戦いを強いられています。

17節終了時の順位表

前半戦を振り返って

勝てない要因の一つに守備が挙げられます。17試合で41失点はリーグワースト。
昨シーズン加入してすぐにシャルカーの心を掴み昇格の原動力となった板倉滉は、ファンもフロントも共に1部で戦うことを熱望しましたが、シャルケにとっては高額の500万ユーロという移籍金がネックとなり買い取りオプションの行使を断念。さらに経済的に苦しいクラブは下部組織出身でU-21ドイツ代表のCBティアウを700万ユーロでACミランに売却。守備の中心人物2人を失うことになりました。(結果としてこれがかなり痛かったように思います。)

クラブは代役としてサンプドリアから吉田麻也、リヴァプールからレンタルでセップ・ファン・デン・ベルフを獲得しました。しかしセップは加入4試合目で左足首の靱帯損傷で長期離脱。半分近くの試合を34歳となり衰えを隠せなくなってきた吉田と昨シーズンは控えに回ることが多く右SBが主戦場だったマトリチャーニの2CBで戦わざるを得ませんでした。
吉田とマトリチャーニはブンデスのアジリティに付いていけず、ラインを揃える、裏のスペースをカバーするといった連携面でもミスが多発して失点を重ねました。もちろんこの2人だけの責任ではなく、チーム全体としても中盤が間延びしてバイタルエリアがガラガラに、相手のサイドチェンジにスライドが追い付かず逆サイドに広大なスペースが生まれるなどのシーンが多く見られました。

そして怪我人の多さ
CBにはカミンスキ、グライムル、シセと駒は揃っているのですが全員怪我!毎年恒例の野戦病院っぷり。どうしてこうなるのでしょうか…?

吉田以外全滅のCB陣。
現地のシャルカーにLast Samuraiと言われていて笑いました。

サラザール、アウエヤン、ブルンナーなどの主力選手も怪我で離脱があり、選手層の薄いシャルケにとって毎試合スタメンを組むのも一苦労でした。

後半戦のポイント

まずは崩壊している守備の立て直しが急務。得点数の少なさも課題ですが、耐えて耐えて耐えてしぶとく1-0でも勝てるようなチームが残留争いをする上では重要だと思います。チームとして守備の決まり事を明確にしてそれを90分間遂行する、サボらずハードワークするといった基本的な所をやり切る必要があります。

また、これは2年前に降格したシーズンでもそうでしたが、気持ちを切らさず戦うこと。自分たちの時間帯に得点が奪えず、失点してしまうと終盤立て続けに大量失点してしまう試合が多くあります。
今シーズンは早い時間に失点を重ねて試合が壊れるということはそれほど多くありません。先に失点しても下を向かずまずは追いつく、粘り強く勝ち点を拾っていくこと、ロースコアのゲームをものにすることが重要です。

攻撃に関してもリーグワーストの得点数ですが、相手に退場者が出て数的優位になってもブロックの外からロングボール一辺倒だったクラマー監督からライス監督に代わり改善が見られました。ゴール期待値は上回っても負けてしまうもどかしい試合もありましたが後半戦はチャンスはしっかり仕留める!お願いします!

どれだけ勝てなくても収容人数6万人を超えるフェルティンスアレーナは毎試合ほぼ満員になります。スタジアムで大歓声を送るシャルカーの為にも最後まで諦めず戦い抜く姿を見せてほしいです。

冬の補強

●ニクラス・タウアー (21歳 CB,DMF)
マインツからレンタルで加入。守備的なポジションをこなせる選手でしたが加入してすぐに怪我で離脱中。早くもシャルケに染まってしまったようです。早く復帰してください。
●モリッツ・イェンツ 
(23歳 CB)
ロリアンからレンタルで加入。身長190㎝のドイツ人。絶賛崩壊中の守備を立て直せるか。いや、立て直してください。どうかお願いします。
●イェレ・ウロネン 
(28歳 SB)
ブレストからレンタルで加入。離脱中のアウエヤンの穴を埋めるべく補強した左SB。既に再開後の2試合にスタメン出場。
●ティム・スカルケ 
(26歳 WG)
ウニオンベルリンからレンタルで加入。サイドで仕掛けられる選手が少ないシャルケにとって貴重なスピードのあるウィンガー。ガンガン仕掛けてチャンスを作ってください。
●ミヒャエル・フライ (28歳 CF)
アントワープからレンタルで加入。テロッデはここまで3ゴールと物足りない数字、ポルターは膝の怪我で今季絶望となり手薄となったFWの補強。
昨シーズンはベルギーリーグで24ゴールを記録したらしいので期待しています。

後半戦のキーマン

●上月壮一郎
2022年8月シャルケのセカンドチームに加入。4部リーグで8ゴールを記録してすぐさま中心選手に。W杯開催による中断期間中にトップチームに帯同すると練習試合6試合で4ゴールと結果を残しプロ契約を勝ち取りました。

中断期間明けのフランクフルト戦でスタメンに名を連ねブンデスデビュー。右サイドから積極的に縦に仕掛ける姿勢やポスト直撃の惜しいシュートもあり、当たり負けすることも少なく、能力的にもフィジカル的にもブンデスで通用することをたった1試合で証明して見せました。

続くライプツィヒ戦ではブンデス初ゴールが生まれました。
ピッチ中央でボールを引き出した上月はブンデスを代表するDFのグバルディオルとハルステンベルクをワンタッチで完璧に出し抜くとキーパーとの1対1も冷静に右サイドネットに流し込むファインゴールでした。

今のシャルケに足りない貪欲にゴールを目指す姿勢が上月には見られます。次は勝利に繋がるゴールを挙げて後半戦の救世主となってほしいです!

●ロドリゴ・サラザール
シャルケの中で数少ないブンデスで通用すると言えるレベルの選手。
クラマー前監督の元ではジョーカー起用されることも多く、足首の骨折もあり前半戦は8試合の出場にとどまりました。
オフサイドとなったものの開幕戦のミドルシュートやBMG戦のゴールのようにエリア外からでも高精度のシュートが撃てるのが魅力。途中出場したレヴィアダービーでは相手がファールで止めるしか出来ないほどキレのあるドリブルを披露。
(1/29現在)全体練習にも参加しており復帰間近。チームが浮上するためには違いを生み出せる背番号10の躍動が必要不可欠です!

●モリッツ・イェンツ
まだ1度もプレーを見たことはありませんが守備安定の為のキーマンに上げました。再開後のフランクフルト戦とライプツィヒ戦では吉田とマトリチャーニがだいぶ厳しいパフォーマンスでした。セップも復帰までまだ時間がかかりそうなので即戦力として頑張ってもらいたいです!

終わりに

残り17試合で勝ち点7を縮めることは不可能なことではないです。怪我をしている選手も戻ってくることでしょう。これまで試合内容は良くても結果として勝ち点がついてこない試合が沢山ありました。1つ勝てれば、自信が付くきっかけがあれば波に乗って行けるはずです。
ファンは残留を信じて最後まで応援するのみです!
Glück Auf🔵⚪

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